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Beauty ana Beast ・接近・
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外にアルフィーネの姿は無く、集めて置いた花も無くなっている。
少しばかり落胆したガイヤルドだったが、窟内に居る気配は感じられたので、わざと足音を立てて近づいてみた。
「ガイヤルド?」
明るい声が響き、軽やかな足取りでアルフィーネが現れる。
その身に纏っているのは、ガイヤルドが贈った白いドレス。
アルフィーネはミヌエットよりも年上で頭一つほど長身の為、足首までの丈になっているが、アルフィーネは飾り帯をうまく使って何の違和感も無く着こなしていた。
ガイヤルドが注視しているのに気づき、アルフィーネは両腕を開いて見せ、にっこりと笑った。
「似合いますか?」
ガイヤルドは答えない。と言うより、見惚れていた為に答えられなかった。
夜の暗闇の中、その美しさは光を放っているように見える。
「ありがとう、ガイヤルド。とても嬉しかった。本当はすぐにでも見て欲しかったんだけど、外に座ったら汚れるでしょう?だから中で待ってたの」
無言でいるガイヤルドの真意には気づかず、アルフィーネは楽しそうに言葉を続けた。
「花もとても嬉しかったけど、水に浸けておかないと萎れるから泉に移しちゃった。ごめんなさい、せっかく摘んで来てくれたのに」
言われてようやく気付く。
泉には水面が見えなくなる程の大量の花が活けてあり、ガイヤルドはアルフィーネにだけ気を取られていた為、そこまで気が回らなかった。
「でも少しはここに置いてあるから。見て、綺麗でしょう?」
そう言ってアルフィーネは洞窟の奥を指さす。
閨の周囲には各種・各色の花々が、ありったけの器に挿されていた。
一本でも、一種類でも多くの花を、との意思を表すように。
「ガイヤルド?」
立ち尽くしたまま一言も発さないガイヤルドに、アルフィーネは不安げな顔を向ける。
そして、わずかに頬を染めた。
「………昨日の事なら、気にしてないから」
その言葉とは裏腹に、恥ずかしそうに視線を逸らすアルフィーネを見てガイヤルドはハタと思い出す。
呆れた事に、アルフィーネに贈り物をした原因を忘れていたのだ。
───どうもアルフィーネといると調子が狂う。
平常心が乱されて、感情を刺激される。
……だが、それが妙に心地よい。
「アルフィーネ」
「はい」
弾かれたようにアルフィーネは顔を上げた。
「俺ノ名ヲ呼ンデクレ」
それは命令口調ではなく、むしろ懇願するような響き。
アルフィーネは一瞬、瞳を丸くし、そして花がほころぶような笑顔を浮かべる。
「はい、ガイヤルド」
闇の中で、ガイヤルドも微笑んでいた。
少しばかり落胆したガイヤルドだったが、窟内に居る気配は感じられたので、わざと足音を立てて近づいてみた。
「ガイヤルド?」
明るい声が響き、軽やかな足取りでアルフィーネが現れる。
その身に纏っているのは、ガイヤルドが贈った白いドレス。
アルフィーネはミヌエットよりも年上で頭一つほど長身の為、足首までの丈になっているが、アルフィーネは飾り帯をうまく使って何の違和感も無く着こなしていた。
ガイヤルドが注視しているのに気づき、アルフィーネは両腕を開いて見せ、にっこりと笑った。
「似合いますか?」
ガイヤルドは答えない。と言うより、見惚れていた為に答えられなかった。
夜の暗闇の中、その美しさは光を放っているように見える。
「ありがとう、ガイヤルド。とても嬉しかった。本当はすぐにでも見て欲しかったんだけど、外に座ったら汚れるでしょう?だから中で待ってたの」
無言でいるガイヤルドの真意には気づかず、アルフィーネは楽しそうに言葉を続けた。
「花もとても嬉しかったけど、水に浸けておかないと萎れるから泉に移しちゃった。ごめんなさい、せっかく摘んで来てくれたのに」
言われてようやく気付く。
泉には水面が見えなくなる程の大量の花が活けてあり、ガイヤルドはアルフィーネにだけ気を取られていた為、そこまで気が回らなかった。
「でも少しはここに置いてあるから。見て、綺麗でしょう?」
そう言ってアルフィーネは洞窟の奥を指さす。
閨の周囲には各種・各色の花々が、ありったけの器に挿されていた。
一本でも、一種類でも多くの花を、との意思を表すように。
「ガイヤルド?」
立ち尽くしたまま一言も発さないガイヤルドに、アルフィーネは不安げな顔を向ける。
そして、わずかに頬を染めた。
「………昨日の事なら、気にしてないから」
その言葉とは裏腹に、恥ずかしそうに視線を逸らすアルフィーネを見てガイヤルドはハタと思い出す。
呆れた事に、アルフィーネに贈り物をした原因を忘れていたのだ。
───どうもアルフィーネといると調子が狂う。
平常心が乱されて、感情を刺激される。
……だが、それが妙に心地よい。
「アルフィーネ」
「はい」
弾かれたようにアルフィーネは顔を上げた。
「俺ノ名ヲ呼ンデクレ」
それは命令口調ではなく、むしろ懇願するような響き。
アルフィーネは一瞬、瞳を丸くし、そして花がほころぶような笑顔を浮かべる。
「はい、ガイヤルド」
闇の中で、ガイヤルドも微笑んでいた。
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