地球人のふり

はに

文字の大きさ
34 / 67
第7章 高校デビュー

32話

しおりを挟む



キヨは高校2年生になった、




今回は春も咲も同じクラスだった、



1年生の時に仲良くなった人達も
何人かは同じクラスで


咲とも意気投合し、

新しいグループで行動する事が増えた。



キヨは1人でいたかったが、

とにかく浮かない、目立たない、普通に過ごす、平和に過ごす、そして記憶を取り戻す、


それだけを考えて過ごした。








そんなある日の事、



夏休みに入る少し前の事だった。





「清ちゃん、今日咲委員会らしいし一緒に帰らない?」



長い間一緒に帰っていなかった春が
キヨに話しかけてきた。





「うん、いいよ」





特に断る理由も無く、キヨはうんと答えた。







他愛も無い話をしながら帰るキヨと春、


もうじきマンションが見えるかな、と言うとき、
春が突然足を止めた。








「清ちゃんって、彼氏いるの?」

「彼氏?いないよ?」




何故いきなりそんなことを聞くのだろう、

そう思いながらキヨは答えた。







「清ちゃん……」






さっきまでそっぽを向いていた春が
体ごとキヨの方を向いた、

春の瞳には
ポカンとした顔のキヨが映っている。









「俺、清ちゃんの事が幼稚園の頃から好きだったんだ、付き合ってほしい」







春は、少し頬を赤らめながらそう言った、


言ってすぐ後ろを向いたので
春の表情はそれ以上分からない。







「………私も…春君の事は好きだよ?
ずっと仲良くしてくれてるし…」

「…そういうことじゃないよ、分かるでしょ?
俺は、清ちゃんを女の子として好きなんだ」







キヨは、

恋愛感情が分からなかった、




自分が思う
ケーキが好き、犬が好き、本が好き


そういう好きと



春の言う、女の子として好き
という好きの違いが分からなかった、





付き合うという意味はわかる、


道で手を繋いで歩いている人達を見ることもあったし、
映画やドラマやマンガで
キスをしたりハグをしたり、
それ以上の事をしたり、

そういう知識はあった、





春が、キヨとそういう事をする関係になりたいと言っているのも分かった。






「…春君…私……」

「…友達からでもいい、清ちゃんの彼氏になりたいんだ」






…分からない…



好きが分からない…




春の気持ちには答えられない…


友達からってどういうこと??


それも分からない…。






「別に返事は今すぐじゃなくてもいいし…」







何日考えても答えは変わりそうになかった、


ずっとずっと兄弟のように思っていた
春をいきなりそんな目で見るなんて
とてもできない、想像もしたくなかった。








「……ごめん……私…好きとか付き合うとかよく分からない…春君の気持ちには答えられない……ごめんなさい…」






キヨは謝って断った、

春の目は見られなかった、

悲しい顔をされたらどうしよう、
怒られたらどうしよう

そんなことばかり考えていた。







「…どうしてもだめ…?」

「うん…春君の事はずっと兄弟みたいな感じだったから……、
それに、私っていじめられてた事もあるし…
なんか変というか…変わっているというか…
とにかく私とは付き合ったりしない方がいいと思う…」

「そんなことないよ…
清ちゃんは可愛くていい子だよ
俺はちゃんと知ってる」





優しい言葉をかけてくれる春


キヨは嬉しくて泣きそうだった、



でも、それとこれとは話が別だ、



どれだけ嬉しくても、どれだけ泣きそうになっても、


春をそういう目で見られないことは変わらない。







「……ごめん…だめなの…私…本当に…
ごめんなさい…付き合えません………」




キヨはもう一度深く頭を下げた、





頭を上げ、目に入った春の顔は
とても悲しそうな顔だった。






「………分かった……
気まずくなるかもしれないけど…ごめんね」








春は去っていった



この日以来春がキヨに話しかけてくることは無かった、





咲とは最初喋っていたが、
徐々に話さなくなり、

私達と完全に関わりが無くなってしまった、







キヨと咲




2人だけになってしまった、







キヨは罪悪感に襲われたが、



好きになれないのに一緒にいる方が酷だろう、と、



自分の選択を責めないようにした。













しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【完結】子爵令嬢の秘密

りまり
恋愛
私は記憶があるまま転生しました。 転生先は子爵令嬢です。 魔力もそこそこありますので記憶をもとに頑張りたいです。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...