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11月10日
「よし、こんなもんだろう。色々考えてたら夜になっちゃうんだもんな。大変だよまったく、まあ完成してよかった。」
手に持った紙を見て誇らしげに言った。
* * *
『僕、雪下寿紀は12月10日に飛び降り自殺をしました。
自殺の経緯について説明したいと思います。僕が自殺した理由は学校でイジメにあっているというようなことやその他の人との諍いや攻撃があったからということではありません。むしろ学校の人たちや周囲の方々には感謝を感じています。
僕の自殺の原因は僕の性格にあります。僕は日々変わらない日常というもに取り憑かれているのが嫌になってしまったのです。
次に僕の死後の遺産について書きます。祖父のが最近他界したことにより、僕には多額の貯金があります。火葬に多少お金がかかると思うので貯金の中から引いてください。お墓はもう取ってあるのでそこに埋めてください。そして残ったお金はチャリティー団体に全て寄付してください。
最後に謝罪の言葉です。僕はまわりに迷惑をかけないように自殺するつもりでしたがやはり多少はかけてしまうと思うのでその謝罪です。
まずこのアパートの大家さんへの謝罪です。僕がいなくなった後の空き部屋にこの部屋から自殺者がでたという噂がひろまり新しい入居者が来なかったらごめんなさい。
次に近くに住んでいる人への謝罪です。近くの人が死んだと言うニュースはあなた方を嫌な気持ちにさせると思います。本当にごめんなさい。
最後にもし、自殺にしようとすることに気づいてあげられ無かったといって自分を咎める人がいた場合への謝罪です。そもそも僕は皆さんに気づかれないように自殺をしようとしていたので気づくというのが無理な話です。なので変に悲観しないで下さい。そしてそんな思いをさせてしまってごめんなさい。
僕の自殺ができるだけ誰の迷惑にもならないように配慮を宜しくお願いします。
11月10日筆』
* * *
「うーん、読んでみるとところどころ変かな。それに飛び降り自殺だと色々な人にグロテクスなもの見せることになるから良くないかも... まああと一ヶ月あるんだし、しっかりと考えていこう。」
僕はそう言いながら掃除され て綺麗になった部屋を見渡した。生きていく上で必要最低限とも言える数の家具たち、塵一つも落ちてないと思えるほどに綺麗な床、異常なほどの透明度の窓、その全てがこの住居者が尋常でない綺麗好きか、どこか他のところへ旅立とうとして身の回りを片付けでもしたのだろうと予測させるのに足るものだった。
「よし、片付けもあらかたすんだし後は自殺法と遺書だけだな。明日も一日頑張るぞ」自分に喝を入れるよう声に出して言った。そしていつも通りいつもと違う日常が明日は来るようにと願い眠りについた。
11月11日
ピリリリリリリ
目覚ましのけたたましい音が聞こえてきた。目を覚まし起き上がり窓から外を眺めた。そこには昨日とは少し違う雲、昨日より少しだけ木の葉を少なくした木、そういった少しだけ昨日と違う、しかし本質的には何も違わないただの日常の一部が映し出されていた。
「つまんねぇ...」
気づけばその声はため息混じりに口からこぼれていた。そしていつも通りの朝食をし、いつも通りの登校をし、いつも通り高校につき、いつも通り席につく。そして8時30分いつも通りホームルームがはじまり、いつも通り先生の話がおわる...と思っていた。ここで初めていつも通りで無いことが起きた。
「突然だか今日、うちのクラスに転校生がきた、入りたまえ」
この時期に転校生って普通ないな... 呆然と扉に目をやる
「はい」
廊下から、透き通るほど綺麗な声が聞こえてきた。そして彼女は扉をあけ教室に入り一歩一歩が人を魅了すると思われるほど美しい歩みでみんなの前に立って自己紹介を初めた。
「皆さんはじめまして、春野明菜です。これから宜しくお願いします。」
『ドクン、ドクン』僕の心が激しく動いているのがよく分かった。この気持ちが何なのかはよく分からない、でも彼女を見ているの自然と何かがこみ上げてくる... 彼女から目が全く離せなくなった、そうしていると彼女と目があった、その途端何故かは分からない、分からないけど自分の心の鼓動の意味を完全に理解した『ああ、これは恋愛感情とかそういったあれじゃない...シンパシーだ』本当に何故かは分からない彼女と僕は全く似ていない。しかしシンパシーとても強く感じる。なぜだ、なぜだ、なぜだ...
「じゃあ席は雪下の隣に空きスペースがあるからそこだ、雪下、後で机を春野と一緒に教務室に取りに来てくれ」
先生の言葉で思考の中から引きずり出された。
「あ、はい」
「お前今聞いてなかったな」
「すみません、ちょっと考え事してて」
「まぁいい、これでホームルームは終わりだ、雪下、春野2人で教務室にこいよ」
と言うなり先生は教室を後にした。
クラスにはざわめきこそあるものの誰も彼女に話しかけるものはいなかった。普通に考えてオドオドしてしまうような状況なのに彼女は全くオドオドして無くしっかりとしていて神々しさすら感じられた。そしてまっすぐ僕の方向に向かって歩いてきて僕の目をまっすぐ見て言った
「雪下君だっけ?私のために仕事させられるのは可哀想だと思うけど先生のご指名だから一緒に教務室にいこ」
彼女の言葉はほとんど耳に入らなかった、彼女と自己紹介の時、目があった時にシンパシーを感じた理由が近くで彼女の目を見たことで分かったからだ。とてもたくましく、輝いている彼女、この世に絶望し、死を望んでいる僕。どこにシンパシーを感じる要因があるんだと自己紹介のきは考えた。鋭く目を逸らしたくなってしまうような眼差し、何者にも屈しないような強くただひたすらいじょうなまでに澄んでいる瞳、他の可能性だって沢山あったはずだ、だが僕にはこれ以外の可能性が考えることが出来なかった...
春野明菜は近いうちに死ぬ
「よし、こんなもんだろう。色々考えてたら夜になっちゃうんだもんな。大変だよまったく、まあ完成してよかった。」
手に持った紙を見て誇らしげに言った。
* * *
『僕、雪下寿紀は12月10日に飛び降り自殺をしました。
自殺の経緯について説明したいと思います。僕が自殺した理由は学校でイジメにあっているというようなことやその他の人との諍いや攻撃があったからということではありません。むしろ学校の人たちや周囲の方々には感謝を感じています。
僕の自殺の原因は僕の性格にあります。僕は日々変わらない日常というもに取り憑かれているのが嫌になってしまったのです。
次に僕の死後の遺産について書きます。祖父のが最近他界したことにより、僕には多額の貯金があります。火葬に多少お金がかかると思うので貯金の中から引いてください。お墓はもう取ってあるのでそこに埋めてください。そして残ったお金はチャリティー団体に全て寄付してください。
最後に謝罪の言葉です。僕はまわりに迷惑をかけないように自殺するつもりでしたがやはり多少はかけてしまうと思うのでその謝罪です。
まずこのアパートの大家さんへの謝罪です。僕がいなくなった後の空き部屋にこの部屋から自殺者がでたという噂がひろまり新しい入居者が来なかったらごめんなさい。
次に近くに住んでいる人への謝罪です。近くの人が死んだと言うニュースはあなた方を嫌な気持ちにさせると思います。本当にごめんなさい。
最後にもし、自殺にしようとすることに気づいてあげられ無かったといって自分を咎める人がいた場合への謝罪です。そもそも僕は皆さんに気づかれないように自殺をしようとしていたので気づくというのが無理な話です。なので変に悲観しないで下さい。そしてそんな思いをさせてしまってごめんなさい。
僕の自殺ができるだけ誰の迷惑にもならないように配慮を宜しくお願いします。
11月10日筆』
* * *
「うーん、読んでみるとところどころ変かな。それに飛び降り自殺だと色々な人にグロテクスなもの見せることになるから良くないかも... まああと一ヶ月あるんだし、しっかりと考えていこう。」
僕はそう言いながら掃除され て綺麗になった部屋を見渡した。生きていく上で必要最低限とも言える数の家具たち、塵一つも落ちてないと思えるほどに綺麗な床、異常なほどの透明度の窓、その全てがこの住居者が尋常でない綺麗好きか、どこか他のところへ旅立とうとして身の回りを片付けでもしたのだろうと予測させるのに足るものだった。
「よし、片付けもあらかたすんだし後は自殺法と遺書だけだな。明日も一日頑張るぞ」自分に喝を入れるよう声に出して言った。そしていつも通りいつもと違う日常が明日は来るようにと願い眠りについた。
11月11日
ピリリリリリリ
目覚ましのけたたましい音が聞こえてきた。目を覚まし起き上がり窓から外を眺めた。そこには昨日とは少し違う雲、昨日より少しだけ木の葉を少なくした木、そういった少しだけ昨日と違う、しかし本質的には何も違わないただの日常の一部が映し出されていた。
「つまんねぇ...」
気づけばその声はため息混じりに口からこぼれていた。そしていつも通りの朝食をし、いつも通りの登校をし、いつも通り高校につき、いつも通り席につく。そして8時30分いつも通りホームルームがはじまり、いつも通り先生の話がおわる...と思っていた。ここで初めていつも通りで無いことが起きた。
「突然だか今日、うちのクラスに転校生がきた、入りたまえ」
この時期に転校生って普通ないな... 呆然と扉に目をやる
「はい」
廊下から、透き通るほど綺麗な声が聞こえてきた。そして彼女は扉をあけ教室に入り一歩一歩が人を魅了すると思われるほど美しい歩みでみんなの前に立って自己紹介を初めた。
「皆さんはじめまして、春野明菜です。これから宜しくお願いします。」
『ドクン、ドクン』僕の心が激しく動いているのがよく分かった。この気持ちが何なのかはよく分からない、でも彼女を見ているの自然と何かがこみ上げてくる... 彼女から目が全く離せなくなった、そうしていると彼女と目があった、その途端何故かは分からない、分からないけど自分の心の鼓動の意味を完全に理解した『ああ、これは恋愛感情とかそういったあれじゃない...シンパシーだ』本当に何故かは分からない彼女と僕は全く似ていない。しかしシンパシーとても強く感じる。なぜだ、なぜだ、なぜだ...
「じゃあ席は雪下の隣に空きスペースがあるからそこだ、雪下、後で机を春野と一緒に教務室に取りに来てくれ」
先生の言葉で思考の中から引きずり出された。
「あ、はい」
「お前今聞いてなかったな」
「すみません、ちょっと考え事してて」
「まぁいい、これでホームルームは終わりだ、雪下、春野2人で教務室にこいよ」
と言うなり先生は教室を後にした。
クラスにはざわめきこそあるものの誰も彼女に話しかけるものはいなかった。普通に考えてオドオドしてしまうような状況なのに彼女は全くオドオドして無くしっかりとしていて神々しさすら感じられた。そしてまっすぐ僕の方向に向かって歩いてきて僕の目をまっすぐ見て言った
「雪下君だっけ?私のために仕事させられるのは可哀想だと思うけど先生のご指名だから一緒に教務室にいこ」
彼女の言葉はほとんど耳に入らなかった、彼女と自己紹介の時、目があった時にシンパシーを感じた理由が近くで彼女の目を見たことで分かったからだ。とてもたくましく、輝いている彼女、この世に絶望し、死を望んでいる僕。どこにシンパシーを感じる要因があるんだと自己紹介のきは考えた。鋭く目を逸らしたくなってしまうような眼差し、何者にも屈しないような強くただひたすらいじょうなまでに澄んでいる瞳、他の可能性だって沢山あったはずだ、だが僕にはこれ以外の可能性が考えることが出来なかった...
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