8 / 18
七章
しおりを挟む
朝比奈が中央署で取り調べを受けている時、国友家では家族が集まって事件について話し合うことになった。鉄男に、その祖父である鉄之助、父の幸助と母の元子、兄夫婦の浩一郎に幸子、叔父の俊幸7名で、鉄之助を上座にテーブルに着いていた。
「今日は皆んなご苦労だった。そして、大変残念なことになってしまった。今日、こうして集まってもらったのは、国友家として事件に対しどう対処すれば良いのか、皆の意見を聞きておきたいと思ったからだ。皆、率直な意見を出して欲しい」
鉄之助が口火を切り、皆は頷いた。
「まず、事件の概要について説明します。新婦の友美さんが亡くなっていたのは神父の控え室というか、予備室で、前頭部を殴打されたことによる脳挫傷だそうです。どうやら、披露宴が終わった後で化粧を落とし、その足で予備室に向かったと思われます」
息子の幸助が書類を手に話し始めた。
「わざわざ犯人に会いに行き、そして殺害されたという訳なんだね。まだ、報道はされていないようだが、その犯人は断定されているのか」
溜息を吐いて鉄之助が尋ねた。
「いえ、まだ犯人は逮捕されていません。何故か、美容室から予備室までは非常階段を使ったようで、誰と会おうとしていたのか全く分かっていないのです。ただ、友美さんは、血文字で犯人の名前を残したようで、警察はその人間を取り調べているようです」
書類をテーブルに置いて、現在分かっていることを報告した。
「それにしてもよく調べてくれたね。ああっ、そうか、俊幸は警察に顔が効くんだったな。名前が残っているんだから、間違いなく犯人だろう。まぁ、事件は解決したとしても、その原因の元、つまり殺人の動機が何であったのかが問題だな。それによっては、愛知グループの信用が損なわれることになる」
困った表情で腕を組んだ。
「内田家については、私が調査会社を使って調べました。友人の保証人になっていた父親は、その友人が残した借金を返済する為に、経営していた会社が倒産してしまい、家族を残して行方不明になってしまいました。その為、母親の収入だけで生活していたようです。友美さんは、奨学金を得て大学を卒業して愛知精機に入社して、高校が同じだった鉄男と出会って結婚することになりました。そこまでは、調査会社の報告では異性関係などのトラブルもなかったようです。ですので、2年間の花嫁修業をすることで結婚を許可したのですが」
別の書類を手に幸助が報告した。
「まぁ、逆恨みということもあるが、なぜ結婚式の日に事件を起こさなければならなかったのかということだな。それも警察が調べてくれるだろう。ただ、あれだけ多くの参列者があり、各界の著名者も出席していた訳だから話題にもなっていたから、どこから事件に対して話が漏れ出すか分からない。愛知グループの名前に傷が付くような報道がされないように、力を合わせて押さえ込んで欲しい」
鉄之助が厳しい表情で念を押した。
「警察には、報道する情報を事前に報告してもらうように依頼してあります。また、マスコミ等においても、必ず報道内容をチェックできるような体制をとっていますが、今はYouTubeやSNSなどインターネットで直ぐに広めることができますので、大規模の披露宴でしたので参加人数も多くて完全に封じ込めることは不可能だと思われます。ただ、それらが発信される前に、犯罪を犯したのではなく被害者でもありますので、一応先手を打ってこちらに有利な記事を書くように依頼はしておきました」
今度は俊幸が報告した。
「あの父さん、警察が取り調べをしている人物が誰なのか分かっているのですか」
鉄男が声を発した。
「えーと、確か、朝比奈と言ってたな。鉄男、その男を知っているのか」
幸助が先程の書類を戻して答えた。
「あっ、はい、高校時代の同級生で、部活も同じラグビー部でした。それに、昨年末のクリスマスディナーでも名古屋ニューグランドホテルで会っていました」
朝比奈の名前が出て流石に動揺していた。
「確か、友美さんもラグビー部だったな、まさかと思うが男女間の縺れってことはないだろうな」
叔父の俊幸が尋ねた。
「確かに、高校時代は友美が朝比奈に好意を持っていたことは友人から聞いていたけど、高校時代は勿論、高校を卒業してからも付き合っていたことはなかったそうです。それに、朝比奈は殺人を犯すような奴ではないです。今は、取り調べの段階で逮捕されたわけではないですよね」
怪我をしてレギュラーを外された時も、声を掛け元気づけてくれた朝比奈が殺人を犯すとは思えなかった。
「鉄男が高校時代の友人を庇いたいという気持ちは分かるが、卒業してもう10年も経っているんだから、色々な環境によって人間も変わるんだよ。兄さんに聞いて、違う筋から朝比奈という人間を調べてみたのですが、定職にも就かずアルバイトで食いつないでるそうですよ。そんな人間を信じる方がおかしいと思いますけどね」
俊幸の問いに卒業後の朝比奈を知らない鉄男は反論できなかった。
「まぁ、事件については警察に任せることにして、どういう結果が出されたとしても、愛知グループに傷が付かないように手配してくれ」
鉄男と俊幸の間に入って話を締めようとした。
「まぁ、幸いなことに籍に入れる前だったから、国友家に汚点を残さずに済んだから良かったけど、そもそも殺人に巻き込まれるような人を選ぶなんてね。最初から反対だったんだけど、鉄男がどうしても結婚したいというから、仕事を辞めて2年間の花嫁修業をすることを条件に許可したんだけど、こんなことになるなら私が薦めるお嬢さんにすればよかったと、今でも残念でならないわ。鉄男、いいわね、あなたのお嫁さんは私たちが決めるから、二度とあなたの好きにはさせない」
母親の元子が悔しそうに言い放った。
「過去のことをあれこれ言っても仕方ない。取り敢えず、マスコミに追い回される可能性があるだろうから、鉄男は明日から会社には出社せずに、事件が鎮静するまで身を隠す必要があるな」
鉄之助が顎に右手を当てた。
「別荘でもと考えたのですが、マスコミに嗅ぎ付けられることを考慮して、市内のホテルを社員名で2週間程リザーブしました。鉄男、暫くはそのホテルで身を潜めておくように分かったな」
父の言葉に鉄男は仕方なく頷いた。
「あの、今回の事件の件なのですが、もしその朝比奈という人物が犯人であれば良いのですが、別に犯人が居てもし会社の関係者だったとすれば、会社や国友家に取って大変なダメージになりかねません」
俊幸が念には念を入れるようにと意見を提案した。
「そうだな、まさかそんなことはないとは思うが、警察の捜査状況を早目に入手して、先手が打てるような体制を整えるように準備しておいてくれ」
俊幸の言葉に最悪の事態を頭に描き気が重くなってきた。
「はい、分かりました。早速手配します」
鉄之助に向かって俊幸が頭を下げた。
「話は変わるが俊幸、沙織の婚約についてはどこまで進んでるんだ」
気を取り戻して鉄之助が尋ねた。
「当初の予定では、2月末の吉日を選んで今日と同じ名古屋ニューグランドホテルで婚約パーティーを開くつもりでいたのですが、今回の事件のこともありましたので、場所や日程については再度検討しようと考えています」
手帳を開いて答えた。
「そうだな、事件の様子を見てできればホテルも変えて婚約の日も私が決めよう」
「よろしくお願いします」
俊幸は再度頭を下げた。
「私は報告を受けているが、もう一度皆に婿になる人物について紹介してもらおうか」
目で合図を送った。
「橋下徹也と言うんですが、彼はとても優秀な人間で、東海カトリック大学の法学部を卒業し、斑目国際法律事務所でパラリーガルを勤めた後、アメリカのニューヨーク州にあるオメガ大学のロースクールに奨学金免除で入学して、卒業後はニューヨーク州の弁護士資格を取る予定でいます。オメガ大学の奨学金を受けた卒業生は、100%の確率で合格しており間違いないと思います。勿論、帰国後は日本の司法試験にもチャレンジしたいと、今日も会って話していたところです」
自信を持って俊幸が答えた。
「東海カトリック大学か・・・・・・それで、家柄はどうなんですか」
首を捻って幸助が尋ねた。
「父親は、兄貴も知っている橋下潤一国交副大臣で、長男の和也が父親である副大臣の私設秘書。行く行くは跡を継いで国会議員にとの話が出ている程、知名度も信頼度も高い人物だそうだ」
得意げな表情で兄の幸助を見た。
「将来的には、国とのパイプ役になってもらいたいと願っているよ」
鉄之助の締めの言葉に俊幸は頷くと、家族会議はお開きとなり、皆はそれぞれ立ち上がって重々しく部屋を出ることになった。
「今日は皆んなご苦労だった。そして、大変残念なことになってしまった。今日、こうして集まってもらったのは、国友家として事件に対しどう対処すれば良いのか、皆の意見を聞きておきたいと思ったからだ。皆、率直な意見を出して欲しい」
鉄之助が口火を切り、皆は頷いた。
「まず、事件の概要について説明します。新婦の友美さんが亡くなっていたのは神父の控え室というか、予備室で、前頭部を殴打されたことによる脳挫傷だそうです。どうやら、披露宴が終わった後で化粧を落とし、その足で予備室に向かったと思われます」
息子の幸助が書類を手に話し始めた。
「わざわざ犯人に会いに行き、そして殺害されたという訳なんだね。まだ、報道はされていないようだが、その犯人は断定されているのか」
溜息を吐いて鉄之助が尋ねた。
「いえ、まだ犯人は逮捕されていません。何故か、美容室から予備室までは非常階段を使ったようで、誰と会おうとしていたのか全く分かっていないのです。ただ、友美さんは、血文字で犯人の名前を残したようで、警察はその人間を取り調べているようです」
書類をテーブルに置いて、現在分かっていることを報告した。
「それにしてもよく調べてくれたね。ああっ、そうか、俊幸は警察に顔が効くんだったな。名前が残っているんだから、間違いなく犯人だろう。まぁ、事件は解決したとしても、その原因の元、つまり殺人の動機が何であったのかが問題だな。それによっては、愛知グループの信用が損なわれることになる」
困った表情で腕を組んだ。
「内田家については、私が調査会社を使って調べました。友人の保証人になっていた父親は、その友人が残した借金を返済する為に、経営していた会社が倒産してしまい、家族を残して行方不明になってしまいました。その為、母親の収入だけで生活していたようです。友美さんは、奨学金を得て大学を卒業して愛知精機に入社して、高校が同じだった鉄男と出会って結婚することになりました。そこまでは、調査会社の報告では異性関係などのトラブルもなかったようです。ですので、2年間の花嫁修業をすることで結婚を許可したのですが」
別の書類を手に幸助が報告した。
「まぁ、逆恨みということもあるが、なぜ結婚式の日に事件を起こさなければならなかったのかということだな。それも警察が調べてくれるだろう。ただ、あれだけ多くの参列者があり、各界の著名者も出席していた訳だから話題にもなっていたから、どこから事件に対して話が漏れ出すか分からない。愛知グループの名前に傷が付くような報道がされないように、力を合わせて押さえ込んで欲しい」
鉄之助が厳しい表情で念を押した。
「警察には、報道する情報を事前に報告してもらうように依頼してあります。また、マスコミ等においても、必ず報道内容をチェックできるような体制をとっていますが、今はYouTubeやSNSなどインターネットで直ぐに広めることができますので、大規模の披露宴でしたので参加人数も多くて完全に封じ込めることは不可能だと思われます。ただ、それらが発信される前に、犯罪を犯したのではなく被害者でもありますので、一応先手を打ってこちらに有利な記事を書くように依頼はしておきました」
今度は俊幸が報告した。
「あの父さん、警察が取り調べをしている人物が誰なのか分かっているのですか」
鉄男が声を発した。
「えーと、確か、朝比奈と言ってたな。鉄男、その男を知っているのか」
幸助が先程の書類を戻して答えた。
「あっ、はい、高校時代の同級生で、部活も同じラグビー部でした。それに、昨年末のクリスマスディナーでも名古屋ニューグランドホテルで会っていました」
朝比奈の名前が出て流石に動揺していた。
「確か、友美さんもラグビー部だったな、まさかと思うが男女間の縺れってことはないだろうな」
叔父の俊幸が尋ねた。
「確かに、高校時代は友美が朝比奈に好意を持っていたことは友人から聞いていたけど、高校時代は勿論、高校を卒業してからも付き合っていたことはなかったそうです。それに、朝比奈は殺人を犯すような奴ではないです。今は、取り調べの段階で逮捕されたわけではないですよね」
怪我をしてレギュラーを外された時も、声を掛け元気づけてくれた朝比奈が殺人を犯すとは思えなかった。
「鉄男が高校時代の友人を庇いたいという気持ちは分かるが、卒業してもう10年も経っているんだから、色々な環境によって人間も変わるんだよ。兄さんに聞いて、違う筋から朝比奈という人間を調べてみたのですが、定職にも就かずアルバイトで食いつないでるそうですよ。そんな人間を信じる方がおかしいと思いますけどね」
俊幸の問いに卒業後の朝比奈を知らない鉄男は反論できなかった。
「まぁ、事件については警察に任せることにして、どういう結果が出されたとしても、愛知グループに傷が付かないように手配してくれ」
鉄男と俊幸の間に入って話を締めようとした。
「まぁ、幸いなことに籍に入れる前だったから、国友家に汚点を残さずに済んだから良かったけど、そもそも殺人に巻き込まれるような人を選ぶなんてね。最初から反対だったんだけど、鉄男がどうしても結婚したいというから、仕事を辞めて2年間の花嫁修業をすることを条件に許可したんだけど、こんなことになるなら私が薦めるお嬢さんにすればよかったと、今でも残念でならないわ。鉄男、いいわね、あなたのお嫁さんは私たちが決めるから、二度とあなたの好きにはさせない」
母親の元子が悔しそうに言い放った。
「過去のことをあれこれ言っても仕方ない。取り敢えず、マスコミに追い回される可能性があるだろうから、鉄男は明日から会社には出社せずに、事件が鎮静するまで身を隠す必要があるな」
鉄之助が顎に右手を当てた。
「別荘でもと考えたのですが、マスコミに嗅ぎ付けられることを考慮して、市内のホテルを社員名で2週間程リザーブしました。鉄男、暫くはそのホテルで身を潜めておくように分かったな」
父の言葉に鉄男は仕方なく頷いた。
「あの、今回の事件の件なのですが、もしその朝比奈という人物が犯人であれば良いのですが、別に犯人が居てもし会社の関係者だったとすれば、会社や国友家に取って大変なダメージになりかねません」
俊幸が念には念を入れるようにと意見を提案した。
「そうだな、まさかそんなことはないとは思うが、警察の捜査状況を早目に入手して、先手が打てるような体制を整えるように準備しておいてくれ」
俊幸の言葉に最悪の事態を頭に描き気が重くなってきた。
「はい、分かりました。早速手配します」
鉄之助に向かって俊幸が頭を下げた。
「話は変わるが俊幸、沙織の婚約についてはどこまで進んでるんだ」
気を取り戻して鉄之助が尋ねた。
「当初の予定では、2月末の吉日を選んで今日と同じ名古屋ニューグランドホテルで婚約パーティーを開くつもりでいたのですが、今回の事件のこともありましたので、場所や日程については再度検討しようと考えています」
手帳を開いて答えた。
「そうだな、事件の様子を見てできればホテルも変えて婚約の日も私が決めよう」
「よろしくお願いします」
俊幸は再度頭を下げた。
「私は報告を受けているが、もう一度皆に婿になる人物について紹介してもらおうか」
目で合図を送った。
「橋下徹也と言うんですが、彼はとても優秀な人間で、東海カトリック大学の法学部を卒業し、斑目国際法律事務所でパラリーガルを勤めた後、アメリカのニューヨーク州にあるオメガ大学のロースクールに奨学金免除で入学して、卒業後はニューヨーク州の弁護士資格を取る予定でいます。オメガ大学の奨学金を受けた卒業生は、100%の確率で合格しており間違いないと思います。勿論、帰国後は日本の司法試験にもチャレンジしたいと、今日も会って話していたところです」
自信を持って俊幸が答えた。
「東海カトリック大学か・・・・・・それで、家柄はどうなんですか」
首を捻って幸助が尋ねた。
「父親は、兄貴も知っている橋下潤一国交副大臣で、長男の和也が父親である副大臣の私設秘書。行く行くは跡を継いで国会議員にとの話が出ている程、知名度も信頼度も高い人物だそうだ」
得意げな表情で兄の幸助を見た。
「将来的には、国とのパイプ役になってもらいたいと願っているよ」
鉄之助の締めの言葉に俊幸は頷くと、家族会議はお開きとなり、皆はそれぞれ立ち上がって重々しく部屋を出ることになった。
0
あなたにおすすめの小説
その人事には理由がある
凪子
ミステリー
門倉(かどくら)千春(ちはる)は、この春大学を卒業したばかりの社会人一年生。新卒で入社した会社はインテリアを専門に扱う商社で、研修を終えて配属されたのは人事課だった。
そこには社長の私生児、日野(ひの)多々良(たたら)が所属していた。
社長の息子という気楽な立場のせいか、仕事をさぼりがちな多々良のお守りにうんざりする千春。
そんなある日、人事課長の朝木静から特命が与えられる。
その任務とは、『先輩女性社員にセクハラを受けたという男性社員に関する事実調査』で……!?
しっかり女子×お気楽男子の織りなす、人事系ミステリー!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる