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第四話 テレッテー!
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<<ところでよ、弱い魔物一匹分の経験値が溜まってるみたいだな……フェアリラッタスを狩ったのか。この経験値、女神様に献上しとくか?多分レベルアップできると思うぞ?>>
ほほう。レベルアップか……頼みたいな。
<<はい、お願いします!>>
<<なんだよ、敬語とかやめろよな?タメでいいよタメで>>
<<はいはい、サンキュー。それじゃ、経験値献上してくれる?>>
<<おうよ。初めてのことだろうけど失礼のないように気を付けろよ?……よし、せーの>>
失礼?なんのことだ?
…………!?
周りの物が何も動かなくなった。そよ風に揺れていた草も、不自然な形で固まっている。何の音もしない。
まさに、どこかしらのブランドーな吸血鬼にでも時間を止められたみたいだ。
しばらく不安でいると、頭の中に声が聞こえてきた。
なんだ、これ……言語になってないけど、意味が伝わってくる。
ふむ。はい。お願いします。よし、と。
周りの草木が再び揺れ始めて、俺は自分のステータスを確認する。
「[種族名] ローセルぺナス(幼体)LV:3(2up)
[説明] 小型のヘビの姿をした最下位種の魔物。弱い酸性の毒を持つ。人間によるランク付けはFランク。
[種固有スキル]
<取得済み>
初期スキル:胃強化LV3:胃を強化する。本体のレベルの上がりに応じてレベルアップする。
初期スキル:毒牙:牙で噛みつくと、毒が注入される。
<未取得>
取得LV5:蛇睨み:恐怖に耐性の無い相手の目を見ることで、短時間動きを鈍くさせる。
[精霊スキル]
<大精霊の宝玉>アルカナスキル「皇帝」:どんな魔物であれ一定時間触れていることで敵対心を消し、仲間にすることができる。スキル系列「統率」の最上位スキル。
[ステータス]
HP:13
MP:5
筋力:11
魔力:5
防御力:6
瞬発力:12
持続力:8 」
おお、レベル3になってる!
めっちゃ不思議体験って感じだったぜ、レベルアップ……女神様と時の止まった空間で直接会話ができるとは思ってもいなかった。
<<おっ、終わったか?どうだった、女神様と話せて光栄だったろ?>>
大精霊様が軽く話しかけてくる。
<<うん、……ってステータスやっぱり弱っ!?>>
<<アハハ、そりゃ仕方ないだろうよ、ヘビ系で最下位種なんだから。気にすんなって、ご飯でも食べようぜ?>>
そうだな。適当に獲物を探して食うかね。
ほんと、ステータスの上がりが微々たるもの過ぎる。謙遜もできないレベルじゃん。
こんなんじゃダメかもな……さっき大精霊様に聞いた話なんだけど、どうやらここのエリアっていうのは世界樹からかなり離れている部分の森で、世界樹から離れていれば離れているほど、生息する魔物ってのは弱いらしい。
世界樹から発されるエネルギーに関係があるんだろうと思うけど、つまりはここらへんであんまりアホみたいに強い敵には巡り合わないってことだ。
逆に言えば、世界樹の付近とか麓なんていうと、今の俺からしたら相手にもされないような強者ばかりが揃っているらしい。数はそんなにいなくて、ここより雰囲気はだいぶ静かになるみたいだけどね。
俺もいつか進化しまくって、世界樹の近くで強い魔物を蹴散らせるレベルまで強くなりたいとは思うけど、夢物語ばかりも見ていられない。
おっ、前方11時の方向に例のピンクネズミを発見。フェアリラッタスとかいう名前だったな。お花を食べてる……可愛いけど許せ!お前はあまりに美味しそうだ。
最初の時と同じ要領で、音を立てずに近づいて……飛び出す!
あっ、びびって逃げ出した、しかしそうはいかんぜ!
ガブリ
よぉし……ふぅ。毒が回って動かなくなったな。上手く行ってよかった。
<<ほう、うまいもんだなあ?そいつ捕まえるの、まだ2回目だろ?前の身体は人間だったのに、ヘビの動きに慣れるのが早いと思うぞ>>
<<ほんと?そうなん?それマジ?>>
<<まっ、転生者なんて見るのは初めてだし、私もどうだか知らないけどな!アハハハ>>
くっそこの野郎……神の使いのくせしてからかってくるなんて、威厳の欠片も無いな!全くもって残念な精霊だ。
いっそラノベとかでよくある、機械的な喋り方をしてくれる脳内ガイドが欲しかったよ。
<<ほらほら、早く食っちまわないと横取りされるかもしれないぜ?>>
はいはい。言われなくたって食べますよーだ。
顎を外して、ネズミを胃の中に飲み込む。あぁ、幸せ。
……そういえば、世界樹ってバカでかいらしいけど、俺、まだその姿さえ見ることができてないな。単純に背が足りないからなのか、それともここがあまりに世界樹から遠すぎるのか……。道のりは長そうだ。
あ、そうや。このネズミはもう殺しちゃったけど、せっかくアルカナスキル「皇帝」を手に入れたんだし、次に何か魔物を見たら、仲間にしてみてもいいかもな。
そうすりゃ一人旅とはもうおさらばだ。具体的に仲間にするって、どういうわけなのかよくわからないけどな……。人間がこのスキルを手に入れたら、超やり手のテイマーになれそうな気がする。実際そういう用途なんだろうけど、今回は俺自身が魔物だしな。
仲間にする方法は……洗脳でもするんだろうか?だとしたらなんだか後味悪い……。
まあ、始まりは洗脳でも、そこから実際に信頼を勝ち取っていけば良いだけの話だしな。一緒に生活するんだから、それなりに仲良くなるチャンスはあるだろう。
そう思うと、今すぐにでも仲間が欲しくなってきたぜ。
***
ネズミを狩った経験値でもう一回レベルアップをさせてもらえるらしいから、残念大精霊様にお願いすると、ステータスはこんな感じになった。
「[種族名] ローセルぺナス(幼体)LV:4(1up)
[説明] 小型のヘビの姿をした最下位種の魔物。弱い酸性の毒を持つ。人間によるランク付けはFランク。
[種固有スキル]
<取得済み>
初期スキル:胃強化LV4:胃を強化する。本体のレベルの上がりに応じてレベルアップする。
初期スキル:毒牙:牙で噛みつくと、毒が注入される。
<未取得>
取得LV5:蛇睨み:恐怖に耐性の無い相手の目を見ることで、短時間動きを鈍くさせる。
[精霊スキル]
<大精霊の宝玉>アルカナスキル「皇帝」:どんな魔物であれ一定時間触れていることで敵対心を消し、仲間にすることができる。スキル系列「統率」の最上位スキル。
[ステータス]
HP:16
MP:7
筋力:14
魔力:7
防御力:8
瞬発力:15
持続力:10 」
相変わらず弱いけど、ずっと黙って突っ込まなかったこの「胃強化」ってのは何なんだ?
いや、胃が強くなるんだろうな。それは分かるよ。
<<どうなんだ?残念精霊>>
<<なんだって?口の悪い奴だな……胃の組織が強くなって、中で強い酸性の胃液が作られたり、飲み込んだ魔物が暴れたりしても、中から突き破られるリスクが低くなるってことだぜ>>
<<なるほど……あっ、胃の中で飲み込んでる間って、「皇帝」の発動条件の、相手に触っているっていうことに含まれる?>>
<<おう、含まれるぞ。お前の考えてることは分かるよ。飲み込んで、強い胃で相手の攻撃を受け止めつつ、一定時間触れているようにしたらどうかってことだろ?>>
<<大正解>>
我ながら良い戦略を思いついたな。ヘビの身体と「皇帝」、相性が良かったらしくて安心した。
……よし。それじゃ予定通り、少し適当に歩き回って、良さげな魔物がいたらアルカナスキル「皇帝」で試しに仲間へ引き入れてみるとするか。
ほほう。レベルアップか……頼みたいな。
<<はい、お願いします!>>
<<なんだよ、敬語とかやめろよな?タメでいいよタメで>>
<<はいはい、サンキュー。それじゃ、経験値献上してくれる?>>
<<おうよ。初めてのことだろうけど失礼のないように気を付けろよ?……よし、せーの>>
失礼?なんのことだ?
…………!?
周りの物が何も動かなくなった。そよ風に揺れていた草も、不自然な形で固まっている。何の音もしない。
まさに、どこかしらのブランドーな吸血鬼にでも時間を止められたみたいだ。
しばらく不安でいると、頭の中に声が聞こえてきた。
なんだ、これ……言語になってないけど、意味が伝わってくる。
ふむ。はい。お願いします。よし、と。
周りの草木が再び揺れ始めて、俺は自分のステータスを確認する。
「[種族名] ローセルぺナス(幼体)LV:3(2up)
[説明] 小型のヘビの姿をした最下位種の魔物。弱い酸性の毒を持つ。人間によるランク付けはFランク。
[種固有スキル]
<取得済み>
初期スキル:胃強化LV3:胃を強化する。本体のレベルの上がりに応じてレベルアップする。
初期スキル:毒牙:牙で噛みつくと、毒が注入される。
<未取得>
取得LV5:蛇睨み:恐怖に耐性の無い相手の目を見ることで、短時間動きを鈍くさせる。
[精霊スキル]
<大精霊の宝玉>アルカナスキル「皇帝」:どんな魔物であれ一定時間触れていることで敵対心を消し、仲間にすることができる。スキル系列「統率」の最上位スキル。
[ステータス]
HP:13
MP:5
筋力:11
魔力:5
防御力:6
瞬発力:12
持続力:8 」
おお、レベル3になってる!
めっちゃ不思議体験って感じだったぜ、レベルアップ……女神様と時の止まった空間で直接会話ができるとは思ってもいなかった。
<<おっ、終わったか?どうだった、女神様と話せて光栄だったろ?>>
大精霊様が軽く話しかけてくる。
<<うん、……ってステータスやっぱり弱っ!?>>
<<アハハ、そりゃ仕方ないだろうよ、ヘビ系で最下位種なんだから。気にすんなって、ご飯でも食べようぜ?>>
そうだな。適当に獲物を探して食うかね。
ほんと、ステータスの上がりが微々たるもの過ぎる。謙遜もできないレベルじゃん。
こんなんじゃダメかもな……さっき大精霊様に聞いた話なんだけど、どうやらここのエリアっていうのは世界樹からかなり離れている部分の森で、世界樹から離れていれば離れているほど、生息する魔物ってのは弱いらしい。
世界樹から発されるエネルギーに関係があるんだろうと思うけど、つまりはここらへんであんまりアホみたいに強い敵には巡り合わないってことだ。
逆に言えば、世界樹の付近とか麓なんていうと、今の俺からしたら相手にもされないような強者ばかりが揃っているらしい。数はそんなにいなくて、ここより雰囲気はだいぶ静かになるみたいだけどね。
俺もいつか進化しまくって、世界樹の近くで強い魔物を蹴散らせるレベルまで強くなりたいとは思うけど、夢物語ばかりも見ていられない。
おっ、前方11時の方向に例のピンクネズミを発見。フェアリラッタスとかいう名前だったな。お花を食べてる……可愛いけど許せ!お前はあまりに美味しそうだ。
最初の時と同じ要領で、音を立てずに近づいて……飛び出す!
あっ、びびって逃げ出した、しかしそうはいかんぜ!
ガブリ
よぉし……ふぅ。毒が回って動かなくなったな。上手く行ってよかった。
<<ほう、うまいもんだなあ?そいつ捕まえるの、まだ2回目だろ?前の身体は人間だったのに、ヘビの動きに慣れるのが早いと思うぞ>>
<<ほんと?そうなん?それマジ?>>
<<まっ、転生者なんて見るのは初めてだし、私もどうだか知らないけどな!アハハハ>>
くっそこの野郎……神の使いのくせしてからかってくるなんて、威厳の欠片も無いな!全くもって残念な精霊だ。
いっそラノベとかでよくある、機械的な喋り方をしてくれる脳内ガイドが欲しかったよ。
<<ほらほら、早く食っちまわないと横取りされるかもしれないぜ?>>
はいはい。言われなくたって食べますよーだ。
顎を外して、ネズミを胃の中に飲み込む。あぁ、幸せ。
……そういえば、世界樹ってバカでかいらしいけど、俺、まだその姿さえ見ることができてないな。単純に背が足りないからなのか、それともここがあまりに世界樹から遠すぎるのか……。道のりは長そうだ。
あ、そうや。このネズミはもう殺しちゃったけど、せっかくアルカナスキル「皇帝」を手に入れたんだし、次に何か魔物を見たら、仲間にしてみてもいいかもな。
そうすりゃ一人旅とはもうおさらばだ。具体的に仲間にするって、どういうわけなのかよくわからないけどな……。人間がこのスキルを手に入れたら、超やり手のテイマーになれそうな気がする。実際そういう用途なんだろうけど、今回は俺自身が魔物だしな。
仲間にする方法は……洗脳でもするんだろうか?だとしたらなんだか後味悪い……。
まあ、始まりは洗脳でも、そこから実際に信頼を勝ち取っていけば良いだけの話だしな。一緒に生活するんだから、それなりに仲良くなるチャンスはあるだろう。
そう思うと、今すぐにでも仲間が欲しくなってきたぜ。
***
ネズミを狩った経験値でもう一回レベルアップをさせてもらえるらしいから、残念大精霊様にお願いすると、ステータスはこんな感じになった。
「[種族名] ローセルぺナス(幼体)LV:4(1up)
[説明] 小型のヘビの姿をした最下位種の魔物。弱い酸性の毒を持つ。人間によるランク付けはFランク。
[種固有スキル]
<取得済み>
初期スキル:胃強化LV4:胃を強化する。本体のレベルの上がりに応じてレベルアップする。
初期スキル:毒牙:牙で噛みつくと、毒が注入される。
<未取得>
取得LV5:蛇睨み:恐怖に耐性の無い相手の目を見ることで、短時間動きを鈍くさせる。
[精霊スキル]
<大精霊の宝玉>アルカナスキル「皇帝」:どんな魔物であれ一定時間触れていることで敵対心を消し、仲間にすることができる。スキル系列「統率」の最上位スキル。
[ステータス]
HP:16
MP:7
筋力:14
魔力:7
防御力:8
瞬発力:15
持続力:10 」
相変わらず弱いけど、ずっと黙って突っ込まなかったこの「胃強化」ってのは何なんだ?
いや、胃が強くなるんだろうな。それは分かるよ。
<<どうなんだ?残念精霊>>
<<なんだって?口の悪い奴だな……胃の組織が強くなって、中で強い酸性の胃液が作られたり、飲み込んだ魔物が暴れたりしても、中から突き破られるリスクが低くなるってことだぜ>>
<<なるほど……あっ、胃の中で飲み込んでる間って、「皇帝」の発動条件の、相手に触っているっていうことに含まれる?>>
<<おう、含まれるぞ。お前の考えてることは分かるよ。飲み込んで、強い胃で相手の攻撃を受け止めつつ、一定時間触れているようにしたらどうかってことだろ?>>
<<大正解>>
我ながら良い戦略を思いついたな。ヘビの身体と「皇帝」、相性が良かったらしくて安心した。
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