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イカタコ

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歓迎会の日の夜②

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 「遥太さん、あったかいです」
 「ちょっと真理愛ちゃん、近い...」
 近いというか、密着している。
 真理愛ちゃんのたわわが、押し当てられている。
 シングルベッドだから2人で寝るのは無理があるとは思っていたけど、さすがに大人2人で寝ると動きに余裕がなくなる。
 「遥太さん。私とこんなことしてるんだから、責任取ってくださいね」
 「え? なんの責任?」
 「私と一緒のベッドで寝てるんだから、店長とバイトの関係だけでは許しませんよ?」
 急に責任押し付けられるじゃん...俺、ただ「一緒に寝たい」って言うから寝ただけなのに...。
 「ま、真理愛ちゃんが寝たいって言ったから寝てるだけじゃないか...」
 「私のこと、付き合ってもない男と簡単に寝る女と思わないでくださいね。遥太さんのこと真面目に考えてるから、こういうことしてるわけなので」
 「まだウチで働き始めたばかりじゃないか...」

 「ねーねー、はるたー。喜多山さんがいな...は? アンタらなにやってんの?!」
 急に足音が聞こえ、近づいてきてノックもなしに逢莉子が部屋に入ってきた。
 「うわっ! 逢莉子! こ、これはだな...」
 思わず飛び起きるも、隣に真理愛ちゃんが添い寝してるわけで手遅れなわけで...。
 「なにやってるわけ?」
 「え、えーっとだな...」
 真理愛ちゃん頼む! 庇ってくれ!
 ここは俺が何か話すより真理愛ちゃんが訳を話したほうがいい。そう思った俺は真理愛ちゃんに視線を向けた。
 「私がお願いしたの。一緒に寝て欲しいって。だから、遥太さんを責めないで」
 「え、マジで言ってんの? なんで?」
 「遥太さんと一緒に寝たかったから。それ以外に理由がいる?」
 「遥太のこと好きなの?」
 「まあ...そうだね」
 「なにそれ...。ていうかさ、アタシもいるのにこういうことしてるのキモい」
 「伏木さん寝落ちしてたから、大丈夫かなって思ってたんだけど」
 「アタシ酔い覚めるの早いから。そこらへん覚えといて。で、いつまでそうしてるわけ?」
 「私はこのまま寝るつもりだよ」
 「ねえ、酔っ払ってるの?」
 「私も酔いが覚めるのは早いほうかな。いまはもう酔ってないよ」
 「あっそ。遥太のこと好きになるの早くない? 優しくされて好きになったとか? 意外とチョロいんだね」
 「なんと言われても、私は気にしないで遥太さんと寝るから」
 「きっも。2人が一緒に寝てるなかアタシが別の部屋で寝るとか無理すぎるから、アタシも一緒に寝る」
 「え?マジで?」
 なんか、さらなる急展開になってるのだが...頭が追いつかない...。
 「なに言ってるの? ここに3人で寝るとか無理あるでしょ」
 「遥太が真ん中で、アタシたちが挟む感じで寝ればいいでしょ」
 「もしかして、伏木さんも遥太さんと寝たいの?」
 「は? 違うから。アタシはアンタらがキモいことしないようにするために一緒に寝るだけだし」
 まあ、そんなことだと思いました...。
 「好きでもない男の人と添い寝するのはいいの?」
 「べつに。遥太が触ってきたらビンタするけど」
 理不尽すぎやしませんか...。
 「間違って触れちゃうことはあるだろ。こんな狭いところに3人で寝たら」
 「事前に言い訳すんな。とにかく、アタシも一緒に寝るから」
 てなわけで、バイトの子2人と一緒のベッドで寝ることになった。まさか、こんなことになる日が来るなんてな。バチ当たるかもしれん。

 「狭い...」
 「遥太、髭剃れバカ。チクチクする」
 「仕方ないだろ。まさか一緒に寝るなんて思わなかったんだから」
 「遥太さん。伏木さんが困ってますし、こっち向いて寝てください」
 「え? ああ、うん...」
 真理愛ちゃんに言われるがまま、体の向きを変える。
 「好きな人と向き合って密着して寝るの、ドキドキします」
 真理愛ちゃんの胸が押し当てられてるのが分かる...。俺、友達の妹となにやってんだろ...。
 「いでで!」
 ドキドキする気持ちもつかの間、急に脇腹をつねられ激痛が走る。
 「キモいことしたらビンタするって言ったよね?」
 「ビンタじゃないじゃん!」
 「ビンタの代わりですが何か。ていうかさ、マジで何で喜多山さんは遥太のこと好きになったわけ?」
 「なんでって、優しいから」
 「うーわチョロ。はるたー。チョロい女はすぐ他の男好きになるから気をつけなー」
 こいつ、急にテンション下がること言い出すじゃん...。
 「決めつけないでよ。私、今まで優しくされても好きになったことないし」
 「じゃあ何で優しいだけで好きになったわけ?」
 「一目惚れだからだよ。会ったその時にその人のことを好きになることってあるもんだね」
 めっちゃ告白されてる気分...。
 まさか、真理愛ちゃんが俺のこと一目惚れだったとはな...。
 「へー、そうなんだ。よくわかんないけど、よかったね」
 めっちゃ塩なリアクションじゃん...。
 「伏木さんは、遥太さんと一緒に寝てもなんとも思わないわけ?」
 「ヒゲがチクチク当たって不快だなって思った」
 「遥太さん、私にはジョリジョリ頬ずりしてもいいですよ」
 「...喜多山さんって、こんなヤバい人だったんだね。遥太にお似合いじゃん」
 「それ、褒めてないね...」
 俺だってビックリだよ、まったく...。
 その後も俺は当然の状況に落ち着くことが出来ないまま、2人の美少女バイトと一緒に狭いベッドで川の字になって朝が来るのを待つしかないであった。
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