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扉をあけて

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食事の後は自由時間である。院内からは出ることができないが、中庭なら歩いていくことが許されている。中庭には入院患者の憩いの場になっているのか大きな木の下にベンチが置かれていてその周りを花壇で囲われている。ベンチでは老女達がおしゃべりをしていた。

サリサはその光景を見て悲しそうな顔をした。
アンジュが気付いて話しかける。

「どうしたの?お腹がまだ痛いの?」

「いや、ばあちゃんのことを思い出してさ。こんなあたいだけどずっと庇ってくれてたんだ。元気にしてっかなってさ」

「きっと元気にしているんじゃないかな。サリサもおばあちゃんと早く会えるといいね」

アンジュとサリサが話している間、カメリアは自分の祖父母を思い出す。リンネのことはもう会いたいと思わないが、母側の祖母と祖父のギョクロンには会いたいと思う。彼のゲームで優勝したいと思っていたのにもう無理かもしれない。それにツキカゲやダリアのことも気がかりである。
だが、今は病院から逃げ出すことに専念しようと思った。

******

昼になるとすることもなく、新聞すらこの病院にはないため暇で仕方がない。
カメリアは自分のベッドに座ってステータス表を改めて確認することにした。
まず職業のところを見るが聖樹の巫女は昨日と代わりはなかった。もう一つの職業ヒーラーについて確認してみる。

「職業:ヒーラーとは怪我を癒す者。死神を払い、魂を身体に繋ぎ止めることが可能」

物語によく出てくる回復術師のような職業だと思った。次はスキルを詳しく見てみた。

「攻撃魔法(LV1)聖属性で敵を攻撃する。
 ーライトボール(単体・攻撃力小)」

「治癒促進(LV2)聖なる力で身体の持つ回復力を高め細胞の活性化を促す。新陳代謝が高まり、肉体が衰えることを防ぐ。
 ー解毒(単体)
 ー新陳代謝アップ(単体・効果小)」

「超再生能力(LV1)聖なる力で身体の持つ回復力を高め傷口を塞ぐことができる。また。欠損箇所も復元可能(LV5以上)。
 ーヒール(単体・効果小)」

「完全毒耐性(LV1)聖なる力で自分の毒異常を常時無効化する。」

「言語理解(LV1)異国の言葉を理解し話せるようになる」

「ホワイトドラゴン(LV-)光属性を持つ白竜に変身する。
 ー白炎(魔力を変換し、白い炎として吐き出すことができる)
 ーホーリーブレス(浄化の光線を放つ)
 ー天駆(空中に足場を作り、そこを移動することが出来る)
 ー飛行(空中に浮き上がることができ、飛ぶことも可能になる)」

カメリアは思わずガッツポーズをした。

(これはすごいですわ!これで空を飛んで逃げることができるもの。でもドラゴンに変身して元の人間に戻れるのかしら?こんな時、冒険に慣れているお母様がいてくだされば相談に乗ってくださるのに)

母は冒険者だがカメリアは男爵の娘として育ってきた。スキルさえ自分が持っている事を知らなかった彼女はなにが普通で、なにが特殊なのかすらよく分かっていなかった。

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