加護と呪いと人形師

題１章 幼少期

11話「共感覚」

ソード「お嬢じょうさんの『お友ともだち』になれたおかげで、こうしてあなたたちと会話かいわをすることが可能かのうになった。」


カルロ「これも「人形師にんぎょうし」の能力のうりょくなのか...」


ソード「正ただしくは、お嬢じょうさんの能力のうりょく、だな」


アヤノ「みんな、ごぶりんさんのことばが、わかるの？」


クレア「不思議ふしぎと、分わかるんだよな」


アヤノ「お～～、これでみんなといっしょに、おしゃべりできる！」


メイジ「フフっ、嬉うれしそうね？」


アヤノ「ごぶりんさんとおしゃべりできるのはうれしいけど、やっぱみんなとまじっておしゃべりしたいもん！」


ソード「まさしく、お嬢じょうさんの思おもいが実みを結むすんだ能力のうりょく。

　　ただ、俺達おれたちとリンクしないといけないことが条件じょうけんなんだがな」


アヤノ「りんく？」


ソード「難むずかしい言いい方かたをすると、明確めいかくな仲間なかまということを示しめすのが『リンク』。

　　そしておそらく、『お友ともだちになってください』に対たいして承諾しょうだくすることが、俺達おれたちとリンクする条件じょうけんだろう」


カルロ「その言いいぶりだと、リンクの条件じょうけんは人ひとによって違ちがうということか」


ソード「そういうことだ。

　　現げんに、あいつとリンクしたときは全まったく違ちがう言葉ことばだったからな」


カルロ「だとすると、アヤノの言霊ことだまは『お友ともだちになってください』か」


アヤノ「むむっ！ことだま！」


ニーナ「言霊ことだまが分わかってよかったですね？」


アヤノ「むふふ～。わたしにも、とうとうことだまを、つかえるようになった！」ニヤニヤ


カルロ「良よかったな、アヤノ」


アヤノ「うん！」


ソード「そのリンクの福次作用ふくじさようで仲間なかまにも視界しかいの共有きょうゆうなどがされる」


クレア「しっかし、リンクするだけでこうも見みる世界せかいが違ちがうのか～」


ソード「さしずめ、共感覚きょうかんかく、といったところだ」


ニーナ「アヤノちゃんのことだから、誰彼だれかれ構かまわずリンクしそうで心配しんぱいですね」


カルロ「今いまのアヤノならやりかねんな」


ソード「善良ぜんりょうな魔物まものもいれば、悪わるい魔物まものもいる。

　　そこの判断はんだんはまだ、お嬢じょうさんには難むずかしいかもな」


メイジ「私達わたしたちがこの子こと一緒いっしょにいることはできないの？」


ソード「そろそろ縄張なわばりも変かえたほうがいいかもしれないし、お嬢じょうさんたちについていくのもありだな」


メイジ「私達わたしたちの娘むすめにもやっと友達ともだちができるのね」


ニーナ「そういえば、昨日きのう見みた小ちいさい子こがいませんね」


ソード「今日きょうは住処すみかでお留守番るすばんしてもらっているからな。

　　すこし待まっててくれ、すぐ連つれてくる」



～～～10分後ぷんご～～～



ソード「待またせたな、この子が俺達おれたちの娘むすめだ」


アヤノ「わ～、かわいい！あなた、おなまえは？」


ミリィ『ミ、ミリィっていいます...』


アヤノ「みりぃちゃんね！わたし、アヤノ！よろしくね！」


ミリィ『よ、よろしく...』


アヤノ「みりぃちゃんさえよければでいいけど、『わたしと、おともだちになってください』！」

ミリィ『わ、わたしでいいの...？』


アヤノ「うん！」


ミリィ『じ、じゃあよろこんで！』にこっ


ソード「うんうん、よかったな。

　　そういえば、俺達おれたちもまだ名乗なのっていなかったな。俺おれの名前なまえは「ソルガ」だ」


メイジ「私わたしは「メニカ」よ。よろしくね」


アヤノ「そるがさん、めにかさん、みりぃちゃん。これからよろしくね！」





～～～～登場人物とうじょうじんぶつ(追加分ついかぶん)～～～～



～～ソルガ(ソードゴブリン)～～

　森もりの外縁部がいえんぶ付近ふきんを縄張なわばりにしていたゴブリン。

　元々もともとは前まえの「人形師にんぎょうし」の元もとにいたが、訳わけあって離はなれることになった。

　剣けんはその「人形師にんぎょうし」にもらった大切たいせつな物もので、メンテナンスは１日いちにちも欠かかしたことはない。

　容姿ようしは俗ぞくに言いうイケメンヤ○ザで、見みた目めに反はんしてめちゃくちゃ優やさしい。

　メニカの夫おっとである。子供こどもができてからはメニカのべったりが少すくなくなって実じつは寂さびしかったりする。



～～メニカ(ゴブリンメイジ)～～

　森もりの外縁部がいえんぶ付近ふきんを縄張なわばりにしていたゴブリン。

　元々もともと別べつの生息域せいそくいきにいたが、とある件けんでソルガに助たすけられハートを撃うち抜ぬかれた。

　それからはソルガにべったりである。子供こどもができてからは、べったりは緩和かんわされた。

　容姿ようしは俗ぞくに言いう美人秘書びじんひしょ。怒おこるとめっちゃ怖こわい。

　ソルガの妻つまである。



～～ミリィ(ミニゴブリン)

　森もりの外縁部がいえんぶ付近ふきんを縄張なわばりにしていたゴブリン。

　ソルガとメニカとの間あいだにできた子供こども。

　少々しょうしょう人見知ひとみしりだが、親したしい間柄あいだがらになれば笑顔えがおを振ふりまく。

　アヤノが初はじめての友達ともだちで実じつは同おない年どし。

　容姿ようしはまだ幼おさない顔立かおだちだが、将来しょうらい母ははの血ちを引ひき、美人びじんになる。