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なかよくしよう④
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沈黙から戻ることはできなかった。どうしても思考がまめることができないでいた。視線を彼女からそらし尚も必死で考え続けた。ああ、やっと分かった、考えてみれば当たり前のことであった。彼女は僕でいう彼女と死について話をしたいと言う事をなかよくなりたいと言う言葉で表現していたのか。なんでこんな簡単なことが分からなかったのだろう、彼女から「なかよくなろう」と言われた時何かが僕の思考を遮ったような気がした。
そういうことなら僕もなかよくなりたい。そう思いふりかえった刹那心臓が止まるかと思うほどの衝撃に襲われた。彼女は自分の胸を抑え苦しそうにし息をあらげて全身を痙攣させていた。そして流れるように静かにその場に倒れた。
* * *
保健室のドアを勢いよく開けた
「失礼します」
息が荒くなっていた。
「あら、どうしたのお姫様抱っこなんてして、王子様ごっこは...」
悪戯そうに微笑みながら近づいてきた穂川先生は異変に気づきいきなり口調を変えた
「どうしたのその子、とりあえず早くベッドまで運んでねさせて」
口調にせかされ焦ってベッドに寝かせた手は彼女の汗でびしょ濡れになっていた。
「ひどい熱だ、とりあえず汗拭いてあげてそれから安静にさせるか。雪下はあっちいって待っときなさい。」
運んで来た人を払い除けるとはどうかと思うが事態が事態なので無駄な反抗はよそう。それにしてもどうしたのだろうか。どう見ても異常だった。呆然と保健室に飾られていた観葉植物をみてかんがえていた。なにか先程から頭に異変を感じる。
「ふぅー、それにしてもすごい汗だったわ。雪下なんか知らないの?」
ベッドの方から穂川先生が歩いてきた。
「すみません、全然分からないです。そもそも今日転校してきたばかりの人ですから...」
「ああ、転入生だったのか。なるほど」
なぜか心底納得したような表情を浮かべていた
「なんで、なるほどなんですか?」
「ん?私今そんな事言ったっけ?」
間違いなく言っていた、しかし先生には言えないこともあるだろうし僕の予測だと転校する前の学校では酷い目にあっている、それがフラッシュバックしたのかもしれない。先程から彼女と自殺の関係について考える時頭に引っ掛かりを覚える。とにもかくにも、とりあえず言及するのはよした方がいいな。とりあえずさっさと教室にでも戻ろう、保健室の扉まで行き振り返らずに言った。
「じゃあ、穂川先生僕はこの辺で教室に戻らせてもらいます。早くしないと一限が始まってしまうので。」
「そうかい、なら早く行きたまえ。...あ、そう言えば音楽の三田先生が雪下に会いたがってたぞ。なんでも雪下にヴァイオリンを見てもらいたいそうだ」
「前にも言ったじゃないですかヴァイオリンを見てると祖父のことを思い出してつらいからもうヴァイオリンのことでつるまないでくるって」
「三田先生悲しんでるぞ、ヴァイオリンについて雪下と話が出来なくて」
「まああの先生相当なヴァイオリンマニアですからね、ヴァイオリンについてなら永久機関並に話せそうですからね」
「まあ例えはよく分からんが三田先生のヴァイオリン愛は本物だ、いつかヴァイオリンときちんと向き合えるようになったら会いに行ってやれよ、ほんとに悲しんでるんだぞ」
「唐突に永遠の別れになる方が悲しいと思うから適当な嘘ついて会いに行ってないだけなんですけどね」
ぼそっとつぶやいた。
「ん?何か言ったか?もう少し大きな声で言ってくれ。」
あ、しまった...声に出てたか
「いえ、何も言ってません。では、1限に行ってきます」
この時初めて先生の顔をみていった。
「あっまて、ゆきし...」
僕の言葉を言い終えると僕は保健室から逃げるように出ていった。
「雪下...なんでお前そんな怯えたような表情してるんだ。」
穂川先生は誰にも聞こえない声でそう言った
そういうことなら僕もなかよくなりたい。そう思いふりかえった刹那心臓が止まるかと思うほどの衝撃に襲われた。彼女は自分の胸を抑え苦しそうにし息をあらげて全身を痙攣させていた。そして流れるように静かにその場に倒れた。
* * *
保健室のドアを勢いよく開けた
「失礼します」
息が荒くなっていた。
「あら、どうしたのお姫様抱っこなんてして、王子様ごっこは...」
悪戯そうに微笑みながら近づいてきた穂川先生は異変に気づきいきなり口調を変えた
「どうしたのその子、とりあえず早くベッドまで運んでねさせて」
口調にせかされ焦ってベッドに寝かせた手は彼女の汗でびしょ濡れになっていた。
「ひどい熱だ、とりあえず汗拭いてあげてそれから安静にさせるか。雪下はあっちいって待っときなさい。」
運んで来た人を払い除けるとはどうかと思うが事態が事態なので無駄な反抗はよそう。それにしてもどうしたのだろうか。どう見ても異常だった。呆然と保健室に飾られていた観葉植物をみてかんがえていた。なにか先程から頭に異変を感じる。
「ふぅー、それにしてもすごい汗だったわ。雪下なんか知らないの?」
ベッドの方から穂川先生が歩いてきた。
「すみません、全然分からないです。そもそも今日転校してきたばかりの人ですから...」
「ああ、転入生だったのか。なるほど」
なぜか心底納得したような表情を浮かべていた
「なんで、なるほどなんですか?」
「ん?私今そんな事言ったっけ?」
間違いなく言っていた、しかし先生には言えないこともあるだろうし僕の予測だと転校する前の学校では酷い目にあっている、それがフラッシュバックしたのかもしれない。先程から彼女と自殺の関係について考える時頭に引っ掛かりを覚える。とにもかくにも、とりあえず言及するのはよした方がいいな。とりあえずさっさと教室にでも戻ろう、保健室の扉まで行き振り返らずに言った。
「じゃあ、穂川先生僕はこの辺で教室に戻らせてもらいます。早くしないと一限が始まってしまうので。」
「そうかい、なら早く行きたまえ。...あ、そう言えば音楽の三田先生が雪下に会いたがってたぞ。なんでも雪下にヴァイオリンを見てもらいたいそうだ」
「前にも言ったじゃないですかヴァイオリンを見てると祖父のことを思い出してつらいからもうヴァイオリンのことでつるまないでくるって」
「三田先生悲しんでるぞ、ヴァイオリンについて雪下と話が出来なくて」
「まああの先生相当なヴァイオリンマニアですからね、ヴァイオリンについてなら永久機関並に話せそうですからね」
「まあ例えはよく分からんが三田先生のヴァイオリン愛は本物だ、いつかヴァイオリンときちんと向き合えるようになったら会いに行ってやれよ、ほんとに悲しんでるんだぞ」
「唐突に永遠の別れになる方が悲しいと思うから適当な嘘ついて会いに行ってないだけなんですけどね」
ぼそっとつぶやいた。
「ん?何か言ったか?もう少し大きな声で言ってくれ。」
あ、しまった...声に出てたか
「いえ、何も言ってません。では、1限に行ってきます」
この時初めて先生の顔をみていった。
「あっまて、ゆきし...」
僕の言葉を言い終えると僕は保健室から逃げるように出ていった。
「雪下...なんでお前そんな怯えたような表情してるんだ。」
穂川先生は誰にも聞こえない声でそう言った
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