ただ、きみを愛してる。

栗木 妙

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「――は……?」
 何の聞き間違えだと思った。咄嗟に言われた言葉の意味が理解できずに固まる。
「最初から、そうやって誰かに取り入るつもりだったんだ」
 なのにサヴィーは、固まる俺のことなど置き去りにしたまま、滔々と流れるように言葉を紡いでゆく。
「『風除け』とは、言い得て妙だね。そもそも僕は、そうなってくれる人を探してたんだよ。二人部屋を使っている誰かと“そういう関係”にでもなっておけば、それ以外の輩から、無闇矢鱈と手を出されるような事態は避けられるだろうから。…まあ、あくまでも希望的観測だけど」
「…どういうことだ?」
「ここでどんなにデカイ顔をしていたところで、所詮は執事なんだから、主家の顔を潰すことまでは出来やしないでしょ。貴族なんて、どこでどう繋がっているかは傍目じゃわからないものだしね。明らかに自分の主家の方が、相手方のそれよりも爵位が上だとか家格が上だとか、わかっているなら別だろうけど。とはいえ、たとえそうであっても、事を構えないに越したことはないよね。万が一にでも構えた“事”が公になってしまえば、それはそれで主家の顔に泥を塗るにも等しいんだから。誰だって危ない橋は渡りたくはないものだよね。――て考えたら、どこまでも“早い者勝ち”ってことにならないかな? 僕みたいな男娼あがりに手を付ける、ってことにおいても、さ」
「――それを……俺にやれ、と……?」
「そうしてもらえたら助かるなあ、っていう話」
 どこかはぐらかすように言ってサヴィーは、唐突に俺へと唇を寄せてきた。――唇の横すれすれの、あとちょっと横にズレてたら互いの唇が合わさっていたかもしれない、っていう際どい位置に。
「少なくとも僕は、それが君であったら嬉しいな、って思ってるけどね」
 あまりに唐突なキスに驚き、やはり固まるしか出来ない俺に向かって、誘惑するような蠱惑的な瞳でサヴィーが熱く見つめてくる。どこをどう見ても、そこに冗談のカケラすら窺えなかった。
「それに……ちょっと癪には障るけど、あいつらの言ってたことも、まるっきり的外れ、っていうワケでもなくてさ。確かに奴らの言う通り僕は、学校を出たら主人のもとに帰って股を開かなくちゃならない、それは決まっていること。だから、慣らしておいたほうがいい、ってのもホント。特に主人のアレはデカイから、尚更なんだよね。現に当の主人からも、拡張するように言われていてさ。それ用の器具まで与えられて、在学中はずっと入れっぱなしにしておくことを、命じられていたりもするワケで」
 ホラここ触ってみたらわかるでしょ、と、おもむろに手を取られて導かれたそこには……確かに、尻の割れ目の隙間、何か硬いものが突き出しているような、そんな感覚が服の布地ごし指先へと伝わってきた。その言葉の通り、拡張用の器具がソコに入れられているのだろうことが、否応も無しに解ってしまう。
「コレ入れとくだけでも、ある程度までは開いてくれるんだろうけど……どうせだったら、誰かと楽しむに越したことはないじゃない? 僕は主人のためにココを慣らしておくことが出来るし、君は僕で性欲処理が出来る。そう考えたら、お互い悪い話でも無いと思うんだけど。――どうだろう?」
「そんな、いきなり『どう』とかって言われても……」
「まあ…そうだよね、まだ会ってそう間も無い僕のことを、信用しろ、っていう方が難しいかもしれないね。いっそ僕なんかに触れるのも嫌だ、ってくらいに嫌悪感があるなら諦めるよ。けど、もしそうでないなら……ちょっとだけでも前向きに考えてもらえないかな。少なくとも僕は、抱いて欲しいって思えるくらいには、君のことを好きになったから」
「おまえのこと、信用してないとかは無いし、嫌ってるハズもねーけど、でも……」
 相変わらず真っ直ぐに注がれている熱い視線を、またキスでも出来そうなくらい近い距離から受け止めていることが、どうにも恥ずかしくなって……俺は、そうぶつぶつと言い訳がましく呟きながら、狼狽えて視線を他へと彷徨わせてしまう。
「…なら、試してみる?」
 だが、それはすぐに引き戻された。そんな言葉と、両頬に触れられた指の熱さによって。
 すかさず俺は、その瞳に捕らえられてしまった。
「僕たちの身体の相性。一度シてみればわかるでしょ?」
「なっ…オマエ、なに言って……!!?」
「僕、そこまで下手ではないと思うんだけどな……きっと君のことも、気持ちよくしてあげられるよ?」
「イヤだから、そういう問題ではなくて……!!」
「じゃあ、どういう問題?」
「う…だから、それはっ……!!」
「まあ、いいじゃない細かいことはどうでも。とりあえず任せておいて」
「だから、ちょっと待て、って……!!」
 えい、という、どこか楽しげにも聞こえる掛け声と共に、ふいに身体を突き飛ばされる。
 咄嗟のことでバランスを崩した俺が、意図的に倒れ込まされた先は、寝台の上。
 そんな俺の身体を囲い込むかのように両手をついてきたサヴィーから、どうにかして距離を取るべく、そのまま背後へと逃げる。――が、すぐに背が壁へとぶつかり、もはや身動きが取れなくなった。
「そんなに怖がらないでよ。痛いことはしないから」
 じりじりと距離を詰めてくるサヴィーが、俺の脚に手を触れる。
「どうしても嫌だ、ってなったら、そこでめるし」
 その手が、すすっと服の上を滑る。――途端、決して嫌悪感ではない、ぞくりとした何かに襲われた。
 滑るように俺の脚を撫で上げていったその手が、ベルトへと掛かる。かちゃかちゃと金具が小さく音を立てるのを、もはや止めるのも忘れて、どこか茫然としながら聞いていた。
 いつの間にか目の前には、すぐ近くまでサヴィーの綺麗な顔が迫ってきていて……そのまま唇を奪われる。
 啄むようなキスをされたと思ったら、ぺろりと唇を舐め上げられて。驚いた拍子にはふっと開いてしまった口の中へ、すかさずぬめりとした感触が差し込まれてきた。
 しばしの間、じゃれつくかのような舌使いで口内を弄ばれる。
 同時に、前をくつろげた手が服の中に入り込み、まだ半勃ちでやわやわだった俺のアソコを、下着越しに撫でさすってきた。――途端、一気に硬度を増して大きくなった自分のそれに、なんて単純なんだと少しだけ情けなくもなる。男性全般に当て嵌まる、と聞いていた通り、俺も大概、快楽に弱いイキモノなのか。
「…あはっ、おっきくなったね、気持ちいいんだ?」
 唇同士が触れ合える距離でそう笑うサヴィーの顔を、もはやまともに見られない。
「もっともっと、気持ちよくなって」
 かすめるようなキスを唇に感じた、と思ったら、目の前からサヴィーの顔が消えた。
 あれ? と思う間も無く、股間から痛烈な快感が這い上がってきて、思わず「うあっ」と声を上げてしまった
 俺の股ぐらに屈み込んだサヴィーが、下着までズリ下げ剥き出しにした俺のソレを、一心不乱に舐め上げていたのだ。
「ちょ、待てオイっ……!! それは、マジで、ヤバイ、って……!!」
 途切れることも無く連続して与えられる過ぎるほどの快感に、ともすれば喘ぎ声に取って代わられてしまいそうになって、言葉も上手く喋れない。
「やっぱ君の、年齢のわりにはおっきい方だよねえ……年下のクセに、僕より発育いいなんてナマイキぃ……」
「しゃ、喋んなソコでっっ……!!」
「声、我慢しなくてもいいのに……イイ声、聞かせて欲しいなあ……」
「ふざけん、なっ……!!」
「えーふざけてなんてないヨー。――じゃあ、もうちょっと本気出そっか」
「えっ、――ぅおあっ!!?」
『本気』って何だ? などと問いかける暇も無かった。
 いきなり、かぷりとサオの部分をすっぽりと口の中へと咥え込まれ、すかさずきゅうっと吸い上げられ……あまりに突然もたらされた一種暴力的とも云えそうな突き抜けた快感に、俺は声を抑えることさえ出来なかった。それで出てしまわなかったのが不思議なくらいだ。これまでされた舌での愛撫がヌルくさえ思えてしまうような、それほどの衝撃だった。
 だというのに、それはそれだけでは終わってくれず。
 すっぽり咥え込まれたまま、締め付ける唇が上下に動かされそこを扱き、ぬるぬると動く舌が裏筋を舐め上げる。見えないが既に先走りが滴っているだろう先端には、唇が上下されるたび、微かに喉奥が当たるのが感じられ、それがまたもどかしく、昂る気持ちを更に煽ってくるようで堪らない。このままこいつの頭を押さえ付け、自分から腰を動かしてその喉奥にがんがん叩き付けてやりたい、なんていう暴力まがいの行為までしたくなってきてしまう。
「も、やめッ……ひぅっ……よせ、あ、やだ、ああっ……!!」
 もはや、声を抑えることも上手く出来なくなっていた。
 そこまで俺を追い詰めておいて……だが、ふいにサヴィーの動きが止まる。
「はっ……なん、で……」
 やっと止まってくれた、という安堵と、もうちょっとだったのに、という残念な想いが、ないまぜになった視線を、どこか恨みがましく彼へと向けてしまった。
 だが、そんな俺の視線の先で、微笑んだサヴィーは、ゆっくりと屈めていた身体を起こす。
 いつの間にか彼の衣服の前もくつろげられていて、下着ごとズボンが膝上あたりにまで下ろされている。剥き出しになっていた彼の、ぬめぬめとした光を先端に帯びて屹立しているソレが、どうにも艶めかしく感じられて、そこから目が離せなくなってしまった。
 どこか見せつけるような仕草で、纏わりつく下衣を足から完全に取り払って彼は、そのまま膝立ちで脚を大きく開き、俺の腰のあたりを挟み込むようにし跨ってくる。
「どうせなら、中でイッて。一緒に気持ちよくなろうよ」
 こちらを見つめて微笑む彼の片手が、俺の手を取り、自身の背後へと導く。その尻のあたりで触れさせたものは、先にも服越しで触れた、拡張のための器具らしきそれ。
「…これ、抜いてくれる?」
 言われるがままに、穴の外に出っ張っている部分へと手を掛けた。引っ張り出そうとすると、エラのように張った何かが出口付近で引っ掛かっている感触を覚える。何とかそれをやりすごそうと力を籠めたら、途端「ああんっ…」というサヴィーの色っぽい声が、吐く息と共に俺の耳元を撫でた。
「ぅんっ……あ、ん、そのまま、引っ張っ、てっ……ゆっくり、出し、てえっ……!」
 その声に釣られたかのように……知らず知らず空いたもう片方の手が動き、俺の視線の先でそそり立っていたサヴィーのソレに触れる。
「あっ、もぉ、イタズラしないでっ……!」
 そう腰をくねらせ、言葉だけは嫌がるような素振りを見せながら。でも、くすくすと笑った彼は、仕返しとばかりに俺の耳をねっとりと舐め上げてきた。
「もうっ……早く、抜いてよぉ……」
 耳から離れた舌が、今度は俺の唇を舐める。
「前と後ろ両方、なんて、されたら我慢、出来ないから、ね……僕だけ先に、イッちゃっても、いいの……?」
 言いながら繰り返される噛み付くようなキスに、俺も自然に舌を絡めて応える。
 そうしながら、サヴィーの尻のそれを、捻るようにしながら、ゆっくりと引っ張っていく。出口の引っ掛かりをそれが越えた時、俺に塞がれていた口の中で、「うぅん」という、押し殺された何とも色めいた呻き声が籠もって、俺の股間を直撃した。
 そのあとは何の引っ掛かりも無くするんと抜けたそれを、とりあえず傍らへと放り投げておく。
「あはぁん……やっと抜けたねえ……もう限界ぃ……」
 唇を離したサヴィーが、熱を帯びた視線で俺を見下ろしてきた。そこに艶めいた微笑みを覗かせながら、おもむろに「いいよね?」とだけ訊いてくる。
 でも、その返事を待つ気なんて、もはやサラサラ無かったようだ。
 そのままサヴィーは、ゆっくりと腰を落としていく。俺の立ち上がったソレに手を添え、今の今まで器具で拡げられていたソコに、その中に入ってこいと、導いてきて―――。


 ――その寸前で俺は、沈み込もうとしていたサヴィーを身体ごと止めていた。


 どくどくと心臓がうるさいくらいに暴れている。なのに、頭からさあっと血の気が下がっていくような気さえ覚える。
 ――俺は今、何をしてた……?
 頭の中をチラつくのは、あの女が、自分のこの身体を好き勝手に弄ぶ情景。養護院の片隅で何度となく密やかに繰り返されてきた、あまりに一方的な性行為。
 半ば無理やりのように与えられる快感で高められた自分のソレを、ただ導かれるがままに挿入させられる。――そんな行為を、愛などと呼べるべきものが何も無い行為を、自分は嫌悪していたのではなかったのか。軽蔑していた筈ではなかったのか。
 ――なのに俺は今、あの女にされたことを……同じことをサヴィーと、しようとしていたのか……?
 気付いてしまったら、吐き気すら催す。


「どうしたの……?」
 寸前で止めてきた、のみならず、すっかり萎えてしまった俺のソレにも気付いたものか、そんな気遣わしげな声が投げ掛けられた。
「――ごめん、やっぱ無理……」
「どうして……? さっきまで、一緒に楽しんでたじゃない……」
「ごめん……」
「ひょっとして、挿れるのがダメ……?」
 込み上げてきた吐き気に口許を押さえる。吐き気を堪えるのに一杯一杯で言葉を出すのも億劫で仕方なくて、とりあえず一つ頷いてみせることで、応えを返した。
「そっか……じゃあ仕方ないね」
 そう呟くように言ってサヴィーは、俺の上から身体を引く。
 傍らに放り投げられていた拡張用の器具を摘まみ上げ、そして寝台から床へと下り立った。
「さっきは君のことを、『随分と恵まれた環境で育ってきたみたい』なんて言っちゃったけどさ……あれ訂正する。――君も君で、色々と抱えていそうだね。お察しするよ」
 そして脱ぎ捨てた衣服を床から拾うや踵を返し、部屋に備え付けられた水場の方へと消えていった。
 おそらく、ああやって中途半端に終わってしまったから、勃ち上がってたアレを何とかすべく自己処理しに行ったのだろう。寸止めのツラさは、同じ男としてよくわかる。その後ろ姿を見送りながら、心の底から本当に申し訳ないと謝った。声にはならなかったけど、何度も何度も謝り倒した。
 自分が悪いのだとは解っていても……それでもやはり、どうしても、その行為は受け入れられそうにない。
 そこまで自分の内側が、あんな女一人のしたことに、どっぷり浸蝕されきって、自分じゃどうにもならないくらいにまで支配されてしまっている、だなんて……そのことも受け入れ難く、でも事実として今ここに在ることに気付いてしまったら、それこそが立ち直れないほどの衝撃となって俺を打ちのめした。
 おそらく俺は、もう二度と、自分から誰を抱くことも出来ないのだ。――あの女以外、誰も。


 ――ああ、でも、きっと……コルトは、俺なんかよりも、もっとずっと重い、こんな傷を抱えているんだろう……。


 それを考えてしまったら涙が出てきた。
 俺ごときなんかより、コルトはずっとずっと、計り知れないほどの痛い辛い想いをしてきたんだ、と……こういう事態に直面して、改めて痛感する。
 ――それに……サヴィーはコルトだ。
『僕は男娼だから』等とサヴィーは事も無げに言っていたが、自分から望んでその職業に就いていたわけでは決してないだろう。
 まだ右も左もわからぬ幼い頃より、娼館に売られる。――この国の娼婦や男娼であれば、大半がそのような境遇を経てきている筈だ。
 コルトも、そのような何も分からぬ幼い頃に、心ない大人たちによって無理やり身体を暴かれたのだ。――それは、男娼と呼ばれる者と何が違うと云うんだろうか。
 男娼として望まぬ行為を強要されてきたサヴィーを“抱く”ということは、過去コルトを蹂躙してきた男たちがしたことと、何ら変わりない行為ではないのか。にもかかわらず俺は、それを今しがたまで、何の疑問も抱かず、ただ己の欲に任せて、しようとしていたのだ。自分は、それほどまでに浅ましい人間だったのか―――。


「――ああ、もう、おいこら……なに一人で泣いてんのさ」
 いつの間に戻ってきていたのだろうか、気が付けば目の前に立っていたサヴィーが、呆れたような表情で俺を見下ろしていた。
「人がちょっと目を離してた隙に、何があったの? 顔ぐちゃぐちゃじゃん、ホラ拭いて拭いて、鼻水も垂れてるから」
 やおら押し付けられてきた手拭いで、どこか乱暴に顔を拭われる。
「もぉ、そもそも泣きたいのはコッチだっての」
「ごめん……」
「あー別に謝らなくてもいいからさ」
「ごめん……」
「ヤダもう、わかったよ、いいから気が済むまで泣けばいいよ、泣け泣けこんちくしょー」


 そうやって、何だかんだとあやしてくれるサヴィーの腕の中で甘えて、涙が枯れるまで泣くだけ泣いて、泣かせてもらって……そのまま泣き付かれて眠ってしまったようで。
 俺が目を覚ました時には、既に翌日の朝になっていた。
 何だかんだと文句もタップリ言われたが、サヴィーは意外に面倒見のいいタイプなのだと、そのとき解った。
 それからだろうか。彼と、何でも忌憚なく言い合える、友人、と呼べるべき間柄となれたのは。


 だが、それでも……どうしても打ち明けることは出来なかった。
 あのとき俺が、何故サヴィーと繋がることを拒んでしまったのか、その理由を。
 大抵のことは何でも軽く話せてしまえたのに、それだけは、どう頑張っても言葉にして口に出すことが憚られた。
 口に出してしまったら、同時に自分が如何に最低な人間であるかも知られてしまうことになる。さすがに、それを自らの口で語れるほどの度胸と度量は、どこまでも小心の俺の中には無かった。
 何も訊かないでいてくれるサヴィーの優しさに甘えて、ただただ俺は、口を閉ざしているだけだった。そうするしか他に取れる手段が無かった。



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