自殺志願者と生存志願者

きよ

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運命の日⑧

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*       *         *

「おはよう、雪下くん」

「ああ、おはよう。」

がらららら、扉が開き担任が入ってきた。

「おーし、ホームルームはじめるぞ。きりつ、れい、着席。みんなそろってるな。今日の連絡は一つだけだ。1週間後の人権学習で命についての作文をよんでもらう。かくじ考えておくように。以上。起立、礼、着席。」

「命かあ」

彼女がつぶやいた。僕はそんな彼女を横目ではちらっと見るものの直視はできなかった。

「雪下くんは命についてどうおもう?」

「大切なものって位の印象かな」

嘘をついた。彼女に見放されたくなかったからだ。

「へえ」

彼女はただ一言そういった。

*       *        *
授業が全て終わり放課後になった。

「じゃ、雪下くん一緒に帰ろうか」

「え、あ、うん」

別に断る理由はなかった。

「何その返事?一緒に帰るのいや?」

「べつに嫌じゃないよ」

「ならよかった」

彼女は楽しげにいった。

*       *      *
下校中は何気ない話ばかりした。思い出したかのように彼女はいう 

「そう言えば、昨日この町のこと教えてって約束したよね?」

「したね」

「じゃあ明日暇?」

「え?」

「え?じゃなくて。明日暇なの?」

「うん、暇だけど」

「じゃあ決まりね。明日10時に碁盤通りの中央公園に集合ね。じゃあね」

彼女は僕の返答を聞かずに勝手に走り出してかえった。まあ、断る理由はないのだけど。家に帰るといつもよりも気分がよく感じられた。今日の朝考えたことと同様だ、受動なのに嬉しいと感じられる違和感。何故だろう、僕の中に答えはないような気がした。

*         *           *
11月13日

「おっそーい」

「遅くないよ、今何時だと思ってるの?」

「10時だけど」

「時間通りじゃないか」

「時間通りは遅れと同じだよ。余裕をもって行動しないと、何が起こるかわからないんだから。」

集合時間について言ったのかそれよりも深い次元の話なのか僕にはわからなかった。

「で、今日は何するの?」

「何するのって私はこの町を知らないから案内してもらおうとしてるのよ?」

「うっ...あっそうだ行きたい施設とかある?」

「んー、そうね。まあ特にないかな」

「じぁあ適当にブラブラ歩きながら紹介するよ。」

服屋、スポーツ品店、ゲームセンター、本屋、電気屋、薬品店、家具屋、etc..
紹介しているうちに昼になった。

「じゃあファミレスかなんかでお昼食べようか」

彼女はいった。

「あ、ファミレスならあっちにあるよ、いこうか」


*        *         *
ふぅ、食事をして腹を満たされたので少し話をする

「そういえばさ、き...春野絶対この碁盤通りのことよく知ってるよね?」

「うげっ、バレてたの?」

「うん、そもそも碁盤通りって名前他の地方からきた人なら知らないし。食べ物系の店あるかどうか聞くんじゃなくていきなりファミレスいこ。とか言い出すし。」

「あちゃ、やらかしちゃったな。」

てへへと、手を額につけ舌を出していった。

「なんで転校してきたばかりなのに碁盤通りのなんて名前知ってたの?」

純粋に疑問だった。

「実は私門矢高校から転校してきたの」

「門矢高校!?隣町じゃん。」

「うん、だからハメ外して遊ぼうってなったら結構こっち来てたんだ。だから碁盤通りののことはよく知ってるよ。」

「なんで知らないなんて嘘ついたの?」

そうね...考え込んでから彼女はこういった

「雪下くんに告白したくて。」

...え?

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