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第二章。

My son.

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アオザイのようなワンピースの胸元には斜めに入った切り込みがあり、それに沿うボタンに指がかかる。

「出発前に食いそこねたから食わせろよ」
「食いそこねってお前…、それもう、目的が…、あ、おい…」

ボタンが全部外されると片方の乳首だけが露わにされた。
小ぶりな桃色乳首をピンと指で弾かれると、またたく間に形を変えて尖りだしてしまう。

「んっ…」

アラビアンパンツもするりと脱がされた。
アオザイの前垂れで隠れているマイサンが、ピクリと頭をもたげだして布を少しだけ持ち上げた。
僕の控えめなマイサンが…股間に立派なテントを張ることはない。

「アキラのここは、ずいぶんと可愛い」

布越しに先端をやわく擦られると、焦れったさに腰が浮きそうなほど気持ちがいい。
しかし聞き捨てならない言葉に少しだけムッとした。

「んッ!ぼ…、僕だってな!好きでこんなナリなわけじゃ!」

そもそもキャラメイクの時に、こだわりにこだわった至高のおっぱいと極上のお尻は消え去り…、否、お尻はちょっぴり名残があるけれど…。
男キャラのメイクであっても股間のサイズや色などの設定項目はない。

神様の悪戯か、はたまた罰か。
本当に小さいのだ、我がマイサンは。
悲しいほどに慎まやかでいて、ほんのり色付いた先端だって桃色乳首と同系色で初々しい。
あげくのはてに体毛もどこかに忘れてきたらしく、脇も脛も、髭も、ましてや股間さえもツルツルだ。
最早自分の身体が1番のファンタジーかもしれない。

と、伝えたところでなにひとつ伝わらないんだろう。

「アキラ、俺はお前のような綺麗な生きものを見たことがない…」

熱に浮かされたみたいな表情を浮かべるロイもなかなか美しいけれど、…僕は、僕は褒められると弱い!!
自分でも呆れるくらいチョロいんだ!クソちょろだ!

「どこもかしくも綺麗だ」
「っ!」

ロイの頭はアオザイの前垂れに潜りこんで、僕の精一杯屹立するマイサンに吐息が触れて、舌が絡みついた。

「ま、待ってく…、あッ!っん……、あっ…」

ゆっくりと舐めあげて。先端からねっとりした熱に食まれてしまった。
1本12円のうめえ棒より細いマイサンは、ロイの口腔内で弄ばれている。
舌先でコロコロと飴玉を舐めるように。はたまた吸い上げるように翻弄されている。

「あッ、んんっ…ンっ…」

ロイの動きに合わせてあられもない声もあげてしまう。
温かくて気持ちいいけれど、達するまでの快楽は与えてもらえずに身体を捩ってしまった。

「足りないか?」

勝手にはじめて勝手に焦らして、なんて勝手なヤツだと言えるほど、ロイに与えられる快楽に耐性はない。

「足りない」

合意と受け取るなり、人を駄目にするクッションのような敷物の上に四つん這いにさせられると、身体はぐぐっと沈んで、お尻だけ高らかに上げる姿勢になった。
とても恥ずかしい格好だ…。

「わ…わわっ…!…なんて体勢とらせるんだ…」
「敷布に感謝だな。そそられる」

あまりの恥ずかしさに僕はクッションに顔をうずめた。
さわさわと双丘を撫でられると、すでに快楽の味を覚えてしまった窄まりがひくりとしてしまう。

「っふ…」と吐息が洩れ、窄まりのまわりを熱い舌が這い回る、

「ここの色も綺麗なんだ。知ってるか?」
「知るか!バカ!!」

顔を上げて反論すると、皺まで舐め始めていた舌が後孔を割るようにねじ込まれて、浅いところをほぐすように蠢いた。

「ひんッ!!…あっっ、うぁ、…んっ!」

こんな場所を性感帯に変えたロイが恨めしい。
マイサンもすっかり喜んで…。

「ま、まって、ロイっ!布団っ、布団!!っよごれう!!」
「気にしない」
「僕が気にするんだ!!」

マイサンから滴るものが小さなシミを作ってしまって、ちょっぴり冷たい。
すると四つん這いの状態から、ころりと仰向けにされた。
何故か敷物は形を変えずに、俗に言うマンぐり返しの体勢でホールドされてしまった。
これはこれで、とても恥ずかしい。
いたたまれず両手で顔を覆った。


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