落ちろと願った悪役がいなくなった後の世界で

黄金 

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番外編 空に天空白露が戻ったら

131 アオガの独り占め

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 聖王宮殿の庭園には、色とりどりの花が咲いている。その世話も信徒達が丹精込めて育てたものであり、神殿や宮殿の中にいけられる花はこの庭園から切られた花になる。
 誰でも花を摘むことが出来るわけではなく、許可された者だけの特権だった。
 そんな花咲き乱れる庭園の中を、一人の天上人が鋏を片手に花の束を抱えて歩いていた。
 その視線は熱心に次はどの花にしようかと見渡している。


「うゎ………あの方、天上人なんでしょうか?」

 遠目にその様子を見た信徒が、歩く麗人に見惚れながら隣の同僚に尋ねた。
 尋ねられた同僚は、言われて庭園を眺めて納得したように頷いた。

「あの方はヤイネ様ですよ。勿論天上人です。神子様の専属の従者をしておられます。よくああやってお部屋に飾る花を自ら剪定しに来られるのですよ。」

 まるで我がことのように誇らしげに語る同僚に少々憮然としつつも、また花の中を歩く天上人を見つめた。
 濃い緑色の髪は陽の光を浴びてキラキラと輝いている。緑の髪なのに、光が当たった部分は金の艶を放つ美しい髪だ。
 顔立ちは派手ではないが、楚々としたどこか無垢さを感じさせる美しさがある。

「うわぁ……やはり天上人となられる方は違いますねぇ。」

 自分も天上人になるべく天空白露へとやってきたが、地上では持て囃された美しさも、実物には程遠いと実感した。
 まだ年齢は二十五に届いていないが、本物を見てしまうと自信をなくした。
 一緒に歩いていた同僚は、そんな若者の気持ちが理解出来た。この天空白露には、同じように二十五歳で開羽し天上人となる夢を持ってやってきた者が多い。
 しかしそれを可能にする神聖力を保有できるかは別物の話で、開羽できる者はほんの僅かしかいない。
 殆どの者は開羽せずに寿命を終える。生きる途中で透金英の花を大量に摂取し、体内に神聖力を溜めれば出来ないことはないが、貴重な透金英の花を開羽できる程に集めるのはほぼ不可能だ。地上の王族ですら出来ないことを、神聖力が他の人よりも多く、天空白露に来れるだけの資金が家にあったのだというだけの人間が、透金英の花を手にするなんて不可能だ。それも開羽できる程大量になんて。
 聖王宮殿で生きる信徒達は、そんな者ばかりだ。それでも地上に生きる者達よりは恵まれている。ただ若いうちは夢も希望も溢れている為、目の前に天上人がいると、自分との違いに打ちひしがれてしまうものなのだ。
 そんな苦い経験も長いこと聖王宮殿にいると慣れてしまうものだ。

「ヤイネ様は元から天上人ではありましたが、番になられる方次第では貴方も可能性があるのかもしれませんよ。」

 ヤイネは番を迎えてより一層輝かしい存在になったことを、聖王宮殿にいる者は皆知っている。
 だが最近来たばかりのものはそれを知らなかったりする。

「どういう意味でしょう?」

 よく分からず尋ね返すと、同僚は笑って庭園を視線で示した。
 パサパサーーー……。
 太陽かと思えるほどの眩い光が視界に飛び込んできた。




「ヤイネっ!」

 空から一人の天上人が舞い降りてきた。眩い金色の羽を羽ばたかせ、ゆるりと長く伸びた金の髪が軌跡のように後に続く。

「アオガ……。」

 ヤイネと呼ばれた天上人は、切ろうとして手を伸ばしかけていた手を止めて、顔を上げて満面の笑顔を浮かべた。
 腰まで伸びた緑の髪がサラサラと広がり、髪が腕に抱えていた花の束に絡まる。

「早かったのですね。ツビィロラン様はどうされたのですか?」

 ヤイネは微笑みながら番のアオガに話しかけた。
 今日は朝からツビィロランの護衛についていたはずだ。そのまま一日側に侍るのではと思っていたのだが、ヤイネの番は空から降りてきた。
 アオガはアソコだと親指を立てて建物の上を指差した。
 指された方を見れば、ヤイネの主人であるツビィロランと、その番である青の翼主クオラジュがベランダに並んで立っていた。

「あそこから飛んで来たのですか?」

 普通に建物の中から回って来くれば良いのにとヤイネは呆れた顔をした。

「だってツビィロランが良いって言ったしねぇ。」

「呼び捨てはいけませんよ。今から聖王陛下の所に行かれるのですよね?ついて行く必要はないのですか?」

「うん、青の翼主から待機命令。」

 待機命令という名の自由時間だ。
 ヤイネはなるほどと頷いた。青の翼主クオラジュがいれば、この安全な聖王宮殿の中では十分だ。
 それにクオラジュ様はツビィロラン様と常に一緒にいたがる。用心深い性格なので聖王宮殿の外に出る場合は必ず護衛にアオガをつけるが、本当は二人きりになりたいのだろうとヤイネは思っている。
 ベランダの上からツビィロランが手を振るのが見えて、ヤイネは微笑んで頭を下げた。
 今から聖王陛下のもとへ向かうのだろう。

「花、持つよ。」

 ヤイネが抱えていた花の束をアオガが受け取った。
 花に絡まった緑の髪が、もつれることなくサラサラと解け落ちていく。
 出会った頃は肩で切ってしまっていたが、伸ばして欲しいとお願いすると伸ばしてくれた。

「あ、アオガ、待ってて下さい。そこのつるバラを少し切りますから。」
 
 そう言って装飾用の柱と彫刻に絡まるバラにヤイネは手を伸ばした。
 何をやるにも真面目なヤイネは、どのつるを切ろうかと熱心に吟味している。
 その姿を眺めながら、ふと視線に気づいた。先程建物の外にある通路を歩いていた信徒達だ。まだいたのかと視線を送ると、彼らはヤイネを見ていた。
 アオガはムッとする。
 スタスタとヤイネの後ろに近づいた。
 鋏を持ちバラを眺めていたヤイネが振り返る。

「アオガ?」

 振り返ると髪がサラサラと流れ、急に近付いたアオガを不思議そうに見ていた。
 アオガは花束を抱えたままヤイネの背後にある柱に手を付く。そうするとアオガとヤイネの間に花が溢れ、花と葉の香りが吸い込んだ息いっぱいに広がる。
 顔を近付けると、ヤイネは目を見開いたが嫌がらない。頬がすぐに赤くなり、少しだけ後ろに下がったが、アオガの口付けをちゃんと受け入れた。

「……………んん、…ふ、んんん、ぁ……。」

 舌を出しお互い絡ませ合いながら唇を合わせる。
 ヤイネが持っていた鋏はポトリと地に落ち、震える手はアオガの服を掴んだ。
 アオガはツビィロランの護衛になってから、剣術の腕を磨きつつ、身体作りもしてきた。
 ヤイネよりも逞しくなった身体には厚みがあり、眩いばかりの美貌は精悍さを増していた。
 天井人とはいえ、地味だったヤイネには勿体無い人だとヤイネは思っている。
 しかしアオガはそんなヤイネが心配でならない。
 大人しく順従で、そのくせ仕事は真面目で芯がある。容姿だって派手ではないが内面の優しさが表に出ていて安心できる。
 こういう人間は実はモテる。
 誰だって優しくて自分のことを大切にしてくれる人は好きだ。容姿だって地味ではない。控え目で可愛いのだ。
 今だって悩ましげに寄せられた眉に、潤んだ目尻。赤らんで上気した頬にゾクゾクする。
 唇を離してアオガはその姿を堪能した。
 赤く色付き熱い息を吐く唇が色っぽい。ヤイネの唇を親指で擦りながら、アオガはボソリと呟いた。

「あー……、ここで襲いたい。」

 ヤイネの肩がビクッと飛び跳ねた。

「だ、だ、ダメですよ!?」

 アオガはぺろっと舌を出しながら少し離れた。

「ん、もうしないよ。」

 ヤイネは真っ赤な顔で唇を震わせている。
 ヤイネを盗み見ていた信徒達はどこかにいってしまったようだ。それにアオガは満足した。

「……あっ、花が何本か折れてしまっています。」

 ヤイネは、あぁ~と残念そうだ。

「ごめんね。違う花も切っていこう?」

 ヤイネが落とした鋏を拾いながら、アオガは反省の色もなくヤイネに手渡した。
 散歩しよ?と悪びれないアオガに、ヤイネも赤い顔で怒りながら、それでも嬉しそうに頷いていた。

 花が溢れる庭園の中、美しい天上人の番がここによく来るというのは、信徒達の間では有名な話だった。




 その様子をベランダから見ていたツビィロランは、アオガのあからさまな独占欲に呆れていた。
 下の方にいた信徒達は、アオガとヤイネの熱愛ぶりに恥ずかし気に逃げて行った。

「やっぱ飼い主に似るのか?」
 
「……アオガの飼い主はマナブですよ?」

 ツビィロランに寄り添っていたクオラジュは、何言ってるんですかと反論した。
 ツビィロランはベランダの手摺には寄りかかっていない。クオラジュに掴まり少し離れて庭園を見ていた。

「は?んなわけねーじゃん。確かにアオガは俺を金づる主人とは思ってるが、基本クオラジュの命令しか聞いてねーもん。」

「……………。」

「番にベッタリなのそっくり。」

「では、我々も今から休憩しませんか?」

「しませんね~。さ~、ロアートシュエが待ってるからなぁ~。」

 断られてブスーと不満気にするクオラジュを引っ張りながら、ツビィロラン達は部屋の中に戻って行った。















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