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第三章 男装姫は言えない秘密を抱く
第二十一話 近付く二人
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虫の声が響いている。
燦はいつものように湯浴みを終えると、寝台の上でごろりと休みながら、久遠が雑務を進めるのを眺めていた。
(僕のこと見すぎだよ……)
燦の衣を掛けてととのえ、茶を淹れるための湯を沸かし、その日の文を整理する。
燦は何が楽しいのか、忙しなく動き回る久遠の一挙手一投足を、舐めるように見ている。気にしないでおこうと思っても、見られていると思うとつい緊張してしまう。
特に今日は、父が久遠を燦の后にする……などという話を立ち聞きしたばかりだ。
(花緒様を消すという父の話を、燦様にも報告すべきだよな?)
父の思い付きの案のようだったし、それを口にした瞬間に祖父が否定していた。だから、今すぐに花緒に危険が及ぶというわけではないだろう。
しかしここで静観して、花緒に何かあってからでは遅い。
燦にどう伝えようかと思案しているうちに、湯が沸いた。久遠のような身分の者にはあまり馴染みがないが、五主家のような高貴な家では、寝る前に茶を飲むことが多いという。
すり鉢で茶葉を細かくして、湯を注ぐ。
まだ茶の用意に慣れない久遠は、熱い茶器に指先で触れてしまい、あまりの熱さに飛び上がった。
「熱ッ!」
「久遠? 大丈夫か!」
燦は慌てて寝台から下り、久遠の手首を掴む。赤くなった指先を、傍にあった水碗に浸けた。
「すみません、少し触っただけなので大事ありません」
「……心ここにあらず、だな」
燦は久遠の手首を握ったまま、何かを探るように顔を近付けてくる。
鼻と鼻がぶつかりそうなほどに、燦の顔が近い。気恥ずかしくなった久遠は、小さく声を絞り出した。
「燦様。今日の合議では、花緒様を后にという話になりましたが、燦様は本当にそれでよろしいのですか……?」
思いのほか震えている自分の声に気が付いて、久遠は燦から視線を逸らした。
「今日一日、そんなことを気にしていたのか?」
「だって、まだ燦様のお母様のこともはっきりしていないのに」
「俺は、花緒を娶る気はない」
「では、なぜ合議の場で何も仰らなかったのですか?」
「あの場で何か言っても、時の無駄だ。聞き流せばいい」
「でも……祭祀の時に后が不在だったから、あれだけの大嵐が起こったのですよ。何もしないわけには……」
「はっ、馬鹿馬鹿しい」
燦は声を上げて笑う。
そして手巾を広げ、その上に濡れた久遠の手を置いて、ぎゅっと握りしめた。
「久遠。嵐が起こったのは偶然で、天の怒りなどではない」
「なぜ、そんなことが分かるのですか」
「分かるさ。試しに、お前が花緒の衣を着て、もう一度祭祀をしてみればいい。嵐なんて起こりはしない」
「僕が? 燦様の后ではないどころか……男ですが?」
「言っただろう? 天は誰が祭祀に臨もうと構わない。花緒が祭祀に出たことと、大嵐は関わりのないこと。さあ、久遠。花緒に頼んで祭祀の衣を借りてこい」
燦は久遠の肩をぽんと叩くと、さっさと立ち上がって寝台の上に戻る。
(本当に、試す気なのか? 僕が、花緒様の衣を着て……?)
◇
誰もいない天禄殿前の広場には、夜の秋風が吹きすさぶ。
風は冷たいはずなのに、頬が妙に火照って熱い。
(燦様の前で、女の格好をすることになるなんて……)
久遠は人目を忍び、誰にも見られないように小走りで天禄殿の階段に向かった。
先ほど燦は、「祭祀の日の嵐は偶然で、天の怒りではない」と言った。久遠がそれを疑ったので、燦はムキになり、もう一度祭祀を試してみようと言い始めた。
后の代理として、今度は花緒ではなく、久遠が天に玉花を捧げる。
もしもあの嵐が本当に天の怒りだったのなら、久遠が祭壇に玉花を供えた瞬間、再び大嵐が起こるはずだ。
久遠は強く反対したが、燦は聞き入れなかった。
それどころか、久遠が渋っているうちに、自ら部屋を出て、花緒の衣一式を持ち帰ってきた。そこでようやく久遠は観念した。
燦を止めても無駄だ。
こうと決めたら、誰が何を言っても聞かない相手である。
先日花緒に着付けてもらった通り、見様見真似で祭祀の衣装を身に着けた。正しく着られているか分からず、鏡の前で頭を抱えているところに、花緒が手伝いに来てくれた。
衣を身に付けたら、今度は化粧だ。
ずっと男として生きてきた久遠にとって、化粧をするのはもちろん初めてのこと。
目を閉じて、されるがままに身を任せる。
花緒の「終わったわ」という声に、恐る恐る目を開けて――鏡に映った自分の顔を見た。
久遠はその時のことを、一生忘れないと思う。
祖父から男装を強いられ、自分が女であることをひた隠しにして生きてきた久遠の、初めての女としての顔だった。
燦の前に、女の成りをして出るのは初めてだ。
……いや。
燦の前どころか、自分でも女の姿は見慣れない。
鏡に映った自分の姿を見ただけで涙がこぼれそうなのに、この格好で祭祀の真似事などできるのだろうか。
「燦様」
天禄殿で待つ燦に、うしろから声をかける。
待ちくたびれて退屈していた燦は、振り返って久遠の姿を見ると、目を見開いた。
「……驚いた。本当に女みたいだな」
「そう……でしょうか」
恥ずかしい。目を合わせられずにいると、燦が久遠の目の前に立った。
顎に手を添えて、上を向かせる。
「……元々、男にしては華奢だと思っていた。化粧は誰が?」
「化粧は、花緒様がやってくださいました。衣は自分で着付けました。下手くそすぎて、偽物の后であることを天に見咎められるかもしれません」
「何度も言わせるな。嵐が起こったのは偶然だ。今からその証を見せよう」
燦はニヤリと笑うと、久遠の胸に玉花を押し付けた。そして自分はさっさと祭壇の前に進む。
昨日は和暮家の当主が読んだ祝詞を、燦が自ら読んだ。四方に拝礼して玉花を頭上に掲げた後、それを祭壇に置く。
「次は久遠だ」
燦は久遠に手を差し出す。昨日、花緒にも同じように手を添えていただろうか。思い出せない。
久遠は領巾や裙を踏まないよう、慎重に一歩ずつ祭壇に歩いた。
もしも嵐が起こったら。そう考えると、足が震える。
久遠が嵐を恐れていることを、燦は知らない。今にもくずおれてしまいそうなほど足を震わせながら、久遠は玉花を胸に抱いた。
燦の真似をして、四方に拝礼する。
「燦様……次は、どうしたらいいですか」
振り向くと、燦は久遠の背後から、久遠の腕に手を添える。後ろから抱擁されたような形になり、久遠の心の臓が飛び跳ねた。
「玉花の持ち方は、こうだ」
「ひっ」
「俺が腕を動かしてやるから、力を抜いておけ」
「は、はい」
燦によって持ち上げられた久遠の腕が、玉花を頭上に掲げる。そして茎の根本を祭壇側に向けて、ゆっくりとその上に置いた。
「これで終わりだ、久遠」
「終わった……! そうだ、嵐は?」
天禄殿の戸まで走り、空を見上げる。雲はない。
遠くの空を見渡しても、嵐をもたらすような黒雲は一つも見えなかった。
辺りはむしろ、風一つなく、静かで穏やかな空気に包まれている。
「何もない……本当に、嵐は起こらなかった」
「俺の言った通りだろう?」
「はい、良かったです。嵐が起こった時のために、都の民に向けて触書も出していませんでしたし――」
と、久遠が言ったその時。
無風だった天禄殿に、突然ぴゅうっと風が通った。
久遠が肩に掛けていた領巾が宙に舞う。慌てて手を伸ばすと、久遠は足を滑らせて階段から転げ落ちた。
「危ない!」
数段の階段をずり落ち、地面に落ちる――そう思って身構えたのに、久遠の体はどこも痛くない。
目を開けると、久遠の体は燦に抱きかかえられていた。燦が久遠を守るようにして、地面に倒れて下敷きになったらしい。
「燦様……!」
燦はいつものように湯浴みを終えると、寝台の上でごろりと休みながら、久遠が雑務を進めるのを眺めていた。
(僕のこと見すぎだよ……)
燦の衣を掛けてととのえ、茶を淹れるための湯を沸かし、その日の文を整理する。
燦は何が楽しいのか、忙しなく動き回る久遠の一挙手一投足を、舐めるように見ている。気にしないでおこうと思っても、見られていると思うとつい緊張してしまう。
特に今日は、父が久遠を燦の后にする……などという話を立ち聞きしたばかりだ。
(花緒様を消すという父の話を、燦様にも報告すべきだよな?)
父の思い付きの案のようだったし、それを口にした瞬間に祖父が否定していた。だから、今すぐに花緒に危険が及ぶというわけではないだろう。
しかしここで静観して、花緒に何かあってからでは遅い。
燦にどう伝えようかと思案しているうちに、湯が沸いた。久遠のような身分の者にはあまり馴染みがないが、五主家のような高貴な家では、寝る前に茶を飲むことが多いという。
すり鉢で茶葉を細かくして、湯を注ぐ。
まだ茶の用意に慣れない久遠は、熱い茶器に指先で触れてしまい、あまりの熱さに飛び上がった。
「熱ッ!」
「久遠? 大丈夫か!」
燦は慌てて寝台から下り、久遠の手首を掴む。赤くなった指先を、傍にあった水碗に浸けた。
「すみません、少し触っただけなので大事ありません」
「……心ここにあらず、だな」
燦は久遠の手首を握ったまま、何かを探るように顔を近付けてくる。
鼻と鼻がぶつかりそうなほどに、燦の顔が近い。気恥ずかしくなった久遠は、小さく声を絞り出した。
「燦様。今日の合議では、花緒様を后にという話になりましたが、燦様は本当にそれでよろしいのですか……?」
思いのほか震えている自分の声に気が付いて、久遠は燦から視線を逸らした。
「今日一日、そんなことを気にしていたのか?」
「だって、まだ燦様のお母様のこともはっきりしていないのに」
「俺は、花緒を娶る気はない」
「では、なぜ合議の場で何も仰らなかったのですか?」
「あの場で何か言っても、時の無駄だ。聞き流せばいい」
「でも……祭祀の時に后が不在だったから、あれだけの大嵐が起こったのですよ。何もしないわけには……」
「はっ、馬鹿馬鹿しい」
燦は声を上げて笑う。
そして手巾を広げ、その上に濡れた久遠の手を置いて、ぎゅっと握りしめた。
「久遠。嵐が起こったのは偶然で、天の怒りなどではない」
「なぜ、そんなことが分かるのですか」
「分かるさ。試しに、お前が花緒の衣を着て、もう一度祭祀をしてみればいい。嵐なんて起こりはしない」
「僕が? 燦様の后ではないどころか……男ですが?」
「言っただろう? 天は誰が祭祀に臨もうと構わない。花緒が祭祀に出たことと、大嵐は関わりのないこと。さあ、久遠。花緒に頼んで祭祀の衣を借りてこい」
燦は久遠の肩をぽんと叩くと、さっさと立ち上がって寝台の上に戻る。
(本当に、試す気なのか? 僕が、花緒様の衣を着て……?)
◇
誰もいない天禄殿前の広場には、夜の秋風が吹きすさぶ。
風は冷たいはずなのに、頬が妙に火照って熱い。
(燦様の前で、女の格好をすることになるなんて……)
久遠は人目を忍び、誰にも見られないように小走りで天禄殿の階段に向かった。
先ほど燦は、「祭祀の日の嵐は偶然で、天の怒りではない」と言った。久遠がそれを疑ったので、燦はムキになり、もう一度祭祀を試してみようと言い始めた。
后の代理として、今度は花緒ではなく、久遠が天に玉花を捧げる。
もしもあの嵐が本当に天の怒りだったのなら、久遠が祭壇に玉花を供えた瞬間、再び大嵐が起こるはずだ。
久遠は強く反対したが、燦は聞き入れなかった。
それどころか、久遠が渋っているうちに、自ら部屋を出て、花緒の衣一式を持ち帰ってきた。そこでようやく久遠は観念した。
燦を止めても無駄だ。
こうと決めたら、誰が何を言っても聞かない相手である。
先日花緒に着付けてもらった通り、見様見真似で祭祀の衣装を身に着けた。正しく着られているか分からず、鏡の前で頭を抱えているところに、花緒が手伝いに来てくれた。
衣を身に付けたら、今度は化粧だ。
ずっと男として生きてきた久遠にとって、化粧をするのはもちろん初めてのこと。
目を閉じて、されるがままに身を任せる。
花緒の「終わったわ」という声に、恐る恐る目を開けて――鏡に映った自分の顔を見た。
久遠はその時のことを、一生忘れないと思う。
祖父から男装を強いられ、自分が女であることをひた隠しにして生きてきた久遠の、初めての女としての顔だった。
燦の前に、女の成りをして出るのは初めてだ。
……いや。
燦の前どころか、自分でも女の姿は見慣れない。
鏡に映った自分の姿を見ただけで涙がこぼれそうなのに、この格好で祭祀の真似事などできるのだろうか。
「燦様」
天禄殿で待つ燦に、うしろから声をかける。
待ちくたびれて退屈していた燦は、振り返って久遠の姿を見ると、目を見開いた。
「……驚いた。本当に女みたいだな」
「そう……でしょうか」
恥ずかしい。目を合わせられずにいると、燦が久遠の目の前に立った。
顎に手を添えて、上を向かせる。
「……元々、男にしては華奢だと思っていた。化粧は誰が?」
「化粧は、花緒様がやってくださいました。衣は自分で着付けました。下手くそすぎて、偽物の后であることを天に見咎められるかもしれません」
「何度も言わせるな。嵐が起こったのは偶然だ。今からその証を見せよう」
燦はニヤリと笑うと、久遠の胸に玉花を押し付けた。そして自分はさっさと祭壇の前に進む。
昨日は和暮家の当主が読んだ祝詞を、燦が自ら読んだ。四方に拝礼して玉花を頭上に掲げた後、それを祭壇に置く。
「次は久遠だ」
燦は久遠に手を差し出す。昨日、花緒にも同じように手を添えていただろうか。思い出せない。
久遠は領巾や裙を踏まないよう、慎重に一歩ずつ祭壇に歩いた。
もしも嵐が起こったら。そう考えると、足が震える。
久遠が嵐を恐れていることを、燦は知らない。今にもくずおれてしまいそうなほど足を震わせながら、久遠は玉花を胸に抱いた。
燦の真似をして、四方に拝礼する。
「燦様……次は、どうしたらいいですか」
振り向くと、燦は久遠の背後から、久遠の腕に手を添える。後ろから抱擁されたような形になり、久遠の心の臓が飛び跳ねた。
「玉花の持ち方は、こうだ」
「ひっ」
「俺が腕を動かしてやるから、力を抜いておけ」
「は、はい」
燦によって持ち上げられた久遠の腕が、玉花を頭上に掲げる。そして茎の根本を祭壇側に向けて、ゆっくりとその上に置いた。
「これで終わりだ、久遠」
「終わった……! そうだ、嵐は?」
天禄殿の戸まで走り、空を見上げる。雲はない。
遠くの空を見渡しても、嵐をもたらすような黒雲は一つも見えなかった。
辺りはむしろ、風一つなく、静かで穏やかな空気に包まれている。
「何もない……本当に、嵐は起こらなかった」
「俺の言った通りだろう?」
「はい、良かったです。嵐が起こった時のために、都の民に向けて触書も出していませんでしたし――」
と、久遠が言ったその時。
無風だった天禄殿に、突然ぴゅうっと風が通った。
久遠が肩に掛けていた領巾が宙に舞う。慌てて手を伸ばすと、久遠は足を滑らせて階段から転げ落ちた。
「危ない!」
数段の階段をずり落ち、地面に落ちる――そう思って身構えたのに、久遠の体はどこも痛くない。
目を開けると、久遠の体は燦に抱きかかえられていた。燦が久遠を守るようにして、地面に倒れて下敷きになったらしい。
「燦様……!」
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