4 / 4
鞠姫の最期
しおりを挟む
昨日で16歳になった。
この家に輿入れして2年…本当に幸せばかりだった。
鞠姫は静かに回想する。
14歳の時、次期当主の正室に迎えられた。
婚儀で初めて見る夫の横顔は、凛々しかった。
新枕の儀は緊張ばかりだった。
何も分からず、真っ白な夜具をするすると脱がされていった。秘所を愛撫される初めての感覚…脚を開き、全てを委ねるばかりだった。男性器は大きく力強く、私の秘穴を広げていく。一度つっかえるような感じがして、その後に一気に貫かれた。全身に走った痛みと衝撃…。
夫君はしばらく後、私の中に子種を注いで果てた。
お腹の中に熱く広がる感覚が愛おしかった。
夜具に桃色の液がつき、大人の女性になった実感が急に広がった。
来る日も、夫君は私を愛してくれた。
私も求め合った。世継ぎを宿すため、子種を受け入れ続けた。身ごもったのは、15歳も終わりに近づいた頃だった。徐々にふくらむ腹部を撫でながら、未知の出産へと期待を膨らませてきた。
やっと、いま産み月に入った。ぱんぱんに膨らんだ臨月の腹。ただ…私は出産の痛みを知ることはない。これから夫君とともに、死ななければならない。
「それでは、始めよ!」
検視役の侍が声をあげた。
夫君は、敵方に内通の疑いをかけられた。
真偽はわからない。ただ、強大な同盟国の怒りをかい、夫婦での切腹を申し付けられたのだった。
夫君は、従容と切腹に臨む。
短刀を静かに抜き、懐紙で包んだ。そうして、三方にそっと置く。続いて、白装束の前をゆっくりと広げ、腹を露出させた。なで回し、呼吸を整えていく。
短刀を手にとった。鞠姫の胸が高鳴る。涙が溢れた。
気合いとともに、左腹に突き立てた。そのまま、右へ裂いていく。見ていられず、顔を伏せた。
気合いとともに介錯の刀が振るわれた。
血を吹き出し、夫君は事切れた。
さぁ、私の番だ。
鞠姫は切腹の座へ進み、ゆっくりと座った。
夫君のように、刀を懐紙で包んでいく。
白装束の前を広げると、大きな腹部が露になった。
名残惜しくなで回す。
いざ、夫君の元へ…。
短刀を突き立てると焼けるような痛みが襲った。
気合いを入れて腹を裂いていくが、うまく切れない。
吹き出す血液。「もう切ってください」
介錯に頼み、首を前へ。衝撃とともに、永遠の暗闇が訪れた。
この家に輿入れして2年…本当に幸せばかりだった。
鞠姫は静かに回想する。
14歳の時、次期当主の正室に迎えられた。
婚儀で初めて見る夫の横顔は、凛々しかった。
新枕の儀は緊張ばかりだった。
何も分からず、真っ白な夜具をするすると脱がされていった。秘所を愛撫される初めての感覚…脚を開き、全てを委ねるばかりだった。男性器は大きく力強く、私の秘穴を広げていく。一度つっかえるような感じがして、その後に一気に貫かれた。全身に走った痛みと衝撃…。
夫君はしばらく後、私の中に子種を注いで果てた。
お腹の中に熱く広がる感覚が愛おしかった。
夜具に桃色の液がつき、大人の女性になった実感が急に広がった。
来る日も、夫君は私を愛してくれた。
私も求め合った。世継ぎを宿すため、子種を受け入れ続けた。身ごもったのは、15歳も終わりに近づいた頃だった。徐々にふくらむ腹部を撫でながら、未知の出産へと期待を膨らませてきた。
やっと、いま産み月に入った。ぱんぱんに膨らんだ臨月の腹。ただ…私は出産の痛みを知ることはない。これから夫君とともに、死ななければならない。
「それでは、始めよ!」
検視役の侍が声をあげた。
夫君は、敵方に内通の疑いをかけられた。
真偽はわからない。ただ、強大な同盟国の怒りをかい、夫婦での切腹を申し付けられたのだった。
夫君は、従容と切腹に臨む。
短刀を静かに抜き、懐紙で包んだ。そうして、三方にそっと置く。続いて、白装束の前をゆっくりと広げ、腹を露出させた。なで回し、呼吸を整えていく。
短刀を手にとった。鞠姫の胸が高鳴る。涙が溢れた。
気合いとともに、左腹に突き立てた。そのまま、右へ裂いていく。見ていられず、顔を伏せた。
気合いとともに介錯の刀が振るわれた。
血を吹き出し、夫君は事切れた。
さぁ、私の番だ。
鞠姫は切腹の座へ進み、ゆっくりと座った。
夫君のように、刀を懐紙で包んでいく。
白装束の前を広げると、大きな腹部が露になった。
名残惜しくなで回す。
いざ、夫君の元へ…。
短刀を突き立てると焼けるような痛みが襲った。
気合いを入れて腹を裂いていくが、うまく切れない。
吹き出す血液。「もう切ってください」
介錯に頼み、首を前へ。衝撃とともに、永遠の暗闇が訪れた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる