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全てを捧げる精霊魚
83 立てませんでした
お尻を抜き差ししていた指も、前を扱いていた手も止まってしまい、中途半端に疼く状態になってしまった。
嫌?いや、でもない、かも?このままやってしまえは気持ちがいいだろうという期待もあれば、この先の未知なる経験に対する恐怖もある。どう考えても入れられる側だろうし。
いや、待って、お尻の穴に入った指がギュウッと何かに押し当てられている。
「んんっ!」
あっはぁ……、と強烈な快感にブルリと震える。嫌かと聞きながら、それは反則だろう?
「ね?答えて、マナブ。嫌ですか?それとも、………挿れてもいいですか?」
ゆっくりと間を置いて尋ねられる。
そして指は増やされコリコリと何かを摘んだり押したりしていた。グチュグチュとした音は最初よりもより卑猥に大きくなっている。
もう、限界だ。
分かってるくせに態と聞いてくる。俺に欲しいと言わせようとしていると理解出来るのに、そんなクオラジュのことも嫌ではないのだ。
「…………ぁ、………ひっ、ん、ぁあ、も、もういいから。」
グチュグチュグチュグチュと音が静かな部屋に響き渡る。自分から出ているとは思えない水音にゾクゾクとする。
「何がいいのか教えて下さい。」
どこまでも丁寧な言葉遣いにも、何故だか快感が刺激されてしまう。
「………あ、あ、もう、も、いれて………。」
気持ちよさに負ける。
クオラジュの存在に負ける。
でもそれでいい。だって気持ちがいいから。こんな風に包み込まれたら、誰だって許してしまうだろう?だってクオラジュだよ?
指が引き抜かれ、熱いものが押し当てられる。
すごく熱い。こんなに熱を持つのかと驚いてしまうくらいに。
「私の神聖力もたっぷりと渡してあげますね?」
そう言ってズプンと入ってくる。
「ーーーーあぁっ………!んあっ、あ、はぁ!」
ズプププと奥に侵入してくる熱い塊に息が止まる。
こんなに大きい?内臓が押し潰されそうだ。
「…………っ、はぁ、……マナブ、大丈夫ですよ。力を抜いて。」
クオラジュの動きが一旦止まる。俺が力を入れすぎてクオラジュも苦しいのだと分かった。はぁはぁと息を吐きながら、懸命に力を抜こうとするがなかなか上手くいかない。
クオラジュの手が伸びてきて、俺の頭を撫でて頬に手を添えられた。
「すみません、一度抜いて前にしましょう。」
ズズッとクオラジュの陰茎が抜かれ、脱力している俺を上向かせた。
クオラジュの表情が見えて、優しく笑みを作っているのに、氷銀色の瞳は射抜くように俺を見ている。
可愛いって思ってしまっていても、クオラジュは男で俺より遥かにカッコいい。全てを飲み込まれてしまいそうだ。
手を伸ばすとその手を取られて、手首にキスをされた。その仕草すら見惚れるほどに綺麗だ。
膝を持ち上げられ、またクオラジュの陰茎が入ってくる。一度広がったからか、今度はさっきよりも奥に入ってきた。
「……………ああっ!」
クオラジュは眉間に皺を寄せてふぅふっと息をしている。いきなり突いてしまわないように我慢していた。
「………ごめ、っは、ぁ、苦し……。」
閉じていた瞼を開けて、クオラジュは俺を労るように撫でた。
「ええ、初めてですからね。すみません、もっとゆっくり拡げてからと思っていたのに、私も……。」
クオラジュがはぁ………と息を吐く。
俺は腕を広げた。
「ん……。大丈夫、ゆっくりなら……。」
どうせここまできたのだ。最後までしたい。
俺の迎え入れる体勢に、クオラジュは少し目を見張り微笑んだ。珍しく汗を流している姿が妖艶だ。
「愛しています。」
なんでこんなに綺麗でカッコいい奴が俺のことを愛していると言うのだろう。
そんな不思議な気持ちになる。
「………ん。………俺も…。」
小さく愛してると返すと、クオラジュの腰がググッと近づいてきた。
強い圧迫に息が止まる。
「ああ、嬉しい……。」
腰を掴まれ律動しながらクオラジュの陰茎が奥へ奥へと進んでくる。
「あっ、あ、あ、………っ、………っ!ぅんぁっ!」
奥まで届き腰が押し付けられる。
クオラジュが我を忘れて打ちつけてくるが、俺も余裕がない。
痛いのか気持ちいいのか苦しいのか訳がわからない。ただ鼻から抜ける様な声が漏れているが、それすら後から思えば出ていたという感じだ。
グリグリと奥を擦られ俺は堪らず射精した。白濁が飛び出て自分のお腹を濡らす。
クオラジュの陰茎が大きいのか太いのか分からないが、ゴリゴリと内壁を削るので、射精した後は苦しいのに容赦なくクオラジュは動いている。
「…あっ、まって、出した、苦し……!」
「すみま、せんーー、止められないっ………!」
あ、これ後から大丈夫かなと一瞬思ったが、キスをされ舌が口内を弄り舌を吸われると、そんなこともどうでも良くなる。
一際奥を深く突かれてグリっと擦られると、温かなものが広がる。
あーーー、出されたぁ……。という思考とそれが嬉しいと思ってしまう歓喜に頭がいっぱいになった。
はぁはぁと息を吐いてコホッと咳き込むと、クオラジュがベッドサイドにあった水を飲ませてくれた。
下は抜いていない。
なんで抜かないのかとクオラジュを見上げると、その表情にギクリとする。さっきよりも欲に濡れた瞳で見下ろしていた。
「………もう一度。」
それだけ告げられる。
入れたままの陰茎がまた硬くなり出すのを感じて、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「………ね?」
俺はクオラジュのお願いに弱いのだと改めて認識する。
「もう一回、だけだぞ?」
にこーと微笑むクオラジュの笑顔に、俺はこの後何回か付き合わされることになるのだが、この時の俺は気付いていなかった。
翌日俺は腰が抜けるという初めての感覚に戸惑った。
そしてそんな状態をヤイネに見つかり無茶苦茶恥ずかしくなった。
ヤイネはいつも通りの時間にきた訳だが、朝までやっていた俺とクオラジュは寝ていた。というかクオラジュは起きていたのに起こしてくれなかった。
「…え?あ、あの……、ええっとすみません、こういう場合の対処の仕方はまだ習ってなくて…!」
モヤモヤっと夢の中の出来事の様にヤイネの声がする。
「構いませんよ。湯浴みは済ませてシーツも取り替えましたが洗い物を脱衣所に置いていますので持って行ってもらえますか?それから私はもう出ないとなりませんので、ツビィロランは今日一日寝かせておいて下さい。起きたら食事と何か体調に異変があるようなら直ぐに私を呼んでください。」
クオラジュがヤイネに指示を出している。瞼が重くて起きられない。身体もピクリとも動かなかった。
眠たい……。
「分かりました。ではその様に。」
二人がそんなやり取りをして、ヤイネが去って行く音がしている間も起きれなかった。
頬を撫でられる感触がする。
「起きれますか?」
「……んん、………。」
ちょっとだけ口が開くが直ぐ寝てしまいそうだ。
「仕事に行きますね。お昼と夕方には戻ります。ゆっくりと寝ていて下さいね。」
優しく耳元で囁く様に告げられる。
頷こうとしてあまり頭が動かなかった。それでもクオラジュは気付いたらしい。
「無理はしなくていいですよ。お休みなさい。」
いつもの様にオデコにキスをされる。
返事をしようとして、んむぅという変な声だけ出てしまった。頭を撫でる手が離れて、ほぼ足音もなく去って行った。扉を閉める微かな音だけが聞こえる。
俺は睡魔に負けてまた寝てしまった。
そして起きたのが夕方だ。
茜色の外に呆然とする。起き上がってベットから降りようとして、足も腰も役に立たずにぺたりと座り込んだ。
「………は?………へ?」
ちょうど部屋に入って来たヤイネがその状態の俺を見つけて慌てて駆け寄って来た。
「あぁ、良かったです。ずっと眠っておられて心配しました。」
ヤイネのニコニコと人の良い笑顔が眩しい。
「あ………、ごめ、寝すぎ?」
ヤイネはゆるゆると首を振る。
「いいえ。クオラジュ様から起きたら食事を出す様にと言い使っております。」
待ってて下さいね、と言ってヤイネは出て行った。昨夜クオラジュといたしたことについては何も言ってこない。言ってこないのはヤイネが優しいからか、はたまた鈍いからか?いや、流石にそんなことはないか。知ってるよな。薄らぼんやりクオラジュとヤイネのやり取りは聞こえていた。入って来た時のヤイネも分かっている素振りだったし。
「…………………うぅ、恥ずかし……!」
頭を抱えてしまった。
食事を持って戻ってきたヤイネに俺は謝った。
「ごめん……。ヤイネもアオガいなくて不安な時に。」
顔を見て謝らなきゃなのに気不味くて真っ直ぐ見れない。
ヤイネはベットで食事ができるように用意しながら、首を振った。
「いいえ、きっとクオラジュ様も不安なのですよ。」
「クオラジュが?」
ヤイネは頷いた。湯気を上げるスープを目の前に出される。
「そうですよ。ツビィロラン様に甘えておられるのです。」
穏やかなヤイネの声は優しく届く。だからそれで良いのだと。
スプーンを渡されてヤイネは微笑んだ。
「アオガ様はきっと元気にしておられる。」
「……うん。そうだな。」
俺も笑いながら頷いた。ヤイネの穏やかな微笑みを真っ直ぐに見返して、もう一度そうだなと頷いた。
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