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男の嫉妬は見苦しい
しおりを挟む「何だよ」
「あなたがショタコンだということは知っていましたが、ついに幼児に目覚めたのですか」
「バ、バカ野郎!」
つーか、ギルのショタコン疑惑って何だろう。聞くのが怖いから、忘れてしまおう。
「じゃあ、何であんな子に鼻の下を伸ばしてデレデレしているんですか」
「デレデレなんかしていない」
「いいえ、していました」
何だかこいつが怖くなり一歩下がる。
すると、エンデュミオンが一歩近づいてきた。
更に下がると、また近づいてきた。そして、背中が壁に当たり、これ以上下がれなくなった。
ドンッと顔の横で派手な音か聞こえた。
壊れたぜんまいおもちゃのように、ギギギとゆっくり横を見る。すると、何故かエンデュミオンの大きな手が見えた。
これって、いわゆる壁ドンの姿勢では?何故、僕にしているんしょうか。美少女相手にすればいいのに。
「あなたは俺のこと好きなんでしょう」
「いや、好きじゃねぇよ!」
もう嫌だ、この世界。おうちに帰りたいっ。銀河鉄道よ。メーテルと一緒に僕を迎えに来てくれ。
「照れないでください。俺は、あんたのことを全然好きじゃないけれど、あんたが俺以外の人にデレデレしているのを見るとムカつきます」
殺気だった鋭い目で、射殺すように睨まれる。
「ひっ」
僕は、森でクマに遭遇した人の気持ちがわかった。
ブルブルと怯えていたら、いきなり顎をクイッとされた。そして、キスされそうなほど顔を近づけられる。
「何を企んでいるんですか」
「何も……」
「いいえ。今日のあなたは、すごくおかしい。記憶喪失の振りをして俺の気でも惹きたいんですか」
「そんなわけないだろう」
こいつ……妄想が激しくないか。もう脳みそを取り換えた方がいいレベルだよ。
「まあ、本当に記憶喪失になった可能性も捨てきれませんが。どちらにせよ、俺は、あなたに騙されたりしません。……絶対に許さない」
耳元に残るような低い声でそう宣言された後に、ようやく解放された。
あー、怖かった。しょべんちびるかと思った。ヤンホモの恋人とかゴミ箱にポイッと捨ててしまいたい。
もう、こいつを首にしよう。国外追放とかもいいかもしれない。こっちの国で退職金は、いくらが相場だろうか。まずは、それを調べる必要がありそうだ。
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