たとえ失われたとしても、それは恋だった

ぽぽりんご

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解決2 一歩近づきましょう

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 事故だった。
 なんでもない日常。いつも通りの朝、それは起こった。
 
 いや、いつも通りというには物騒な朝だったかもしれない。
 瀬奈と喧嘩して、二人して無言で並び、バスのつり革に捕まっていた。
 それでも、学校に着く頃には普段通り話せるようになるだろうと、そう信じていた。
 
 そのまま。
 学校にたどり着くことは、無かったが。
 
 
 死者は、秋斗と瀬奈を含めて合計五人。
 家族の顔。友人達の涙。失ったものに対する想いの発露を、二人は呆然としたまま。ぼんやりと眺めていた。
 
 
「どうやら俺達、死んじまったみたいだな」
 
 しばらく時間が立ち。
 静かに、秋斗は呟いた。
 隣の瀬奈に話しかけたつもりだったが、返答はない。
 
「さて、これからどうするか。これからどうなるのか。自由に飛びまわれるみたいだし、せっかくだから色々見て回るか?」
「……うるさい」
「宇宙空間とか、出てもいいのか? 地底や海底にもロマンが」
「うるさい! うるさい! うるさい!」

 ぎゅっと目を閉じ、頭を抱え。
 体を縮こまらせた瀬奈は、叫んだ。
 
「なんでアンタは、そんなに平然としてられるのよ! 私達、死んじゃったのよ? みんな、あんなに泣いてるのにっ!」
「なんで、って言われてもなぁ。そんなもん考えたって、どうしようもないだろ。今はこの先の事を考えて、過去を振り返るのはそれからだ」
「アンタが、そんなだからっ。周りを気にしないから! あの子は、あんなにも! ずっと、苦しんでたのに。私も、ずっと隠してたのに……一緒に、いたいからっ!」
「ん? 何だ。何の話だ」
「知るか馬鹿ッ、大馬鹿ッ!」
 
 差し伸べた手を振り払われる。
 同時に、瀬奈の目からは涙がこぼれた。
 
 幼馴染の瀬奈。
 癇癪を起こした時のあやし方も心得ていた。
 もしかすると、この時うまく立ち回れていたら。二人はこの日のうちに、あっさりこの世から消えていたのかもしれない。
 けれども、秋斗だって気が動転していたのだ。
 
 踏み込む事ができず。
 踏み込む事を許さず。
 結果として、二人はいつも通りの関係へと戻った。
 仮面をつけて。心を隠して。
 不安から身を守るように、いつものように、いつものように。立ち振る舞う。
 
 かくして。
 二人はこの日、この時から立ち止まり。
 望んで、望まれて。停滞した。
 
 
 
◇◇◇
 
 
 
「寒いなら、体を動かしてあっためるか。うん、それがいい。そうしよう。たとえ体なんて無くたって、気分が高揚するからな」
「……変態」
「へ、変態じゃねぇし! 別にエロい意味なんてこれっぽっちもないし!」
「今の発言に対してじゃなくて、あんたの存在意義に対して侮辱の言葉を投げつけたのよ」
「存在が変態!?」
 
 大げさに頭を抱えてうずくまる。
 それに対し、大きな溜息をつく瀬奈。
 馬鹿馬鹿しくなったのかもしれない。
 馬鹿馬鹿しい気分にさせたとも言う。
 
「あんたのそういう所、好きよ。気を使わせちゃって悪いわね」
「なんだ、告白か? まいったな、やはりモテ期ってやつか」
「そして、本音を隠そうとする所が心底大嫌い」
「ガッデム!」
 
 再び両手で頭を抱える。
 今度は本気でショックだった。
 
「でも、その……ありがと。なんだか楽になってきた」
 
 引っ張られるような感覚。
 見ると、瀬奈が秋斗の服の端をぎゅっと握り締めている。
 瀬奈が不安に思ったときに、よくする仕草。
 少し視線を外して。でも、時折こちらを気にするように、視線を彷徨わせる。
 
「そうやって素直にしてりゃ、お前って可愛いのな」
「……」
 
 瀬奈は答えない。
 ただ視線を逸らしてうつむくだけだ。
 
「お前って可愛いのな」
「うるさい、二回言うな。素直になれないのはお互い様でしょ」
「違いない」
 
 
 しばらくそうやって、馬鹿話をして。
 馬鹿だった話をして。
 二人は苦笑した。
 
「さーって。元気も出てきたところで、更なるエネルギー摂取に勤しもう。大きなエネルギーを得るためには、甘い物がいいな。間違いない」
「あんたの思考回路って、単純よね」
「お前の趣向に合わせた結果だと思うが。それとも、甘い物を食べたくないとでも言うのか?」
「……食べる。甘い物」
「よし。じゃあ行くか」
「うん」
 
 立ち上がる。
 瀬奈は秋斗の服を握り締めたまま。
 ちょこんと立ち、秋斗の背中に頭を軽く押し付けた。
 
「へい瀬奈。それじゃ歩きにくいぞ。隣に並べ」
「や、そうなんだけど。なんかまだ、うまく動けないというか。変だな、何かしらこれ」
「ふむ」
 
 思案する。
 といっても、選択肢は二つしかないのだが。前か、後ろか。
 大穴として、肩車というのもアリかもしれない。
 すべすべの太腿の感触を味わうのもいいのかもしれない。
 でもここは、前だろう。
 
「なら、こうしよう!」
「へ……ひゃっ!?」
 
 瀬奈の手を引っ張り、抱きかかえる。
 姿勢が良いのと、あとはハキハキした性格も影響してか、そう見られないことも多いが。瀬奈は小柄なのだ。
 しかも驚きの余り体を小さく丸めてしまえば、なおのこと。
 瀬奈の小さな体は、秋斗の両の手にすっぽりと収まってしまう。
 
「ははは、どうだ。お姫様抱っこと言う奴だ」
「ほんっとに、アンタはっ! せめて一言ぐらい言えっての」
「言えば拒否られるからな」
「当たり前でしょ」
「なら、多少強引なくらいがちょうどいい」
「そっ、」
 
 何か言いかけた瀬奈だったが、言葉を飲み込み秋斗から視線を逸らす。
 顔が赤い。思いのほか顔が近かったため、照れたのかもしれない。
 
「さ、行くぞ。目指すは甘味所、餡蜜庵あんみつあん! あそこのイチゴ抹茶パフェを二人で食すのだ」
「……動けないし。仕方ないから、一緒に行く」
 
 淡々とした声。
 普段と違い、しおらしい。まるで借りてきた猫のようだ。
 こういう瀬奈も、いいかもしれない。
 
「……ねぇ。なんか手つきがいやらしいんだけど」
「そんな事はないぞ。この体勢でお前の体を支えるには、必然的に脇や太腿をむほほほほ」
 
 ごつん、と頭を肩に押し付けてくる。
 頭突きをしているつもりなのだろう。
 両の手を秋斗の首に回し、足を抱きかかえられている状態なのだ。
 多少なりとも自由になるのは、頭しかない。
 
「だがそんな攻撃は無駄だ。むしろもっとやってください。髪の感蝕と石鹸の香りが心地いいのです」
「変態」
 
 吐息が頬に掛かる。
 顔が熱い。秋斗だって恥ずかしいのだ。
 ましてや、可愛い女の子と抱き合うような体勢なんて。顔から火が出てもおかしくない。
 
 
「……こうしてると、実感できるんだけど。秋斗って、けっこう体大きいわよね」
「おう。俺のボディはストロング。惚れてもいいんだぜ?」
 
 すぐ返答が返ってくるかと思ったが、瀬奈は押し黙ってしまった。
 やがて、ぽつりとこぼす。
 普段と違う表情。後ろめたい表情で。
 
 
「惚れたら、駄目なのよ」
 
 妙にたどたどしく。
 呟く声は、風に紛れて秋斗の耳に届くのがやっと。
 
 らしくない。
 とても瀬奈らしくない態度だが、紛れもなくこれが瀬奈の本音なのだろう。
 小さい頃からずっと瀬奈と一緒だったのだ。秋斗には、それが狂おしいほどに理解できた。
 
「だって、あんたを好きなのは咲だから。あの子は、馬鹿なんじゃないかと思うくらいあんたの事が好きで。一途で。あんないい子、この世界のどこを探したってきっといないのに。そんな子が、あんたの事を好きになったのに。私が、邪魔するわけにはいかないじゃない」
 
 そんな。
 今更どうにもできない話を、口にされた。
 
 
「だからあの日、あんなに怒ってたのか」
 
 バスに乗る前。
 家の前でばったりあった時から、瀬奈は不機嫌だった。
 口を開けば喧嘩になった。
 
「俺が、咲を振ったから」
 
 その前日、秋斗は咲からの告白を受けた。
 断るのは、心苦しかった。断ればきっと、泣かれると思ったから。
 
 咲は優しい子だ。相手の事を思いやれる子だ。大人しくて、相手の事を考えすぎてしまう。自分から告白できるタイプではない。
 そんな子が、自分を曲げてでも告白してくる。
 並大抵の覚悟ではなかっただろう。
 
 でも。
 断るしかなかった。
 秋斗も、この件に関しては。
 自分を曲げるわけにはいかなかったから。
 
「ほとんど逆恨みなんだけどね。けど、私は身内びいきなのよ。あの子が泣いてたのに、我慢する事なんてできない」
「俺は身内じゃないのかよ」
「は? 誰が身内だって? 寝言は寝て言え」
「ひどっ!? おっぱい揉むぞこの野郎」
「さっきから、何度か揉んでない?」
「ばれていたか」
「あとで、おしおきするから」
「はい」
 
 瀬奈のジト目。
 これは昔からよく見る表情だ。
 瀬奈にこんな顔をさせるのは、大体が秋斗のせいではあるが。
 
 
 ――昔、とは。いつからだっただろう。
 小さい頃は、一緒に馬鹿をやって一緒に怒られていただけだった気がする。
 呆れた目で見られるのは、二人とも一緒だ。
 一緒に遊んで。一緒に学校に行って、一緒に帰ってくる。
 一緒に食事をして。一緒に歩いて。横に並んで、共に同じ風景を見た。
 
 それが変わったのは。
 二人が一緒でなくなったのは、きっと。
 お互いに、ある感情が芽生えてしまったせいだろう。
 
 瀬奈に自覚はなかった。
 ただ、変わってしまうことが怖かった。二人の気持ちが、すれ違ってしまう事が怖かった。だから、齟齬に気づかない振りをして、齟齬を埋める手段があればそこに飛びついて、強引に昔のままの関係を取り繕うしかなかった。停滞を望んだのだ。それこそが、二人の気持ちへの齟齬を生み出す原因だとも知らずに。人間は、いつだって変化し続けるのだ。だから、互いに近づこうとし続けなければ、心の溝が深まっていくのは当然と言えた。
 そのことに気づいたのは、死んでからだ。
 気づくのが遅かった。二人だけになって、周囲との余計な関係がなくなって、初めて瀬名は、自分の気持ちを自覚した。

 
 
 秋斗は、心の中のわだかまりをどうしようかと考えていた。
 我慢する事なんてできないと、瀬奈は言った。
 それは、とても瀬奈らしい。
 単純で、お節介で、無駄に気を回して。
 
 けれども、それがどうしようもなく秋斗に怒りを抱かせる。
 理由はわかっている。少し乙女チックすぎるだろうと自分でも思うのだが、頭にくるのはどうしようもない。
 優先順位付けの問題だ。
 瀬奈が、自分――秋斗ではなく。ましてや、瀬奈自身でもなく。咲の事を優先した。
 それが、どうしようもなく腹立たしい。
 
 瀬奈が、自分自身を優先するのは良い。
 けれども、他者を優先するのは駄目だ。
 もし優先するとしたら、その特等席は自分であってほしい。
 そう、思う。
 
 
 
 秋斗は、覚悟を決めた。
 後悔も未練も残さない。
 だから言うのだ。
 今、ここで。
 
「我慢する事ができないのは、俺だって同じだ」
 
 立ち止まる。
 声色の変化を不思議に思った瀬奈が顔を上げた。
 
 秋斗はまっすぐ、瀬奈を見る。
 力強い瞳。長い睫。瑞々しい頬に、唇。
 ずっと、見ていたもの。
 ずっと、見ていたかったもの。
 
「断るしかなかった。俺も、大切にしたいものがあったから」
 
 おしゃれに疎いふりをしておきながら、丁寧に身だしなみを整えているのは知っている。
 がさつなふりをしておきながら、細やかな気配りが出来るのも知っている。
 
 意外と少女趣味で、可愛い物に目がないのも知っている。
 意外とぐーたらで、お笑い番組が好きなのも知っている。
 意外とロマンティストで、星空が好きなのも知っている。
 
「俺は」
 
 いや、秋斗にとっては意外でもなんでもないのだが。
 それでも、他の者に見せない顔を秋斗だけに見せてくれるのは。
 優越感のようなものが感じられて、くすぐったくて、嬉しかった。
 それが嬉しいと、そう感じるのは。きっと。
 
「お前の事が好きだ」
 
 気づけば、簡単な事だった。
 ずっと隣にいた幼馴染は、いつしかずっと隣にいて欲しい存在へと変わっていた。
 
 
 手にした温もりが、ビクリと震える。
 首に回された手に力が込められ、秋斗の顔を前へと押し出す。
 
 目に映るのは、見たことのない表情の瀬奈の姿。
 嬉しいような。不安なような。
 悲しいような。幸せなような。
 ぜんぶ、ごちゃまぜになった表情。
 
 彼女は、溢れる涙を拭う事も。顔を隠す事もできず、ただ泣いた。
 泣いて、泣いて。ただ泣いて。
 
 そして最後に、こう呟く。
 
「……馬鹿。言うのが、遅いっての」
 
 憎まれ口。
 彼女らしい。素直になれない。
 
 
 けど、彼女はそこから一歩踏み込んだ。
 秋斗が踏み込んだ分だけ。
 暗闇の中、瀬奈も恐る恐る進み。
 そして二人の関係は、停滞から解き放たれる。
 
 
「――私も。秋斗の事が、好き」
 
 
 止まった時が動き出す。
 それはとても幸福で。そして、悲しい事だった。
 
 
 
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