天国の指名手配犯

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第一章 空の世界

第八話 あの作戦

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「例の事件さ、またあの作戦やるんだってね」





テレビを見ながらそうポツリと呟いたのは、
リナの4つ下の妹、リリ。




「またあの作戦?何回も失敗してるのに、懲りないねー」




リナがそう言いながらテレビを見ると
例の事件の特集をやっていた、

番組の司会者が、あの作戦について説明をしている。






『指名手配中の二人は、現在人間界にいます、
その様子は確認できますが、二人は何か特別なバリアのようなものをはっていて
我々が空から手を出すことは出来ません、
そのため、1人代表者を選び、スパイとして人間界に送り、
犯人たちを監視させるのです』







これが作戦の内容だった、




犯人たちは、自らの命を自分で奪うことにより、
特別な別ルートを利用できている、


つまり、スパイを送り、
例の二人が、自ら死を選ばないよう監視し、
定められた寿命を全うさせ、監視の目がある、定められたルートを通らせ、
確保しよう、という作戦だ。




毎年一人代表者を選び、人間界に降りてもらう、



作戦の成功者とその家族には、
莫大な名誉とお金が贈られる、



お金と名誉欲しさに、最初は我こそがと立候補する者が多かったが、



成功したことはまだ一度もない、




今回もどうせ無理だろう、無駄だろう、

みんな考えることは同じで、
年々立候補者は減っていっていた。








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