地球人のふり

はに

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第7章 高校デビュー

33話

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高校2年生としての最終登校日、

今日は修了式だった。






「清子ー!おはよ!」






教室に入るといつものように
咲が笑顔で走ってきた、



この後は、
「昨日のテレビ見たー?」
なんて世間話や
「昨日お母さんがさー」
なんて愚痴話が繰り広げられるはずだった。





しかし今日は違った。





咲の口から思いもよらない言葉が発せられた。









「明日から春休みだけどね、
私手術する事になって入院するから遊べないや…ごめんね!」








友達の口から


"手術"
"入院"


なんて言葉が出てくることを
誰が想像できただろうか、


しかもこんな健康そのものの咲の口から。








「えっ…、えっ!?
手術…えっ…どういうこと!?
咲、どこか悪いの!?」


「ううん、怪我しちゃってさ、
その手術、
新学期には戻ってくるから、心配しないで!」







なんだ怪我か…、




と、キヨはホッとした。







しかし、どこを怪我したのか全く分からない、
痛いところなんて何もなさそう、



怪我人にも見えないし、
病人にも見えない、


本当に手術するのか…?
キヨは信じられない、



こんな元気そうな咲のどこを手術するのだろう、


きっと手術といっても
簡単な物なのだろうな、




"新学期には戻ってくる"





咲のこの言葉を、
キヨは疑わなかった。





















しかし、



教室で見る咲の姿は、


これが最後となった。











咲は、新学期になっても戻ってこなかった。








3年生になり、
担任の先生は、クラスのみんなに



「難しい病気になった」




と説明した。






キヨは咲に連絡をした、

難しい病気とはなんだろう、
何が起こっているのか知りたい、


状況を説明して欲しい。







【病名は長くて忘れた!(笑)

手術したら治るやつだからそんな心配しなくていいよ!
学校は行けるか分かんないけどね(汗)】





咲から帰ってきた返事はこれだけだった、





治療が忙しいのか、
具合が悪いのか、





この日以降
咲に連絡をしても、あまり返事は来なかった。



















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