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2 ナリシュ王太子殿下の困惑
しおりを挟む本日オリュガ・ノビゼル公爵子息を呼び出した。
学院には数名の婚約者候補のオメガがいるのだが、頭脳明晰、魔法の腕も優秀なネイニィ・リゼン男爵子息が第一候補に上がった。
それまでは公爵家の子息であり歴代随一の魔力量を持っていたオリュガ・ノビゼルが最有力候補だったのだが、最近になって素行の悪さが目立ち、陛下からネイニィ・リゼン男爵子息を最有力候補として考えておくようにと言われ、それを本人達に伝えることにした。
オメガである彼等は番となるアルファを早く見つけたいだろうから、早めに自分達の将来を考える必要がある。
三ヶ月に一度くる発情期の相手は番であるアルファが相手をしてあげた方がいいだろうし、いつまでも薬に頼れば副作用の心配もあるだろう。それにアルファは何人でも番えるが、オメガは一生に一度しか番えない。
選択肢を広げるためにも知っておくことは本人達の為でもあると考えた。
オリュガ・ノビゼルが自分に執着していることは理解しているが、それとこれは別だ。彼も貴族の子供。いつまでも我儘は通じないし、彼も番となるアルファを見つける必要がある。
一応兄であるニンレネイには断りを入れたが、殿下が直接伝えてくれるのであれば、弟も真剣に今後のことを考えるかもしれないと、是非お願いしますと言われた。
そして伝えたわけだが……。
オリュガはその緋色の大きな瞳を大きく見開き固まった。今日用意した紅茶と奇しくも同じ色合いの瞳が、色をなくし輝きが失われたように感じた。
部屋に入室した時、私の隣にネイニィが座っていたことに腹を立てた時でもキラキラと輝いていたのに、確かに緋色なのに今は何の色も感情も失った瞳をしている。
「聞いているのかい?」
まるで息をしていないかのような様子に、大丈夫だろうかと声をかける。
オリュガの視線が私に向けられるが、その顔にも表情にも何の感情ものっていない。貴族は表情を隠すとはいうが、そういうことではない。作られた人形でさえ、もっと表情があるのではないだろうか。
オリュガは美しい顔をしている。オメガらしく大きな瞳に長い睫毛、ぷっくりとした桃色の唇に白い滑らかな頬。細い顎も男性にしては華奢な肩も、庇護欲を誘う姿をしている。ただ性格は凶暴だ。癇癪持ちで、我儘な性格は有名だった。
「……………。」
「オリュガ?」
無言で見つめられ、またテーブルに置かれた紅茶に視線を落としていた。伏せられた睫毛は長く、緋色の瞳を隠して影を作っている。
そしてまた瞼を上げ私を見つめた時は、その瞳に熱が灯っていた。
今までの私を見る好意を乗せた輝きとは違う、何かを宿した瞳だ。
「……聞いております。ナリシュ王太子殿下。」
静かにゆっくりとその唇から声が漏れた。
媚びる高い声でも、何が楽しいのか分からない弾んだ声でもなく、ただただ静かな声にハッとする。
ネイニィ・リゼンを最有力候補にすると伝えたにも拘らず、オリュガはとても静かに微笑んだ。
本当にこれはオリュガだろうかと同じ内容を伝えてしまう。そのつもりでいて欲しい、そう言ったのにオリュガはゆっくりと微笑み分かったと頷いた。
どういうことだろうか。
今までのオリュガならば、ネイニィに罵詈雑言浴びせて紅茶をひっくり返すくらいやると思ってネイニィを隣に座らせたのに、今のオリュガは微笑みを浮かべるだけだった。
ジワリと心に感情が湧き上がる。
何故今になってそれなのだ、と。
もう少しオリュガの変わりようを観察したくてお茶に誘えば、ニンレネイにお菓子をお土産に持たせてくれと言って去ってしまった。
「お茶はお二人だけの予定ではありませんでしたか?」
ニンレネイが不思議そうに尋ねてきた。
そのつもりだった。オリュガは暴れるだろうから外に兵士を待機させていた。オリュガは魔法は下手だが魔力は大量に持っている為、感情が爆発して何をやらかすか分からない。なので暴れたら兵士に連れて行かせるつもりだった。
隣のネイニィが震える手で私の袖を掴む。
「きっと、何かやるつもりです。」
今まで散々意地悪をされているネイニィが怯えている。
「愚弟が申し訳ないね。」
ニンレネイが申し訳なさそうに謝っていた。
ナリシュは組んだ足に手を乗せ、ふむと考える。
その様子を見てニンレネイは気まずそうな顔をしたが、何も言わずに王太子殿下の思案が落ち着くのを待っていた。
王城で王太子殿下とネイニィを交えたお茶会に参加した後、ニンレネイは急いで王都にある公爵邸に帰宅した。
今日のオリュガの様子を長兄であるビィゼト・ノビゼルに報告する為だ。
本当はあのまま直ぐに王城を出るつもりだったのに、ナリシュ王太子殿下はニンレネイにもお茶会に参加するように言ってきた。
群青色の瞳は笑っているのに、その奥は笑っていない。
本当ならあの後は殿下とネイニィが二人でお茶会をする予定だった。ニンレネイを参加させたのはネイニィと距離を一旦おく為ではないかと思った。
本来なら陛下からネイニィを最有力候補にするよう言われたのだから、もうほぼ婚約者に決定したも同然だろう。だから二人で親睦を深めていく意味合いがあったはずだ。
それを態々ニンレネイを引き止めて参加させた。
ナリシュ王太子殿下も今日のオリュガの異変を感じたに違いない。
そして独断で婚約者の選定を保留にした。
ビィゼト兄上に急ぎ報告をと、馬車を急がせ帰ってきたわけだが…。
「ええ!?僕のお小遣いマイナスなんですか!?」
大きなオリュガの声がビィゼト兄上の執務室から聞こえてきた。
扉の前には当家の執事が困った顔で立っている。
急ぎ足で戻ってきた俺に気付き、扉をノックして室内に声を掛けた。ビィゼト兄上から入室の許可が出たので息を整え開けられた扉から部屋に入る。
「只今戻りました。」
「ああ、ご苦労様。今オリュガから経緯を聞いた。」
兄上はニンレネイの二つ上の長兄だ。既に父親から公爵位を継いで王都でノビゼル公爵として働いている。少し離れた領地には父と母が移り住み、俺達四兄弟は王都邸に住んでいた。
ビィゼト兄上は少し疲れた顔をしている。
「あ、ニンレネイ兄上お帰りなさい。」
珍しくオリュガが挨拶をしてきた。というか初めてかもしれない。
「あ、ああ…。今戻った。お小遣いがどうとか聞こえたが、どうしたんだ?」
オリュガが手を握ってグッと顔を顰めた。といっても大きな目の所為か、どちらかと言えば泣きそうな顔に見える。
「僕のお小遣いは無いんだそうです。」
それはそうだろう。毎月毎月大量の請求書がくるのだ。服に宝石、飲食代。友達もいないくせにどうやったらそんなに使えるんだと思えてしまうくらいの高額請求書が毎月届く。
「このお菓子でも食べて落ち着け。」
しっかりと持たされたお土産のお菓子をオリュガに渡した。
「はっ!お菓子~。」
一瞬で顔が輝いた。
「これ以上何にお金を使いたいんだ?」
ビィゼト兄上がお菓子の箱を開けていたオリュガに尋ねた。
「え?えーと、僕は婚約者なしでも生きていけるようにしようかなって。」
オリュガは箱からクリームの乗った小さな焼き菓子を取り出してパクつきながら答えた。その様子にビィゼト兄上も驚いている。
オリュガは自分が美しいオメガだという自覚がある。
いつも違う服を着て、宝石を身につけ、長く伸ばした薄茶色の髪を綺麗に結い上げている。今も王城から帰ってきた時の格好そのままなので、綺麗にその姿は仕上がっていた。公爵邸の使用人が仕上げたので当たり前だが、大量に使われた宝石もまだ品よく見えるが、ともすれば下品に見えかねない量だ。
「お前がどうやって番なしで生きていけると?」
その格好を上から下まで見ながらビィゼト兄上はため息混じりにオリュガに尋ねた。
オリュガも自分の姿に今初めて気付いたかのように見下ろし、そうかっ!と声を上げた。
「この宝石売ったらいいんでしょうか。」
「待ちなさい。」
「ばか、突然公爵家が宝石売り捌いたら変な噂が立つだろう!?」
事業に失敗したとか、オリュガの宝石なのでとうとう何かやらかしたのだとか噂が立ちかねない。
「ダメですか~。」
心底残念そうに言っているが、手にはクッキーを持っている。
今朝までのオリュガなら絶対にやらなかったことだ。食べ物を立って手掴みで食べるなんて絶対にやらなかった。
オメガは品よく美しく。
それがオメガのオリュガだった。今日だって王太子殿下の隣に最初ネイニィが座っているのを見て、罵詈雑言浴びせながらもその佇まいは貴族然としていた。
暴れてもその姿は美しく。それがオリュガだったのだ。いつものオリュガならば、紅茶一つ投げつけるのも、持ち手を軽く摘んで品よく投げたに違いない。
ポロポロと菓子クズが落ちて、オリュガがアッという顔をしている。口の端にクリームがついたままになっているのを、立ち上がってビィゼト兄上が拭いてやっていた。
「最有力候補ではなくなったが、婚約者候補から外れたわけではないんだぞ?」
ビィゼト兄上は慰めるようにオリュガに言った。
「そうなのですか?でも別にそれはいいんです。」
あれだけ熱を上げていたナリシュ王太子殿下の婚約者から外れてもいいという。
「じゃあどういうことだ?」
俺が尋ねると、オリュガはうーんと言いながら考える。
「えぇっと、僕もそろそろ将来を考えて独り立ち出来るようにならなきゃかなぁって。そうしたらやっぱりお金は大事だし、貯めておこうかなぁって。」
実にざっくばらんな内容だった。
「それなら殿下はダメでも、また違うアルファに出会うかもだろう?その為にも勉学に励み、魔力操作を覚えて自分が優れたオメガであることを周知させた方がいい。そうすればアルファの方からお前に好意を抱くはずだ。」
ビィゼト兄上はオリュガにそう説明した。
それはとても当たり前のことなのだが、それが今まで出来ていなかったのがオリュガだった。
「勉強…。」
「そうだ。」
「分かりました。僕、勉強します。」
素直にオリュガは信じた。今までなら美しければいいのだと豪語していたオリュガが。あまりにも素直でビィゼト兄上も驚いている。
お小遣いについては今後出費を抑えればマイナス部分が補填されていくだろうから、無駄使いを無くせばいいと伝えると、それにも分かりましたと頷いた。
オリュガはとりあえず方針が決まったと言って退室していった。
オリュガを見送り、今度こそ今日の王城での出来事をビィゼト兄上に報告する。
「オリュガの様子がおかしいな。」
「そうなんです。それで、いいのか悪いのかナリシュ殿下が興味を持ったかもしれません。」
俺の報告に兄上は片眉を上げる。
「ほぅ。全く興味が無さそうだったのにな。」
そう、ナリシュ王太子殿下は全く婚約者候補達に興味がなかった。駒の一つくらいにしか捉えていないかもしれないが、優しげな雰囲気から誰もそう見られていると気付いていない。オリュガもいかにも王子様といった感じのナリシュ王太子殿下に惚れ込んでいた。
「様子見するしかない。ナリシュ王太子殿下が男爵子息と婚約する、もしくは確実にしそうだと感じたら、オリュガの婚約者候補を考えよう。」
「了解しました。」
ビィゼト兄上の決定に俺も頷き今後の予定を考えた。
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