詩未満

奥田たすく

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 鉄製で パステルカラーに塗られた部分
 安っぽい色としっかりした重さ
 カーペット
 四角い部屋


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 黒い油との境界線は
 ひどく すべらかで
 美しい気がしている

 あの触り心地を欲している

 言語外の言語が
 あの日を映し出すように
 君の言葉だけが
 私を描く

 甘さはすぐに消えて
 それだけ 欲していたことに気づく

 あの日 なんて実は存在しない

 言語外の言語が
 上手く言葉にならなくて
 吐き気になる

 首元で泡立つ
 叫びになる

 (体の中に詰まってる)

 
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