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キスをされたと意識した途端に顔が熱くなって耳まで熱を持ってジンジンとしてきたわ。
「すみません。急にこんなことをして。嫌なら拒否してください」
「突然で驚きましたが、お見合いから交際をする意味は知っています。でも、会ったばかりなのに……」
「一緒に見た映画で『愛に時間は関係ない』という言葉がありました。私はレストランで仕事や趣味を生き生きと話す貴女をもっと見ていたいと思ったんです。そしてできれば恋人、いえ生涯の夫として独占したいとも。だから、ああ、これじゃあ束縛したいと言っているのと一緒だ」
私は嬉しくて涙が出てきた。この人と一緒になりたい。私も、彼と一緒にいたいと心から思っていることをはっきり自覚している。
「その言葉に『時間を重ねた愛は何よりも強い』と返事をしたんですよね。私も同じ気持ちです。結婚を前提にお付き合いをお願いします」
こうして本当の交際が始まって、この2か月後に婚約を結んだの。】
******
「と、いうわけなんです。あの時は本当にびっくりしましたけど、あの時の感動は今でも忘れられません。あの人は仕事人間で仕事以外は何も興味がないと思っていたんですけど、彼も剣術を覚えて一緒にモンスターを退治してくれるようになりましたし、公私ともに背中を預けられる仲になりましたのよ。それに彼って想いが昂じると気持ちを秘めておけなくて、いままで私は三回もプロポーズされたんです!うふふっ! 私は彼のことが大好きですし、今も変わらず優しくて愛情を注いでくれるから彼も私が大好きなのを感じています。私は彼が浮気するなんて考えられませんもの。だから貴女がジェフリーの浮気相手とおっしゃられても困りますわ」
突然、アポイントも無しで私の会社に来られたお嬢さんとその御友人。お嬢さんがジェフェリーの真の恋人だと言うので、会社の会議室を借りてこうしてお話し合いをすることになりました。
「彼は貴女と別れたいとずっと言っているんです!どうか彼を開放してください!」と御友人と揃って頭を下げるので、私は見聞きし、感じたことをありのままお伝えしたのでした。
「……そんな……」
御友人の顔が青ざめています。お嬢さんが付き合っている『ジェフェリー』という男性と名前が同じで、お嬢さんと付き合っているジェフェリーと私の婚約者のジェフェリーが違う人だといち早く気づかれたのでしょうね。
勘違いは誰にでもあるとはいえ、強大な敵と戦う前にじっくり挑む相手を調べておかないと返り討ちにあうことも知らないのでしょう。モンスター退治は社会で渡り歩くための人間関係の構築に通ずるところが多くありますから、体育などで必須授業にしても良いとおもうのですけども……。
「貴女が真に愛する人が誰なのか、誰と付き合い、何を思っているのか、よく考えてください。貴女は、どうしたくて、何を思って、ここに来たのですか?私はこれ以上、お話しすることはありません。仕事もありますし、お引き取りください」
ここは年上としてしっかり世間の厳しさを教えておかないといけないわ。若いのだし、失敗した時に反省することが大事なのよ。
「おい!サラ!時間だ!途中でも切り上げろ!今から骨骨集団と戦闘なんだぞ」
「あら、ごめんなさい。今行きます」
ちょうど良いタイミングで父である社長が呼びに来てくれましたわ。
「では失礼いたします。お帰りは気をつけてくださいね」
「ま、待ってよ!貴女が一方的に話しただけで話は終わってないわ!」
「サラ~!早くお客様に帰ってもらいなさい!あと二分で転移魔法が発動するわよ!」
専務である母も会議室に来ました。手には私の装備一式を持っています。もう準備できる残り時間がわずかなので助かります。
「ありがとうございます。お母、じゃなくて専務。さあ、おふたりともお帰りくださいね。これから店ごと戦場に突入いたしますから。移動してからでは命の保証はできませんよ」
私は母から鎧とショートソードを受け取り装備をつけていきます。
「ね、ねえ、帰ろうよ。なんかオカシイよ。なんでこの人達、鎧着だしたのよ」
「ココまで来て引き返せないわ!彼の心は私のものよ!」
「おい!お嬢さん方よ!早く帰りな!足手まといだ!」
「サラ!お客さんを追い出しときなよ!」
「すみません。急にこんなことをして。嫌なら拒否してください」
「突然で驚きましたが、お見合いから交際をする意味は知っています。でも、会ったばかりなのに……」
「一緒に見た映画で『愛に時間は関係ない』という言葉がありました。私はレストランで仕事や趣味を生き生きと話す貴女をもっと見ていたいと思ったんです。そしてできれば恋人、いえ生涯の夫として独占したいとも。だから、ああ、これじゃあ束縛したいと言っているのと一緒だ」
私は嬉しくて涙が出てきた。この人と一緒になりたい。私も、彼と一緒にいたいと心から思っていることをはっきり自覚している。
「その言葉に『時間を重ねた愛は何よりも強い』と返事をしたんですよね。私も同じ気持ちです。結婚を前提にお付き合いをお願いします」
こうして本当の交際が始まって、この2か月後に婚約を結んだの。】
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「と、いうわけなんです。あの時は本当にびっくりしましたけど、あの時の感動は今でも忘れられません。あの人は仕事人間で仕事以外は何も興味がないと思っていたんですけど、彼も剣術を覚えて一緒にモンスターを退治してくれるようになりましたし、公私ともに背中を預けられる仲になりましたのよ。それに彼って想いが昂じると気持ちを秘めておけなくて、いままで私は三回もプロポーズされたんです!うふふっ! 私は彼のことが大好きですし、今も変わらず優しくて愛情を注いでくれるから彼も私が大好きなのを感じています。私は彼が浮気するなんて考えられませんもの。だから貴女がジェフリーの浮気相手とおっしゃられても困りますわ」
突然、アポイントも無しで私の会社に来られたお嬢さんとその御友人。お嬢さんがジェフェリーの真の恋人だと言うので、会社の会議室を借りてこうしてお話し合いをすることになりました。
「彼は貴女と別れたいとずっと言っているんです!どうか彼を開放してください!」と御友人と揃って頭を下げるので、私は見聞きし、感じたことをありのままお伝えしたのでした。
「……そんな……」
御友人の顔が青ざめています。お嬢さんが付き合っている『ジェフェリー』という男性と名前が同じで、お嬢さんと付き合っているジェフェリーと私の婚約者のジェフェリーが違う人だといち早く気づかれたのでしょうね。
勘違いは誰にでもあるとはいえ、強大な敵と戦う前にじっくり挑む相手を調べておかないと返り討ちにあうことも知らないのでしょう。モンスター退治は社会で渡り歩くための人間関係の構築に通ずるところが多くありますから、体育などで必須授業にしても良いとおもうのですけども……。
「貴女が真に愛する人が誰なのか、誰と付き合い、何を思っているのか、よく考えてください。貴女は、どうしたくて、何を思って、ここに来たのですか?私はこれ以上、お話しすることはありません。仕事もありますし、お引き取りください」
ここは年上としてしっかり世間の厳しさを教えておかないといけないわ。若いのだし、失敗した時に反省することが大事なのよ。
「おい!サラ!時間だ!途中でも切り上げろ!今から骨骨集団と戦闘なんだぞ」
「あら、ごめんなさい。今行きます」
ちょうど良いタイミングで父である社長が呼びに来てくれましたわ。
「では失礼いたします。お帰りは気をつけてくださいね」
「ま、待ってよ!貴女が一方的に話しただけで話は終わってないわ!」
「サラ~!早くお客様に帰ってもらいなさい!あと二分で転移魔法が発動するわよ!」
専務である母も会議室に来ました。手には私の装備一式を持っています。もう準備できる残り時間がわずかなので助かります。
「ありがとうございます。お母、じゃなくて専務。さあ、おふたりともお帰りくださいね。これから店ごと戦場に突入いたしますから。移動してからでは命の保証はできませんよ」
私は母から鎧とショートソードを受け取り装備をつけていきます。
「ね、ねえ、帰ろうよ。なんかオカシイよ。なんでこの人達、鎧着だしたのよ」
「ココまで来て引き返せないわ!彼の心は私のものよ!」
「おい!お嬢さん方よ!早く帰りな!足手まといだ!」
「サラ!お客さんを追い出しときなよ!」
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