魔王の息子のパシリは独占に気づいていなかった

からどり

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後編

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ダナを放って僕は先に帰ることもできるけど、後がこわいから僕は待つことを選んだ。集中できないけど宿題をすることにした。

「……早く戻って来ないか…………ん?」

ふと、僕は視線を感じて顔をあげた。

「あれ、誰もいない」

僕は辺りをきょろきょろ見回してみるといつの間にかクラスメイト達は誰もいなかった。

「おかしいなぁ。まだ最終下校時間のチャイム鳴ってないのに」

部活とか研究をしている生徒や先生のために学校を閉める時間を知らせるチャイムが鳴るんだ。
いくら宿題をしていたといえどもチャイムが鳴ったことに気づかないほど集中はしていない。

「まさか、異世界に飛ばされた?」

そう、学校の七不思議にあるんだ。放課後、教室で過ごしていると自分以外誰もいない教室にいるんだ。
この世界に似た異世界に飛ばされていて、バラバラの化け物に襲われるとか、知らないおじさんに怒られて気がつくと学校の外。そして人が歩いているのをみて安心するとか。異世界で起きることは体験しなくちゃ分からない、らしい。
怖くなった僕は急いで教室を出た。

「や、やばい。急ごう!」

僕は急いで階段を降りたのだけどなぜか教室がある階に戻ってしまう。
何度か繰り返し、下がダメなら上だと上がって見たりもした。でも下にも上にも行けないから足を止めてしまった。

「な、なんで。僕、閉じ込められたの?」

もしかしたら誰かがイタズラをしてこの階に閉じ込められたのかもしれない。

僕は廊下から窓の外を眺めた。

「あ、良かった。ちゃんとある」

噂だと異世界になると学校は真っ黒の空間の中に浮かんでいるらしいけど、窓の外は見慣れた風景だった。

「やあやあこんにちは。白い髪の少年よ」

「ひゃっ」

突然後ろから声をかけられたので驚いてしまった。

「だ、誰?」

振り返ると金の長い髪が目立つピエロが立っていた。
僕と違って細くて、小柄だ。顔は白く塗られてピエロのメイクなのに美形だった。

「私はナイトメア。今日の鬼ごっこゲームの参加者は親分と子分だね」

「ゲーム?何のことですか」

僕は首を傾げた。

「ああ、ごめんよ。説明がまだだったね。ここは私が作ったゲームの舞台。ルールは簡単だよ。鬼ごっこをするだけ。そして君は鬼だ。逃げて隠れる獲物を捕まえる。後は好きにするだけの簡単なお仕事さ」

「え、えええええ?!」

「ほら、早くしないと獲物に逃げられてしまうよ」

「え?え?!」

「さあ、鬼ごっこの始まり始まり」

「ちょ、ちょっと待ってください。誰を捕まえるんですか?貴方ですか?」

「おっと失礼。君のターゲットは彼だよ。ダリウス・シュタンガ」

そう言うと彼は僕の横を通り過ぎていった。その名前はダナのフルネームだ。

「え?!」

僕は慌てて追いかけようとしたらピエロの体が黒い霧に変わって薄くなり消えてしまった。

「な、なにこれ」

学校内で授業以外では魔法を使うのは禁止されている。でも僕は迷わずに呪文を唱えた。

「我は汝を召喚する。いでよ、闇の風精霊フルーシー」

風の精霊なら僕よりも素早く動けるはず。なんか手のひらサイズになってるけど気にしてられない。

「お願いします。ダナを探して下さい」

僕は手を合わせて頼んだ。

「いいわよ。でもこの空間、魔力が制限されていて長く留まるのは無理だから」

「はい。できる範囲でいいからお願いします。なにか分かったらすぐに僕に教えて」

「じゃあいくわよ」

「うん」

そう言って小さな風の妖精さんは飛び出して行った。

「……僕も探さないと」

ダナをターゲットにするなんてピエロは何を考えているんだろう。魔王様の息子に手を出すなんて絶対に怖くて出来ないことなのになんて命知らずなんだろ。

「でも……」

ダナを敵に回せるほど凄い相手なのだろうか。
ダナは強い。でも魔王の息子という肩書きはみんな知っていることだし、それを狙った凶行なのかも。そうでなきゃ親が立派なだけで弱い僕をゲームに引きずり込む理由がない。
きっと僕をダナと敵対する「鬼」にして彼の動揺を誘って隙が出来た時にグサーってヤッちゃうつもりなんだ!そんな卑怯なことを考える奴は絶対許せない。

「ダ、ダナ~!どこですか~!」

僕は大声でダナを呼んだ。ピエロより先にダナを見つけてここから逃げるために協力しなきゃ!
◆◆◆◆◆

「ここが最後の教室」

俺は一階の一番奥にある教室へ入った。
そこは俺が通う学校ではない。放課後に誰もいない教室で一人過ごすと異世界に飛ばされるという七不思議の一つだ。
だがここは「異世界」ではなくて「異世界に似た夢の空間」だ。ナイトメアだと名乗るピエロがこの空間を作ったことは疑う余地がない。
なぜならこの俺が状態異常『眠り』にかかっているのを知覚しているからだ。現実世界ではきっとアルクも眠らされているはずだ。
ピエロは俺を鬼ごっこのターゲットでアルクが鬼ごっこの鬼だと言った。
俺の勝利条件は二種類ある。

一つ目は「アルクを殺すこと」だ。二つ目は「目覚めの薬を全て集めて飲むこと」だ。
アルクの勝利条件を聞けなかったが、きっと俺を殺すことか目覚めの薬を飲むことだろう。
俺は薬とピエロを探しながらヒントとなる教室をまわり、全ての教室にある黒板にチョークを使って書き込んだ。
アルクがソレを見ていることを願いながら。

最期の教室の真ん中の机に小さな瓶が置かれていた。罠に注意しながら慎重に進み、手に取って蓋を開けると中には液体が入っていた。

「これを飲めば目が覚める」

俺はそれを一気に飲み干した。現実世界に帰ったら真っ先にピエロを捕まえてアルクを解放させる。父の兵を使えば簡単だ。
これで目が醒めると思ったのに夢の空間から抜け出せない。しばらくすると体に異変を感じた。

「な、なんだこれは……力が抜けていく」

膝をつき、両手で体を支えるがそれでも崩れ落ちる。

「くそっ、毒か」

全身が熱くなる。胸や手足が締め付けられるかのような感覚。
このままだと死ぬ。そう思った時だった。

「ダ、ダナ~!」

遠くから声が聞こえてきた。

「ア、ル、ここだ」

うまく言葉にならないが、脆い糸のように途切れながらも必死に声を振り絞った。風が吹いた気がする。

「あ、ダナ。よかったぁ。やっと見つけた。一緒に脱出する方法を見つけてココから出ようよ」

なぜか中腰で内股になって駆け寄ってくるのは間違いなくアルクだ。しかしその姿はいつもと違う。髪は乱れて服はボロボロだ。頬は真っ赤で涙で濡れている。

「あ、アルク、俺はもうダメだ。俺を殺してお前だけでも逃げろ」

「え?なにを言って」

「薬を盛られた」

「え?!」

俺の前に膝をついたアルクの表情が絶望的に歪む。

「早く、殺せ」

「ま、待って、これで死んだりしない!それにきっと解毒薬があるよ!フルーシーに頼んで薬を探してもらえばっ」

「無理だ。もう体に毒が回って苦しい。早く楽にしてくれ」

「ダ、ダナ……」

「頼む。毒で死にたくない。愛しているお前に殺される方がいい」

俺は力を振り絞って体を起こすとアルクの肩を掴んで引き寄せ唇を重ねた。
触れるだけの口づけなのにアルクは目を見開いて固まった。俺を探すためにボロボロになったアルク。戦いが嫌いな臆病者が逃げずにここまで探しに来てくれたんだ。こんなに嬉しいことはない。
義理堅いアルクなら俺を殺して元の生活に戻れた事を絶対に忘れないだろう。俺はアルクの心の中で生きていける。

◆◆◆◆◆
「ダナ、どこにいるんですか?」

僕は何度もダナの名前を呼びながら廊下を走りまわっていた。でも全然捕まえられない。なぜか服だけを溶かす液体とかフリーズの魔法とか罠が一杯でダナの背中を見つけても声すら届かなかった。

でもフルーシーに教えて貰った場所に行ったら「白アル、俺が必ず助けてやる」って黒板に書かれてある。

子供の時の愛称だ。兄さんの名前がアルバトロスだからアル。僕は白アルって区別されてた。

「普通にアルクって書けばいいのに」

行く教室全てにそう書かれてあって、それを見ると子供の頃からダナと一緒にいた思い出が込み上げてくる。
たとえば音楽室では初等時代、初めての音楽会では上手く演奏できなくて学年が違うのに練習に付き合ってくれたこと。
他の教室に入るとダナと仲良くなるなといじめられた時にダナが助けに来てくれたことや調理実習で作ったクッキーをあげたら喜んでくれた時のことも思い出す。

フルーシーの協力を得ながらもダナの後を追いかけるだけだった鬼ごっこ。まるで昔の僕みたいだ。兄さんを追いかけていたはずなのにいつの間にかダナに会うのが目的になってた。

「やあやあ、こんにちは。ここまで来てまだ捕まえられないの?」

僕の前に立ちふさがるピエロは僕の前に噴霧器をかざすとブシュンと霧を吹きかけてきた。

「ぶふぁあ」

目と鼻にしみる!しかもこの匂い!淫魔なら誰でも分かる香りだ!

「はははっ、これで本気で彼を捕まえたくなっただろ」

ピエロが僕の顔を見て笑っている。悔しいけど体が熱くて仕方ない。淫魔にも効く催淫効果のある薬を持ってるなんてこのピエロは何者なんだ。


「……」

「どうしたの?もうゲームはフィナーレなんだ。鬼の君がダリウスを捕まえれば完了だよ?」

「嘘だ」

この催淫薬は絶対に鬼ごっこだけで終わらせるつもりがないやつだ。今の僕は……

「おまえは、僕を使ってダナを、ダリウス様に恥ずかしいことをさせて陥れようとしてるだけだ」

僕は必死に理性を離さないように掴む。時間だ。時間を稼いでこの効果が薄れるのを待たなきゃ。淫魔だから催淫効果がきれるのは早いはずなんだ。ダナは僕をパシリと思ってるだろうけど僕にとって大事な友達だ。絶対に関係を壊しちゃいけないんだ。

「ふっふー。そうかもね。でも時には上辺の真実より大切なものがあるんだよ。君が最後の部屋でターゲットを捕まえるのを楽しみにしているよ」

そう言うとピエロはあっさりと姿を消してしまった。
一人になった僕は催淫効果が弱まって動けるようになるまでその場でうずくまって耐えているところにフルーシーが来てくれた。
僕にはフルーシーとダナがいるんだ。ピエロの策略になんて負けないって自分を奮い立たせた。
フルーシーがダナがいるって教えてくれた最期の教室を開けた。

教室の真ん中あたり、机の影にダナがうずくまっているのが見えた。
ズボンが擦れるだけで変な気持ちになっちゃうから上手く歩けないけどもダナが心配で必死で近づいた。
その時に机の上に見覚えのある瓶があったのに気がついてすごく嫌な予感がした。

「あ、アルク、俺はもうダメだ。俺を殺してお前だけでも逃げろ」

「え?なにを言って」

「薬を盛られた」

「え?!」

足の力が抜けて膝をついてしまった。だってあの瓶、僕の記憶間違いじゃなきゃ前に見たことがある。あの瓶は淫魔族のなかでもラブドラッグを作ることに特化している家の瓶だ。性欲を発散させるまで長く体に残る拷問用みたいな薬だ。

「早く、殺せ」

「ま、待って、これで死んだりしない!それにきっと解毒薬があるよ!フルーシーに頼んで薬を探してもらえばっ」

こういう薬を使う時は必ず解毒剤があるはずなんだ。ほとんどの場合、毒を使った奴が持っている事が多いからあのピエロを捕まえれば良いんだ。

「無理だ。もう体に毒が回って苦しい。早く楽にしてくれ」

「ダ、ダナ……」

こんなに気が弱くなったダナを見るのは初めてだ。僕より逞しくて凛々しいのにっ。

「頼む。毒で死にたくない。愛しているお前に殺される方がいい」

彼は媚薬に侵されて力が入らないはずなのに体を起こして僕の肩を掴んで引き寄せキスしてきた。
触れるだけのキスなのに僕の中心へ一気に熱が集まる。僕はダナの友達。ダナはダリウス様だ。ダリウス様は次の魔王様になる。長男の兄さんが側近になって、次男の僕は高校までのお友達。

毒じゃないのに毒を飲んでしまったと勘違いしてるダナ。でもある意味猛毒だ。恋の毒だ。便利な使用人みたいな幼馴染って綺麗な恋で終わりたかったのにもう僕の心にはダナしか映らなくなっていた。

下着の中で汚いものが溢れていく。ぬめった感触がして僕の中で残っていた理性の残り滓のせいで自分をとっても嫌いになった。

「ダナ、ごめんね」

せめて痛くないように僕が使える魔法をかけていく。洗浄の魔法に、鎮痛の魔法。継続回復魔法も抱きついて離れてくれない彼にかけた。
僕は彼の背中に腕を回して体重を使って押し倒す。お互いの体温が混ざり合って抱きしめ合うだけで気持ちがいい。

「ほんとはいっぱい気持ち良いことしてあげたいんだけど……ごめん」

僕はダナのズボンの前を開き、下着ごとズボンを引きずり降ろした。僕の汚い欲がずっと張り詰めて痛いんだ。

「アルク」

「ごめんね。ごめんね。後ろだけ僕に与えてね」

ダナの大事な秘密を僕は知ってる。ダナは男だけど下半身だけ女性器がある。性のことなんて知らなかった頃だ。人と違うと相談されて初めて見せて貰った時、かわいいサイズのモノと睾丸の下で隠すようにピンク色の花が見えた。

今、目の前にしているそこはどっちも綺麗なままだったからこれは結婚相手に捧げるものだ。
僕みたいな汚いやつは彼の排泄器官ですら触れてはいけないものなのに。
僕は自分の前を寛げて僕の欲望を取り出した。僕のは淫魔の中でも小さいサイズしかなくて恥ずかしいけど今はそんなこと関係ない。

「ダナ、ダナ、好きだよ」

「ああ、俺もだ。アルク。その大きなもので俺を貫いてくれ」

熱に浮かされてまともな判断ができなくなったダナを騙して悪いと思う。だけども彼が自ら膝の裏に手を入れて持ち上げ、体を丸めるような姿で性器を晒す姿を僕は目に焼き付けた。
そして自分のを握りしめながらダナの排泄のためだけの穴へと先っぽを押し付ける。

「アルク?そこは、そこじゃないだろ」

僕だってダナのピンク色の花の中に入りたい。でも避妊具があってもそれだけはダメだ。後ろなら悪い夢で終われる。
ローションの魔法をたっぷり使ってダナの穴に僕自身を押し込んでいく。

「うぐっ、あっ、あぁ」

「きついっ、ん、あ」

僕たちの体がピッタリとくっつくまで奥まで入れると僕はそのまま動きを止めて息を整えた。

「アルク、動いてくれ」

「うん」

催淫効果のおかげでダナは痛くないみたいだ。僕はダナが大好きって気持ちだけで自分勝手に動きたい気持ちを押さえながらゆっくり動いた。

ずりゅりゅりゅ……ずちゅるる……抜き差しするたびに僕のを離さないって締め付けてくる。

「あ、あ、もっと、もっと」

「ここ?」

「ひぃ、そ、そこぉ」

とろとろにとろけた顔。気持ち良いって場所をトントンしてあげると目をキュって閉じて口を開いて喘ぎ声が止まらなくなってた。

「ふへへ、ダナ、かわいい」

僕はダナの気持ちいい場所が分かったから、そこを狙いつつ自分が気持ちよくなるための動き方に変えて腰を振っていく。
スピードを早めて擦り付けて、根本まで押し込んで突き上げて、僕の全部を味わってほしい。

「あ、あっ、ああ、あ、あ、あっ」

「イキそう?ねぇ、一緒に、いこ」

「イクッ、イッちゃうぅ」

ダナが射精したと同時に僕も彼の中へ吐き出していく。

「出てる。あついのが、なかに」

「うっ、ごめん。ごめんね」

「謝らないで、くれ。嬉しい」

ダナへ謝らないって決めて口に力をいれて歯を食いしばったら涙がボロボロ落ちてしまう。

「泣くな」

「だっでぇ」

「俺はお前が欲しいんだ。だから気にしないでくれ」

「ダナァ……」

「愛しているよ。アルク」

それから何度したか分からないくらい僕たちは愛し合った。
最初はダナのお尻だけだったはずなのにいつの間にか僕のお尻がダナを受け入れていた。
僕が覚えている最後は意識を手放して倒れ込んだ僕を優しく受け止めてくれたダナだった。

◆◆◆◆◆
本当ならダナは高等部卒業後に魔王になれるほどの実力者だった。なのに僕が妊娠させてしまったことがあの日から数カ月後に分かった。
あの日、お互いのお尻だけだと僕は思っていたけど最期に繋がった場所は僕の男性器とダナの女性器だった。たった一発だけなのに的中し、ダナは子供と僕を優先すると言ってあっさりと王位継承権を手放した。
手放したと言っても魔界は下剋上が普通。弱肉強食の世界。王位継承権なんてなくても魔王を倒せば次の魔王だ。
でもダナにはその気がないので彼が学校を卒業したその日に僕の家で暮らすようになった。そして僕の卒業を待って娘のカーテリナと一緒に暮らしている

あの時の犯人は今も捕まっていない。ピエロの正体というか犯行グループの目星はついていたけども証拠がなかった。せめてあの時にみた瓶だけでも持っていれば良かったんだけど僕とダナが学校内で目を覚ました時には何もなかったんだ。あんなにも混じり合ってドロドロになっていた体も服も綺麗な状態だった。

あれっきり僕とダナを狙う奴は現れていない。多分、ダナが王位継承権を放棄したからだ。だけども狙われる心配がなくなったわけじゃない。それに、ダナの子供であるカーテリナは女の子だ。彼女を狙ってくる可能性は十分ある。

「アルク、また考え事か?」

「あ、ごめん。昔の事を思い出してたら色々と止まらなくなっちゃって」

今日はカーテリナを両親に預けてダナとデートをしてる。

「何かあったのか?」

「進路、どうしようかなって」

僕があんな大問題を起こしたんだけど兄さんは父さんと一緒に魔王城で働いている。やっぱり実力者は優遇されるこの世界では力が全てだ。
まだ僕は二年生だけどそろそろ身の振り方を考えなきゃダナとカーテリナを守れない。

「大丈夫だ。俺達は生きている。こうしてアルクの隣にいるからな」

僕は励ましてくれるダナの手を取って指を絡めた。

「うん。ありがとう。ずっと側にいるからね」

「ああ、約束だ」

僕は格好いい笑顔のダナの手を引き寄せてキスをした。


END
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