自殺志願者と生存志願者

きよ

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なかよくしよう③

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本当に後悔している。何故あんな言葉を口に出してしまったのか。変な雰囲気になって全く喋れなくなってしまった。まあ、いいか。どちらも自殺志願者ならばすぐに壊れる関係だったから、だがただただこの沈黙がつらい。教室まではあと階段をのぼるだけか。さっさとのぼろう。

「雪下くん」

階段の途中で急に呼ばれた。

「さっき雪下くんが言ってたことなんだけど」

自分でもなんで言ったか理解してないから言及はしないで欲しい。

「あ~、ごめん急に変な事言ってしまって、特に深い意味合いはないんだけどね。」 

「あ、そうなの?いや、でも...」

彼女は彼女らしくも無く急にもじもじと恥ずかしそうになにか言いたそうにしていた
「でも?なに?」

彼女が言うか否か迷っていることにとても興味がわいた。彼女は頭をゆさゆさとふってから胸に手をあて深呼吸してから言った。

「私も私と雪下くんはよく似てると思う。」

とてもとても静かに小さな声で発せられた言葉だった。だけどその小さな言葉は僕の全てを埋め尽くした。なぜか嬉しかったのだ、久々に感じる喜びの感情だった。自分と同じ境遇におかれているもの、死期を間近に迫らせているもの、そのような人は、そのような人だけは同じく死期を迫らせている人の事をわかるのかのだろう。死について対等に話が出来る人、自殺について共感できる人、そんな人できたことがたまらなく嬉しいと感じれたのだ。もっともっと深く聞きたい

「一応聞くけどどこが似てるの?」

「どこって言われて具体的な所は出ないんだけど、なんかこう...人生ってものについて深く考えているのかなって感じな所」

もう僕の心の中で彼女の人物像は定まった。完全に僕と同じ自殺志願者だ。そして僕と唯一語り合えるであろう死の時間までを共有できる人だ。残り一ヶ月自殺法やその後の処理の方法まで共に語り合いたい。さっき一度頭の中に浮かんでいた疑問をこの際だからぶつけてみることにした。

「勝手な推測だけど僕と似ているって言うことは教務室に行く前に言ってたクラスのみんなとなかよくなりたいってのは嘘だった?」

「よく覚えてるね、うん嘘だった」

やっぱりか、でもあの時の彼女の目にはおおよそ曇というものがなかった。転校の理由については嘘がとても露骨だったにもかかわらず...
考えていると彼女は続けて言った 

「でもなかよくしたいって言うのはほんとだよ。」 

ん?頭の中に疑問符が飛び回った、同じ自殺志願者ならば友人は作らないはず。
さらに彼女は自分の発言を嘘だと認めたはずなのにどうして...

「私がなかよくしたいのはクラスのみんなじゃなくてたったひとりだけだなの、雪下くん残りの人生なかよくしよう。」

思考がまとまらない。
世界から音が完全にきえさった。
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