10 / 17
第一章 男装姫は孤高の王の夢を視る
第九話 蔵の記憶
しおりを挟む
久遠が覚えている最初の記憶は、真っ暗闇に包まれた狭い蔵の中のことである。
今思い起こしてみれば、久遠が嵐を恐れるようになったのは、その頃の記憶が原因かもしれない。
昼なのか夜なのかも分からない、闇に包まれた蔵の中。
時を教えてくれるのは、天井近くにある小さな明かり採りから差す朝日だけ。
真っ暗な蔵の外では何事もなかったように時が流れているのだということを、久遠はその光を見て知った。
久遠のほかには、蔵の中には誰もいない。
なぜ自分だけがこんなところに閉じ込められているのか。
自分は何者なのか。名はなんなのか。
これからどうすればいいのか。
誰も教えてくれない、何も分からない。
恐怖と空腹に怯えながら耐え、何日か経ったある日のこと――蔵の外で、風が大きく音を立てて吹き始めた。そう時を置かず、激しい雨も降り始める。
外の世界を知らないはずなのに、なぜだか久遠には、それが嵐なのだと分かった。
蔵の壁が、風にギシギシと音を立てながら揺れる。久遠の背中には、激しく雨粒が打ち付けられる振動が伝わってくる。
久遠はただ恐怖に泣き叫び、体を小さく丸めて嵐が通り過ぎるのを待った。
嵐の翌朝――涙で目を腫らした久遠の肩を、何者かが力いっぱい掴んだ。驚いて顔を上げると、髪に白いものが混じった初老の男性が目の前にいた。
『早く起きろ』
『あなたは誰……?』
『……記憶は、残っていないのだな?』
『記憶? 何も』
『私はお前の祖父だ。お前の名は、今日から十六夜久遠。分かったか?』
そんな言葉を交わしたあと、粗末な男物の服を手渡された。
『お前は男だ、男として生きていけ』――そう言われ、男装を強いられた。口調や振る舞いが男らしく見えるまで、蔵から一歩も外に出さないと告げられた。
かすかな記憶の中で、久遠は自分が女であると知っていた。が、祖父を名乗るこの男に抵抗すれば、久遠に前途はない。
男装し、堂々と日の光の下を歩かせてもらえるようになったのは、七、八歳くらいの頃だったと思う。もっとも、自分の年が本当にその歳なのかどうかも、確かめようがなかった。
あの時、祖父の言うことを聞かず、蔵から出られなかったとしたら……今頃、どうなっていただろうかと思う。
自分は男だ。そう信じ込んだ。そうしなければ、再び蔵に戻される。
だから、なぜ女として生きることを許されなかったのか、祖父や父に尋ねることはできなかった。もう二度と、あの暗くて孤独な蔵には戻りたくないからだ。
「うっ……」
過去の辛い記憶のせいで、久遠の口から嗚咽が漏れた。
今、燦の寝室も、蔵の中と同じく闇に包まれている。
あの時と違うのは、背中に感じる、燦の温もりだ。
――一筋の光が走って、消えた。
一瞬のことだ。稲妻のようでもあり、剣の太刀筋のようでもある、一本の光。
その光が消えたあと、久遠の目の前にぼんやりと浮かんだのは、美しい領巾をなびかせた髪の長い女の横顔だった。どことなく懐かしい、その女に会ったことがある。そう感じた。
(振り向いて、こちらを見て)
その女が誰なのか、確かめねばならないと思った。
しかし、声が出ない。喉から絞り出そうとするが、息が詰まるばかりである。
ふと、その女の胸元が光った。眩しさに、思わず目を背ける。光に手をかざして眩しさを避けながら、久遠は彼女のほうに走った。
地を蹴ろうとするが上手くいかない。まるで水の中を進むような感覚で、いつまで経っても女には近付けない。
周りには白い靄。少しずつ広がる靄に包まれ、女の姿は見えなくなった。
唯一最後まで見えたのは、女が胸元に抱く、月、だった――。
翌朝。久遠が心地よい温もりに身を任せて微睡んでいると、突然額に鋭い痛みが走った。
「……痛ッ!」
「おい、そろそろ起きろ」
「え? あれ?」
見慣れない天井に驚いて、久遠は飛び起きた。寝台の上、隣には横たわったまま肘を突き、久遠を睨みつける燦の顔がある。
「うわっ、燦様!」
「お前に夢見を頼んだのは俺だが、仮にも王の寝室でくつろぎすぎじゃないか? 主よりも寝坊した上、いびきまでかくとは」
「いびき!?」
あまりに驚いて、声がひっくり返る。確かに昨晩、久遠は燦の夢見をしようと手を握った。寝惚けた燦に引っ張られ、寝台に横になったのは覚えている。
背中の温もりが心地よくて、そのまますっかり眠ってしまったのだ。
(夢見の結果……どうだったっけ)
花緒の時と同様、はっきりと燦の夢が見えたわけではない。夢に出てきた女が誰なのか、確かめることもできなかった。
(でも、あの人が燦様の后になる人……)
一筋の光が走り、その後に現れた一人の女。
彼女が胸に抱えていたのは――月、だ。
もちろん、実際に抱えていたのは月ではなく、ただの光であったのだが――なぜか久遠の心の中には、「あの光は月だ」という言葉が浮かんだ。
夢見の結果を、そのまま燦に伝える。燦は一通り久遠の話を聞くと、真剣な顔をして寝台の上にあぐらをかいた。
「……月を胸に抱く女?」
「はい」
「月を抱くとは、どういう意味だ?」
「僕もよく分からないんです。ぼんやりと光る何かで、でも僕はそれをはっきりと月だと感じました。夢の中なので、現世とは少し見え方が違うのです」
こんな説明で伝わるのだろうか。不安に思いながら燦を見つめていると、彼は久遠の肩に手を置いた。
「月を胸に抱く者と言われても、具体的にどの姫のことを指しているのかは分からんが、むしろこの結果は都合がいい」
「都合がいい?」
「ああ。久遠、よくやった」
思いがけず褒められて、久遠は頬を染める。
(僕の夢見で王の役に立てた……のかな?)
どの姫のことを指しているのか分からないほうが、都合がいい? どういう意味だろう。
ぼんやりしている久遠を寝台に残したまま、燦は立ち上がって伸びをする。昨晩脱いだ袍を手にとったところで、部屋の外を走る小さな足音が近付いて来た。
朝日が差し込む連子窓の向こうからちょこんと覗いたのは、子どもの影だ。
「霖か?」
「はい! 兄さま!」
元気な返事に続いて、戸が開く。そして、燦の胸に一人の少年が飛び込んできた。
「燦兄さま、おはようございます!」
「おはよう、霖。よく眠れたか?」
「はい!」
燦に抱き上げられたのは、目がくりっと丸く可愛い男の子だ。年は五、六歳といったところか。日紫喜家には前王である耀、新王の燦、更にその下に霖という名の弟がいるというのは、父から聞いて知っていた。
「ねえ、兄さま。この人、誰?」
霖が、久遠を指差して燦に問う。久遠は急いで寝台から下りると、髪を整えながら霖に向かって頭を下げた。
「霖様。僕は十六夜久遠と申します。今日は燦様の夢見に参りまし――」
「うーん、なんだかひょろひょろしてて、兄さまとはちがうな。花緒姉さまみたい」
「霖様!? 僕はれっきとした男ですよ。花緒様と比べてもらえるのは嬉しいですが」
「ふうん。ねえ、兄さま! みんなが兄さまをまっています。夢見のお話を聞きたいんだって」
「こんな朝早くから、もう皆が集まったのか。すぐに行く。皆に伝えてくれ」
「はい、兄さま!」
燦の腕から下りると、霖は間髪入れず部屋を飛び出していく。無邪気で可愛らしい。久遠の甥っ子たちとは大違いだと思ったが、口にするのは止めておいた。
「久遠、行くか。夢見の結果を聞きたくてうずうずしている当主様たちがお待ちかねだ」
「はい、すぐに準備します。あの……燦様、夢見の結果はどのようにお伝えになるのですか?」
「お前から聞いた通り、そのまま伝えるが」
「でも、結局どの方を后となさるのかはっきりしないですし……」
「心配するな。着替えが終わったらお前も来い。ああ、身支度をするなら隣の部屋を使ってくれて構わない。姿見がある」
「あっ、はい!」
着替えを燦に見られずにすみそうで、久遠は胸を撫でおろした。
今思い起こしてみれば、久遠が嵐を恐れるようになったのは、その頃の記憶が原因かもしれない。
昼なのか夜なのかも分からない、闇に包まれた蔵の中。
時を教えてくれるのは、天井近くにある小さな明かり採りから差す朝日だけ。
真っ暗な蔵の外では何事もなかったように時が流れているのだということを、久遠はその光を見て知った。
久遠のほかには、蔵の中には誰もいない。
なぜ自分だけがこんなところに閉じ込められているのか。
自分は何者なのか。名はなんなのか。
これからどうすればいいのか。
誰も教えてくれない、何も分からない。
恐怖と空腹に怯えながら耐え、何日か経ったある日のこと――蔵の外で、風が大きく音を立てて吹き始めた。そう時を置かず、激しい雨も降り始める。
外の世界を知らないはずなのに、なぜだか久遠には、それが嵐なのだと分かった。
蔵の壁が、風にギシギシと音を立てながら揺れる。久遠の背中には、激しく雨粒が打ち付けられる振動が伝わってくる。
久遠はただ恐怖に泣き叫び、体を小さく丸めて嵐が通り過ぎるのを待った。
嵐の翌朝――涙で目を腫らした久遠の肩を、何者かが力いっぱい掴んだ。驚いて顔を上げると、髪に白いものが混じった初老の男性が目の前にいた。
『早く起きろ』
『あなたは誰……?』
『……記憶は、残っていないのだな?』
『記憶? 何も』
『私はお前の祖父だ。お前の名は、今日から十六夜久遠。分かったか?』
そんな言葉を交わしたあと、粗末な男物の服を手渡された。
『お前は男だ、男として生きていけ』――そう言われ、男装を強いられた。口調や振る舞いが男らしく見えるまで、蔵から一歩も外に出さないと告げられた。
かすかな記憶の中で、久遠は自分が女であると知っていた。が、祖父を名乗るこの男に抵抗すれば、久遠に前途はない。
男装し、堂々と日の光の下を歩かせてもらえるようになったのは、七、八歳くらいの頃だったと思う。もっとも、自分の年が本当にその歳なのかどうかも、確かめようがなかった。
あの時、祖父の言うことを聞かず、蔵から出られなかったとしたら……今頃、どうなっていただろうかと思う。
自分は男だ。そう信じ込んだ。そうしなければ、再び蔵に戻される。
だから、なぜ女として生きることを許されなかったのか、祖父や父に尋ねることはできなかった。もう二度と、あの暗くて孤独な蔵には戻りたくないからだ。
「うっ……」
過去の辛い記憶のせいで、久遠の口から嗚咽が漏れた。
今、燦の寝室も、蔵の中と同じく闇に包まれている。
あの時と違うのは、背中に感じる、燦の温もりだ。
――一筋の光が走って、消えた。
一瞬のことだ。稲妻のようでもあり、剣の太刀筋のようでもある、一本の光。
その光が消えたあと、久遠の目の前にぼんやりと浮かんだのは、美しい領巾をなびかせた髪の長い女の横顔だった。どことなく懐かしい、その女に会ったことがある。そう感じた。
(振り向いて、こちらを見て)
その女が誰なのか、確かめねばならないと思った。
しかし、声が出ない。喉から絞り出そうとするが、息が詰まるばかりである。
ふと、その女の胸元が光った。眩しさに、思わず目を背ける。光に手をかざして眩しさを避けながら、久遠は彼女のほうに走った。
地を蹴ろうとするが上手くいかない。まるで水の中を進むような感覚で、いつまで経っても女には近付けない。
周りには白い靄。少しずつ広がる靄に包まれ、女の姿は見えなくなった。
唯一最後まで見えたのは、女が胸元に抱く、月、だった――。
翌朝。久遠が心地よい温もりに身を任せて微睡んでいると、突然額に鋭い痛みが走った。
「……痛ッ!」
「おい、そろそろ起きろ」
「え? あれ?」
見慣れない天井に驚いて、久遠は飛び起きた。寝台の上、隣には横たわったまま肘を突き、久遠を睨みつける燦の顔がある。
「うわっ、燦様!」
「お前に夢見を頼んだのは俺だが、仮にも王の寝室でくつろぎすぎじゃないか? 主よりも寝坊した上、いびきまでかくとは」
「いびき!?」
あまりに驚いて、声がひっくり返る。確かに昨晩、久遠は燦の夢見をしようと手を握った。寝惚けた燦に引っ張られ、寝台に横になったのは覚えている。
背中の温もりが心地よくて、そのまますっかり眠ってしまったのだ。
(夢見の結果……どうだったっけ)
花緒の時と同様、はっきりと燦の夢が見えたわけではない。夢に出てきた女が誰なのか、確かめることもできなかった。
(でも、あの人が燦様の后になる人……)
一筋の光が走り、その後に現れた一人の女。
彼女が胸に抱えていたのは――月、だ。
もちろん、実際に抱えていたのは月ではなく、ただの光であったのだが――なぜか久遠の心の中には、「あの光は月だ」という言葉が浮かんだ。
夢見の結果を、そのまま燦に伝える。燦は一通り久遠の話を聞くと、真剣な顔をして寝台の上にあぐらをかいた。
「……月を胸に抱く女?」
「はい」
「月を抱くとは、どういう意味だ?」
「僕もよく分からないんです。ぼんやりと光る何かで、でも僕はそれをはっきりと月だと感じました。夢の中なので、現世とは少し見え方が違うのです」
こんな説明で伝わるのだろうか。不安に思いながら燦を見つめていると、彼は久遠の肩に手を置いた。
「月を胸に抱く者と言われても、具体的にどの姫のことを指しているのかは分からんが、むしろこの結果は都合がいい」
「都合がいい?」
「ああ。久遠、よくやった」
思いがけず褒められて、久遠は頬を染める。
(僕の夢見で王の役に立てた……のかな?)
どの姫のことを指しているのか分からないほうが、都合がいい? どういう意味だろう。
ぼんやりしている久遠を寝台に残したまま、燦は立ち上がって伸びをする。昨晩脱いだ袍を手にとったところで、部屋の外を走る小さな足音が近付いて来た。
朝日が差し込む連子窓の向こうからちょこんと覗いたのは、子どもの影だ。
「霖か?」
「はい! 兄さま!」
元気な返事に続いて、戸が開く。そして、燦の胸に一人の少年が飛び込んできた。
「燦兄さま、おはようございます!」
「おはよう、霖。よく眠れたか?」
「はい!」
燦に抱き上げられたのは、目がくりっと丸く可愛い男の子だ。年は五、六歳といったところか。日紫喜家には前王である耀、新王の燦、更にその下に霖という名の弟がいるというのは、父から聞いて知っていた。
「ねえ、兄さま。この人、誰?」
霖が、久遠を指差して燦に問う。久遠は急いで寝台から下りると、髪を整えながら霖に向かって頭を下げた。
「霖様。僕は十六夜久遠と申します。今日は燦様の夢見に参りまし――」
「うーん、なんだかひょろひょろしてて、兄さまとはちがうな。花緒姉さまみたい」
「霖様!? 僕はれっきとした男ですよ。花緒様と比べてもらえるのは嬉しいですが」
「ふうん。ねえ、兄さま! みんなが兄さまをまっています。夢見のお話を聞きたいんだって」
「こんな朝早くから、もう皆が集まったのか。すぐに行く。皆に伝えてくれ」
「はい、兄さま!」
燦の腕から下りると、霖は間髪入れず部屋を飛び出していく。無邪気で可愛らしい。久遠の甥っ子たちとは大違いだと思ったが、口にするのは止めておいた。
「久遠、行くか。夢見の結果を聞きたくてうずうずしている当主様たちがお待ちかねだ」
「はい、すぐに準備します。あの……燦様、夢見の結果はどのようにお伝えになるのですか?」
「お前から聞いた通り、そのまま伝えるが」
「でも、結局どの方を后となさるのかはっきりしないですし……」
「心配するな。着替えが終わったらお前も来い。ああ、身支度をするなら隣の部屋を使ってくれて構わない。姿見がある」
「あっ、はい!」
着替えを燦に見られずにすみそうで、久遠は胸を撫でおろした。
1
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』
鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。
だからこそ転生後に誓った――
「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。
気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。
「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」
――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。
なぜか気づけば、
・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変
・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功
・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす
・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末
「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」
自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、
“やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。
一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、
実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。
「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」
働かないつもりだった貴族夫人が、
自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。
これは、
何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる