2つの糸

碧 春海

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九章

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 事件の捜査を決意した朝比奈は、新聞やテレビの報道は勿論のこと、YouTubeやSNSなどインターネットについてもチェックしていたが、目新しい情報は何も報道されていなかった。朝比奈は焦りと苛立ちを抑えきれず、無駄とは思いながら直接警察に電話で聞いてみることにした。
『はい、愛知県警中央署です』
 若い女性の声であった。
『朝比奈と申します。捜査1課の沖田刑事をお願いします』
『少々お待ちください』
 女性がそう答えると(メリーさんの羊)の保留音が流れた。
『はい、お電話代わりました。朝比奈さん何のご用ですか?』
 何か素っ気なくて迷惑そうな口調であった。
『内田友美さん殺害事件のその後の状況についてお聞きしたくて連絡させていただきました。どこまで進展しているのか、新しい証拠などについて教えて頂けませんか』
『ああっ、その件ですが、何も進展はありません。今、朝比奈さんは何処にいらっしゃいますか、事件についてうかがうことがあるかもしれませんので』
『自宅で警察が事件をすばやく解決してもらえるように祈っていますが、進展がなければ結構です。失礼します』
 期待はしていなかったし、もしそんな証拠が出てきたとしても、警察だってプライドがあるだろうから、こんな素人に教えはしないと受話器を置いた。
(そりゃ、警察を当てにする方が間違っているよな。自分で動くしかないよな)
 変に納得して、気持ちを切り替える為にキッチンへと向かい美味しいコーヒーを点てることにした。ここで1つ豆知識を。コーヒーを作ることをコーヒーをいれるとも言います。この『いれる』に該当する漢字は『入れる』『淹れる』『煎れる』でしょうか。まず、『煎』は薬草を煎じると言う用法に見られるように、お茶の葉を火にかけ沸騰させたお湯の中に入れ、煮出してお茶を作ることをいいます。もしこれをコーヒーに当てはめるなら、コーヒー粉から煮出すパーコレーターやターキッシュコーヒーの抽出過程が似ています。
『淹』という語は、火から降ろしたお湯で、急須に入れた茶葉を浸してお茶を作ることを指します。これをコーヒーに当てはめるとプレス式が近いですが、広義ではドリップ式でも大丈夫そうです。
 そして、上記の『淹れる』と『煎れる』の両方の意味を兼ね備えているのが『入れる』になります。『入れる』はコーヒーを作る意味だけではなく、カップに「注ぐ」という意味にも使われ、『淹れる』と『煎れる』が常用漢字でないことを考えれば、不特定多数の人を対象にした情報の場合は『入れる』で記述される方が好ましいと思います。
 ただ、敢えて『点てる』と表現したのは、湯を加えた抹茶を、茶筅(ちゃせん)で手早く掻き回すことを『茶を点てる』といいます。この意味からすると『コーヒーを点てる』という表現はちょっと苦しい感じもしますが、お茶を点てるようにコーヒーを入れるという凛とした姿勢が伝わってきて、朝比奈が事件に対して思い悩む姿を想像していただきたいと思います。朝比奈が、ゆっくりと丁寧にコーヒーを点て終えると、モニター付きのインターホンが鳴った。
「中央署の沖田です」
 インターホンの画面には沖田刑事の厳つい顔があった。
「ご用件は何でしょう。まさか今度は逮捕に来たんじゃないですよね」
 先程の電話のお返しとばかりに朝比奈は冷たい言葉で接した。
「まさかそんな・・・・・先ほど電話をいただいた内田さんの事件について説明に伺いました」
 申し訳なさそうに答えた。
「えっ、僕に伝えることは何もないとおっしゃっていましたよね」
 電話での態度の違いに朝比奈は驚いた。
「あの、兎に角中に入れていただけませんか」
 辺を気にしながら訴えた。
「今開けます」
 玄関の鍵を解除して沖田を家の中に入れた。
「今丁度美味しいコーヒーを点てましたので、それでいいですか」
 椅子に腰掛ける沖田に声を掛け、自分の分ともう1つコーヒーカップを湯で温めた。
「あっ、いえ、お構いなく」
 といったが、コーヒーのいい香りが漂い喉を鳴らした。
「それで、何か分かりましたか?」
 朝比奈は2人分のコーヒーを持ってリビングに戻り、それぞれの前にコーヒーを置いて自分も座った。
「早速ですが、朝比奈さんの指摘があった点について手分けして調べてみました」
 何があったのだろう。警察の取調室での高圧的な態度とは打って変わっての態度に朝比奈は驚いた。
「どのような点なんでしょう」
 どんな風が吹き込んだのか、風向きが変わらないうちに話を聞くことにした。
「ます、ダイイングメッセージの件ですが、鑑識で詳しく調べた結果によると、やはり残された血文字のアサヒナフの『ナ』の文字は朝比奈さんの推理が正しく、斜めが先に書かれていました。それを考慮して、まず会社関係の人物を調べています。該当するのは愛知グループの傘下の、旭野工業とアサヒノ樹脂加工の社長で、今内田さんとの関係やアリバイなどの確認をしています。それが終わり次第、旭野高校の関係者について一人一人順次調べて行く予定です」
 手帳を取り出して答えた。
「時間の無駄ですから、その2つの関連会社の社長と、内田さんの高校時代の関係者は捜査対象から外してもいいと思います」
 コーヒーの香りを楽しみながら言った。
「えっ、どうしてですか」
 朝比奈の言葉に呆気に取られた。
「恐らく内田さんは、関連会社の社長や挙式に招待するような高校の友人などの名前は知っているはずです。だからわざわざ『アサヒノ』などと抽象的な言葉を残さず、ズバリ本人の名前を書き残すと思います。つまり、内田さんは正面から殴打されていた訳ですから、犯人の顔は見ていると考えられますが、それが誰なのかは知らなかった為に、そのヒントとなる言葉を残したのだと思います」
 まぁ、それくらいは分かるよねと顔に湧き出ていた。
「そっ、そうですよね・・・・・・署長や近藤警部は、朝比奈さんとは関わるなと署員にそれぞれ言い渡していました。ですから、先程の電話での態度になってしまいました。でも、私は朝比奈さんの協力がどうしても必要だと思い、独自の判断で無理を承知でこうして伺わさせていただきました」
 沖田は頭を下げた。
「沖田さんの気持ちは良く分かりました。僕も1人では動く範囲も限定され、捜査に限度がありますので助かりますが、2人の命令に逆らって立場上大丈夫なんですか」
 自分の勝手な行動が責任問題になっては申し訳ないと思った。
「あっ、いえ、それは私の判断ですので、気にしないでください。本当に今、警察では新たな証拠や証言はなく捜査に行き詰っています。こんなことをお願いする立場ではないことは理解しているつもりですが、私は一刻も早く事件を解決したいと思っています」
「その為には、犬の手、いや猫の手も借りたいとのことですね。僕も、沖田さんの気持ちと同じです。今回は協力し合うことにしましょう。早速ですが、国友鉄男に依頼して披露宴の招待客の名簿を送ってもらい、内田家側の招待客と国友家側でも友美さんが知っている人物には印を付けてもらいました」
 朝比奈は立ち上がるとその名簿とノートパソコンを持って戻ってきた。
「名簿の中の印が付いていない参列者で、高校関係者などアサヒノに関係する人物が犯人だということですね」
 犯人逮捕に向けての新しい証拠に沖田の表情も変わった。
「当日、ホテルには大勢の人が押し寄せていましたので、内田さんと関係がある人がその中に居た可能性もありますが、手掛かりにはなると思います」
 期待をさせて落ち込ませる本当に空気が読めない朝比奈であった。
「あ~っ、はい、捜査本部に提案させていただきます」
 丁寧に名簿をたたんだ。
「そんなにガッカリしないでください。警察では現場百篇と言う言葉があるそうですね。僕も、もう一度名古屋ニューグランドホテルに行って色々聞いて回りました。まず、教会の予備室内やその近くには防犯カメラの設置はありませんでした」
 ノートパソコンを開いて準備を始めた。
「それは警察でも確認しています」
 朝比奈が何をするつもりなのか気になった。
「ですから、当日の教会の予備室以外の挙式から披露宴終了時までの映像をコピーさせてもらって何度も何度も何度もチェックしたのですが、ちょっと気になる映像を見付けましたので、一緒に確認してもらえますか」
 披露宴のキャンドルサービスの場面を映し出した。
「えっ、ちょっと待って下さい。個人情報なんですよ、よく監視カメラの映像を借してくれましたね」
 流れる画像を見ながら驚いていた。
「ああ、あのホテルには色々と関係していますからね。あっ、ここです」
 披露宴で人気のイベントであるキャンドルサービスの場面で、新郎新婦がゲストのテーブルに置いてあるキャンドル1つ1つに直接火を点けていくものであるが、あるテーブルのキャンドルに点火する時、確かに新婦である友美の笑顔が消えて、暗いというか引きつっているようにも見えた。
「はあ、確かに、他のテーブルの時とは違いますね」
 朝比奈が戻して見せた映像と比較してもやはり違和感があった。
「そのテーブル以後からなんですよね。そして、最後にメインテーブルにあるキャンドルに火を点けてキャンドルサービスは終わるのですが、それからの彼女はそのテーブルを何故か意図があるように、チラリチラリと何度も見る仕草が増えているのです」
 その場面も何度か見せた。
「よくこんな細かいこと、気が付きましたね。でも、これが事件に関係しているかどうかも分からないですよね」
 ただ単に気に入らない人物が居たからじゃないのかと沖田は思った。
「それがですね、昔から細かいことが気になる質で、その理由が解決しないと気が済まないんですよ。このテーブルにセッティングされている6人の人物について詳しく調べてもらえませんか。よく見ておいてくださいよ」
 先程のテーブルの画面まで戻し、静止画面を拡大して沖田に見せた。
「わっ、分かりました。一応調べてみます」
 そんな嫌われている人間に呼ばれて、内田が1人で会いに行くとは思えなかった。
「それから、凶器は発見されているのですか」
 ノートパソコンを閉じ話題を変えた。
「いえ、まだ発見されていませんが、神父やホテル関係者の話では、予備室に置かれていたマリア像が事件後なくなっているそうで、その像が凶器だと思われています」
「えっ、マリア像が凶器なんですか。僕はキリスト教徒ではありませんが、マリア像を使うなんて狂気の沙汰ではないですね。きっとバチが当たりますよ」
 朝比奈は顔を小刻みに上下させ勝手に頷いた。
「えっ・・・・」
 どう突っ込んで良いのか戸惑った。
「そのマリア像なのですが、どれくらいの大きさなんですか」
「台座の部分が5センチで、マリア像の部分の高さが45センチ程ですので、全体で50センチですね。重さは、2から3キロ程だそうですから、成人男子ならば片手で持って振り下ろせるとは思いますが、女性では両手で持たないと無理だと推測されます」
 実際に手で大きさを表した。
「幅もあるでしょうから、結構大きなものですよね」
「でも、結婚式の引き出物の袋に入れて持ち帰ったのではないでしょうか」
「いえ、引き出物の袋には、これでもかとばかりに品物が目一杯入っていましたので、中身を捨てない限り持ち出すことはできません。そんなことをすれば不審に思われるし、反対に引き出物を持ち帰っていない人物が犯人だと疑われることになる。どうしても凶器を持ち出したいなら、そして凶器を現場に残す訳には行かないとすれば、名古屋ニューグランドホテルのロビーには、白犬ヤマタの宅配便の受付コーナーがあったから、引き出物を宅配で自宅などに送れば可能かも。沖田さん、当日の宅配利用者についても調べてみてください」
 左の顳かみを叩いた。
「わっ、分かりました。早速調べてみます」
 沖田は次から次へと思いつくものだと驚いていた。
「それからもう1つ」
 いつものように右手の人差し指を立てた。
「な、何でしょう」
 沖田も乗ってきた。
「どうして内田さんが披露宴終了後に教会の予備室に向かったのか。それも、こっそりと誰にも見られないように非常口からなんて、沖田さんはどう思いますか」
「私は・・・・・捜査本部では、犯人に呼び出されたのだと意見が多勢を占めています」
 朝比奈の表情の変化を見ながら答えた。
「そうですね。でも、女性が披露宴後に、1人で教会の予備室にこっそりと出向きますかね。こんな目に会うかもしれないのに」
「もしも彼女が脅迫されていて、どうしても会わなければならなかったのではないでしょうか」
 沖田は反論した。
「それなら、大勢の目に触れる披露宴会場でもあるホテルを指定するのは、ちょっと無理があるんじゃないですか」
「例えばその犯人が恋愛絡みでの脅迫をしていたとすれば、敢えて挙式の日に教会の予備室に呼び出した理由も理解できると思います」
 素人の朝比奈に負けじと言い返した。
「結婚式の日にですね・・・・・・無いとは言いませんが、可能性は低いと思います。内田さんは、結婚の条件として2年間の花嫁修業をしていました。少なくともその2年間は
そんな余裕はなかったはずです。僕は、反対に内田さんが会いたい人だったのではないかと思っています」
「えっ、会いたい人ですか。それは誰なんですか」
「名前までは聞いていませんが、内田さんのお父さんだと思います」
「行方不明になっている父親にですか」
 突然の展開に沖田は驚いた。
「詳しい事情は分かりませんが、父親は何とか借金は返済したという話ですが、勝手に姿を消して家族には迷惑を掛け、親戚にも合わせる顔がない状態だった。でもね、結婚を迎えることができた娘を一目見て、祝いの言葉のを掛けてあげたかった。それも、娘が挙式を挙げた教会でね」
 朝比奈から、娘に対しての親心について語られるのもとは思ったが、何故か沖田は納得していた。
「多分、父親は内田さんの携帯番号などは知らなかったと思いますので、当日父親から内田さんへ何かの形で伝わっているはずです。僕の力ではそこまで確認するのは難しいので、沖田さんの方からアプローチしていただけませんか。僕はもう一度内田家について詳しく調べてみます。そして、お互いの情報を、あっ、そういう訳にも行きませんね。捜査1課は基本、2人で行動することになっているんですよね。1人でここに来たのも、規律違反なんですよね」
 朝比奈は心配気に沖田を見た。
「2人が1組なのは、1名が制圧や容疑者確保もう1名が本部などに応援要請する為で、なおかつ2人同時に襲われて2人同時に行動不能に成る事は無いとの予測からで、本当は1名が車で待機の3人が理想ですが、そんな余裕はありませんから、1人で行動することが多いんですよ。ですから心配しないでください。ただ、先ほども言いましたように署長と近藤警部は朝比奈さんの事件への介入は快く思っていませんので、私の個人的なパートナーとしてお願いできないでしょうか」
 沖田は改めて頭を下げた。
「よろしくお願いします」
 朝比奈は右手を差し出すと、沖田は両手で握り返し、お互いの連絡先を交換した。
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