異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

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第一章 冒険者活動始めました

第一話 初めて服に悩む俺

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「あ~よく寝た」

 この世界に来て最初の夜は木の上で過ごしたので、質の良い睡眠というのをとることが出来なかったこともあり、緑林亭ではぐっすりと眠ることへのありがたみを実感できた。

「ベッドって偉大だな~」

 そんなことを言いながら俺はシャワーを浴びに行った。





「ふう、さっぱりした」

 色々あったせいでそこまで頭が回っていなかったが、軽く汗を流したのにもかかわらず、昨日はシャワーを浴びていなかったので、体中がかゆかった。

「取りあえず収入を安定化させないとな」

 一日にどのくらい稼げるかはかなり重要だ。昨日の森狼フォレストウルフの買取金額的に大丈夫だと思うが、念のため貯金が出来るくらいの収入は手に入るようにしたい。
 だが、その前にゲームと同じように装備を整えないといけない。まだ七万セル残っているので装備を買うことは出来るだろう。

(ていうか今の俺の服装ってこの世界だと変わった服装だと見られるからな……)

 考えてみれば場違いの服装をしているって俺からしたらすごい恥ずかしいことだ。例えるなら前の世界で外国人のお土産用に売られている納豆が大きくプリントされたTシャツを着るのと同じくらいだろう。これはやはり服を優先して買いたいところだ。

 取りあえず俺は朝食を食べるために下へ降りた。
 下へ降りてみると、雑談をしながら朝食を食べている人がそれなりにいた。大体全テーブルの三分の二が埋まっている。時計を見ると、午前八時丁度だ。もし学校があったら遅刻になること間違いなしだ。
 そんなことを考えていると下にいた宿のおばあちゃんが俺に気づき、近づいてきた。

「食事の用意をさせるから好きな席に座っておくれ」

 俺は言われた通り適当な席に座った。



 十分ほど経過したところで奥から若い女性が食事を持って来てくれた。

「お待たせしました。森狼フォレストウルフのステーキと山菜のサラダです」

「ありがとう」

 と、お礼を言った後、俺は先にステーキの方を食べ始めた。ステーキの大きさは、前の世界で食べた三百グラムのステーキと同じくらいのボリュームだ。森狼フォレストウルフからあふれ出る肉汁の匂いが食欲を更にそそる。

(ていうか結局四食連続で森狼フォレストウルフだな)

 俺は一昨日の夜そして昨日の朝と昼も森狼フォレストウルフなのだ。と言うか昨日の夜俺は何も食べていない。そのせいで今の俺はかなり腹が減っているのだが、昨日は色々なことがあったので昨日食べていないことを全く覚えていない。
 そんなことを思いつつ俺は木箸を取ると、ステーキを口に入れた。

 一口食べたところで俺は驚きのあまり目を見開いた。

「ただ焼いて食べただけの森狼フォレストウルフとこんなにも味が違うなんて思いもしなかった……」

 美味しさに関しては前の世界でたまに食べていた有名なステーキ店のステーキより劣るものの、自分が昨日食べたものと同じ肉だったので、それと比較してみると凄く美味しいと感じられた。
 ステーキには前の世界で言うところのオニオンソースに似たソースがかけられていた。
 山菜のサラダは美味しかったのだが、前の世界ではほとんど山菜を食べていなかったこともあり、どんな感じの味かを表現するのが難しい。
 俺は昨日の夕飯を食べていなかったこともあり食事はどんどん進んだ。そして、ものの十五分程で完食してしまった。

「あ~美味しかった」

 この宿はかなり良い所だったので今後も利用していこうと思った。

「また来ておくれ」

 俺はおばあちゃんに見送られながら緑林亭を後にした。

「取りあえず服を何とかしないとな……」

 俺は服が売っている場所を求めてさまよった。と言っても道行く人に「冒険者向きの良い服屋ってこの辺にありますか?」と聞いただけだ。そしたら快く教えてくれた。これで無視されたり冷たい視線を向けられたら多分俺はこの世界で自分から話しかけることが出来なくなっていたのかもしれない。
 服屋は緑林亭から歩いて五分の所にあった。魔法を主に使うって言ったし魔法師っぽい見た目の方がいいだろう。ただ、〈身体強化〉と〈剣術〉のスキルを持っているので、それなりに動きやすい服装にもしたい。

(何か前の世界よりも服にこだわり持つなあ俺……)

 前の世界ではネットでよさそうな服を適当に買っていた俺が服にこだわりを持つ日が来るなんて思いもしなかった。





 なんだかんだ一時間くらい悩んだ結果俺が買ったのは特殊な黒いローブだ。フードがあり、俺が羽織るとローブの一番下が大体俺のひざ下くらいになる。袖は少し長かったが、店員さんが特別にうまく切って丁度良い長さにしてくれた。

「魔法師って言うとこんな感じだよなあ」

 これは特殊なローブで作る際に魔石が使われており、魔道具の一種と言われた。その為このローブには特殊な機能が付いているらしい。その機能というのは、ローブの耐久力上昇と汚れが付かないというものだ。更に、フードをかぶっていても視界が遮られないという機能も付いているのだ。ただ、

「お値段は六万五千セルです」

 そう。これはかなり高いのだ。

(まあ、これからお金を稼いでくるんだし昨日の感じなら何とかなりそうだな……)

 気に入ったこのローブがどうしても欲しかった俺は六万五千セルをほとんど迷わずに支払い、店を出た。

「早速羽織ってみようか」

 そう言って俺はローブを羽織ってみた。着心地は結構いい。そして、動きやすさも問題ない。

「後は剣を一本買っておきたいけど、この金で足りるかな?」

 そう思いながら近くにいた人に聞いた人気の武器・防具店へ向かった。


 十分後、俺は小銀貨五枚を店を出た。
 あれ?前にも同じようなことがあったような……
 結論から言うと剣は安くても一万セル、高いものは三十万セルもした。何でこんなにも違うのかを店員さんに聞いてみたら、

「鉄とミスリルじゃこれくらいの差が出て当然だよ」

 とため息をつきながら言われた。
 ミスリルが何かは知らないが、すごくいいものなのは店員さんの反応と値段で察した。

「今日金を稼いだ後に行けばいいか」

 俺は買えなかったことを残念に思い、「はあっ」と軽いため息をついてからその場を離れた。
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