【完結】前提が間違っています

蛇姫

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転生悪役令嬢は乙女ゲームをしたことがない

勘違いは肯定される

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妃殿下とピンク頭の趣味嗜好について話し合った翌日から、ピンク頭………リリア・ローウェン子爵令嬢の姿を見かけなくなった。
学園に来なくなる理由には幾つかある。
一つ目は金銭的に支払いが不可能になった場合。この場合は噂にもなるので、私の耳に入らない様に徹底するのは不可能と言える。
二つ目は学園を強制退学になった場合。この場合は貴族であれ商家であれ、一つ目以上に噂になるので今回に限っては論外。
三つ目は婚姻した場合。この場合には、卒業を待たずに婚姻したという事になるので、貴族子女にとっては不名誉な……婚前交渉が疑われてしまう。それ以外となると不登校…………うん、これだ。

「ルナ、何か考え事?」
「…ええ、ヴォルフ様………最近とても静かだと思いましたので」
「……ああ、彼女のこと?」
「そうですわ……突然の不登校かしら?」

私は思い切って想像した中で最良の案を口にした。

「ん?………婚姻したんだよ、彼女」
「えっ………こん………えっ………」

(婚前交渉をしたと思われてしまうのに?)

「フフッ、婚姻は思い至らなかったの?」
「いいえ………ですが、在学中の婚姻は不名誉ですので」
「だから……秘密裏に婚姻したんだよ。発表は後日するみたい」

どういう経緯で婚姻に至ったのかは不明だけれど、彼女の趣味嗜好に寄り添える、理解ある方なら良いな。

「お相手をご存知ですの?」
「勿論……僕達が紹介した相手だからね」
「???」
「彼女……よく自分を虐めろと騒いでいたのを覚えているかな?」
「勿論ですわ…彼女の姿を見なくなった前日にも仰っていたもの」

ヴォルフ様は私の言葉を拾うように言葉を続けた。

「僕も…傍で聞くことが多かった例の台詞を思い返して分かったんだよ、彼女は僕達を怒らせたかったのでは……とね」
「…………迷惑ですわ」
「そうだよね、其処なんだよ」
「???」
「彼女の言葉や行動を迷惑だと感じるから不快なのであって、迷惑だと感じない者なら話は違ってくる」
「!!」

(確かに……迷惑だと相手が思わなければ、迷惑にはならない)

だからと言って、昨日の今日で見つけられる相手だとは思えないけれど、其処は人脈とか……色々あるのだろう。

「その方はアレが迷惑ではありませんの?」
「ああいう感じの子が好みらしくてね……以前にも紹介したことがあるんだよ。その時は…まだ子供だったけれど」
「…………………」

(誰が?……ヴォルフ様が?それとも紹介した子が?)

「僕が子供だったんだよ」
「その頃からのお付き合いがある方ですの?」
「そうだよ………とても変わった人だけれど、好みでは無い相手には優しく穏やかな人だから……心配しないで?」

待って……逆に心配になってきた。好みの人には優しくないの?
それって……ピンク頭は大丈夫なの?

「ルナ、彼女の趣味嗜好を姉さんから聞いたよね?」
「伺いましたわ」
「………彼と彼女は趣味嗜好がピッタリ合うんだよ」
「!!」

…奥が深い。虐められたいピンク頭には、虐めたい人が良いのか。
考えすぎるのは私の悪い癖かも知れない。
これで安心して学園生活を送ることが出来ると思えばいいか。

「そういえば……その方は他国の方ですの?」
「………どうして?」
「彼女……母国語以外を話せるとは思えませんもの」
「大丈夫だよ、彼は話せるから」
「………賢い方ですのね」
「外交を担っているからね……彼」

外交官なら話せる可能性もあるのか……けれど、あのピンク頭は母国語すら通じないこともあったような……。
いや、通じないことの方が圧倒的に多かった気がする。

「…………母国語も通じませんでしたわ………彼女」
「そういう相手が好みなのだそうだよ?」
「成る程………深いですわね」
「底無し沼だからね……ルナが入ったら…僕が彼の役を担うよ」
「入りませんわ!」
「そう?…………残念」


私には全く理解出来ない世界ですけれど、思えば……ピンク頭の話は理解できないことが多かった気がする。
最初から自分の趣味だと言ってくだされば、もっと迅速な行動が出来たのでしょうけれど、生憎と私には貴女の心を満たせる誰かをご用意することは叶わなかったことでしょう。
妃殿下には感謝してもしきれません。

お互いに幸せになりましょうね!リリア様!
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