6 / 66
6 なんて楽しい世界だろう!
しおりを挟むいつも望和の事は気に入らなかった。
大好きな伊織はいつも望和の事ばかり構う。
いつも敬語で喋って変な望和。
顔は僕の方が可愛いのに、伊織は望和の方に行ってしまう。
伊織の彼女達ですら、望和は伊織の特別だと言わんばかりに愛想笑いをする。
トラックが迫ってくる中、伊織は望和を抱き締めていた。僕が隣にいたのに、前を歩いていた望和を。
伊織は僕をトラックの反対側に突き飛ばしたけど、僕は抱き合う二人が許せなくて手を伸ばした。
まさか死んじゃうなんて思ってなかったけど、伊織と望和の二人に死なれて、僕がとり残されるくらいなら死んだほうがマシだから、それでいい。
『あの金の枝を君が奪ってしまえば、君は銀の狼に好かれるだろう。』
そう言って黒い枝を誰かに渡された。
綺麗な大きな布を頭からスッポリと被った、多分男の人が目の前にいた。
何もない空間、少し離れた場所に伊織と望和が、派手な緑色の髪をした人の前にいた。
伊織は銀の枝を渡されて、驚いた顔で消えて行った。
銀の狼と銀の枝が何となく繋がる。
これって『あなたと救う神獣の世界』のオープニングと一緒だ!
でも持っていたのは銀の枝だけだったのに、何で金の枝も持っているの?
緑色の髪の人が金の枝を持っていた。
僕は渡された黒い枝を持って走った。
その金の枝は僕のだ!
背中から突風が吹いて、緑色の髪の人が金の枝を落とした。
僕はすかさず近付いた。そしてその金の枝を拾った。
コレは僕の枝だ。
代わりにこの不気味な黒い枝を望和に押し付けた。
望和は驚いた顔をしていた。
僕は何か温かいものに包まれていた。
優しくて、ふわふわして。
誰かが出ておいでと優しく語りかけるから、手を伸ばしたらパキパキと音がした。
とんとんと叩くと、ヒビ割れの明かりが目に飛び込んでくる。
僕は金の髪、金の瞳の狐獣人に生まれ変わった。あの金の枝はこの金色になる為の枝だったんだ。
じゃあ、銀の枝を持っていた伊織は銀色に、黒い枝を渡した望和は黒色ということ?
色々知りたい事はあったけど、生まれた時、僕は一歳くらいだったから、ゆっくり知って行く事にした。
両親も使用人達も凄く優しい。
お前は次期天狐だ、こんな全身金色の毛並みは滅多に生まれないのだと、喜んで僕に語りかけた。
喋れるようになり、屋敷の中を護衛や使用人を連れて歩き回れるようになって、僕は初めて黒い枝と卵が屋敷にあるのを知った。
両親は渋々説明してくれた。
金の枝と一緒に黒い枝も生命樹から授かったのだと。神から授かった卵はちゃんと孵し、成人するまで親が育てなければ天罰が降るのだと。
最初はこっそり黒い卵を割ってしまおうかと思ったけど、この中身は多分望和だろうから、孵るのを待とうと思い直した。
きっと真っ黒だ!
妖魔と同じだという黒で生まれる!
それはそれで面白いと思った。
伊織から大事にされて、伊織の彼女達からも優しくされていた望和が、忌み嫌われる黒で生まれるんだ!
ワクワクしながら卵が孵るのを待った。
予想通り、望和は真っ黒の毛で生まれた。
顔も平凡で特徴も無い。
僕は嬉しくなって、事あるごとにあの黒い狐が睨んでくる、怖い、と周りに言って回った。
望和には名前がちゃんと付けられなかった。何となく使用人が、あの黒いのが、と言い出したのが定着して、皆んな黒と言っていた。
度々僕に話し掛けてこようとするけど、僕に縋られても嫌だし、僕は黒が近付いてきたら泣き真似をするようにした。そうしたら望和は追い払われ、ますます嫌われるようになっていった。
この頃には僕はここが『あなたと救う神獣の世界』と言うゲームの世界だと確信していた。だって世界観が全く一緒だったし、狐の里には悪役令息の雪代がいたからだ。
間違いないと僕は歓喜したが、あのゲームに金狐の存在は出てこなかった。
そこが少し残念だった。
金の枝じゃ無くて伊織が持っていた銀の枝を獲れば、今頃銀狼の勇者として応龍天凪の下にいられたんじゃないかと思ったからだ。
何としてでも都に行ってゲームのストーリーを見たいと思った。あわよくば僕もかっこいい神獣と恋愛をしてみたいとも思った。
黒が十歳になったら中央の都に行って兵士見習いになるのだと両親から聞いた。
僕にはちゃんと家庭教師がつけられているので、ここの世界の事も、八体の神獣が治めている事も知っている。神獣の名前を再確認して、やっぱり僕はゲームの世界に転生しているのだと再確信した。
望和と伊織の彼女がいつも楽しそうに話していた恋愛ゲーム。実はこっそり僕もやってみたのだ。
僕は男だから主人公は男に設定してた。女ではやりたくなかったから。
主人公は銀色の毛の狼だ。伊織は銀の枝を持って消えたので、主人公の銀狼に生まれ変わっているだろうと思う。
両親に確認したら、中央の都には銀狼の勇者が生まれていて、僕と同じ歳なんだって教えてくれた。
間違いなく伊織だと思った。そして主人公として生まれ、ゲームのストーリー通りに応龍天凪の下で育てられているんだ。
会いたい。
伊織に会いに行こう。
残念ながら僕はゲームの登場人物では無い。神獣との恋愛も出来るかわからないけど、攻略情報を知っているし、僕は珍しい金狐だ。神獣の伴侶になれるかもしれないし、何なら伊織の恋人になれるかもしれない。
この世界は男同士でも普通に恋愛も結婚も出来る。
僕は両親に、僕も十歳になったら中央に行きたいと強請った。
兵士は嫌だから宮仕になろう。
僕の推しは大人の色気がある応龍天凪か、優しい兄的な立場の麒麟那々瓊だった。どちらかの側仕えになって、攻略内容通りに進めて好感度を上げれば良いんじゃ無いかと思った。
銀狼の勇者は中身が伊織なので、僕は伊織の性格を知っている。この見た目を活かして、今度こそ伊織と仲良くなってみせる。
伊織も天凪も那々瓊も僕のものにしてみせる。
この金狐の容姿なら充分可能性があると思った。
十歳になり、先に出発した黒の後から、沢山の僕の荷物を持って護衛に守られながら出発した。
都までは馬車で半月程度。
荷物には僕を飾る沢山の装飾品と服を載せている。家具も贅を凝らしたものを既に中央に手配してもらった。
後は着いたら中央の受付で宮仕を志願すれば良い。僕の両親は狐の一族の長的立場にいるので、その両親の推薦状があれば大丈夫だと言われた。
ゆっくりと長閑な景色に退屈しながら進んでいると、大分来たところで黒に出会った。
目があったのはたまたまだったけど、僕の心は踊った。
金狐の僕の為に道は開けられていたので、僕の命令で馬車はゆっくりと邪魔される事なく道の真ん中で止まった。
僕は黒に呼び掛ける。
さあ、その醜い黒毛を晒せばいい!
黒は忌々しそうにしながらも、諦めた顔でフードを取った。
周りの獣人達がヒィと言って遠のくのを、笑って見やる。
もうあの乗合馬車には乗れないだろう。
ここから走ればギリギリ受付期間に間に合うかもね?
兵士の志願も宮仕の志願も年に一度この時期にしかやらない。
頑張れ!頑張れ!
僕は悠々と自分の馬車に戻って、また都に向けて出発させた。
都はとても広かった。建物自体は低かったけど、広さがとんでもなく広い。
しかも中央に位置する巨大な建造物は、神獣が住まう城ともいうべきものだけど、それは岩山のように巨大だった。
ゲームでも全貌は描かれてたけど、実物は本当に凄い景観だった。
元々は岩山だったらしいけど、そこに綺麗に磨かれた石を煉瓦のように積んで、見上げても天辺が見えないくらいに高い建物になっている。張り出したベランダや空中回廊には、自然に出来た樹々が生え、所々から水が滝のように落ちて白い飛沫を上げ、鳥や蝶が舞っている。
幻想的な岩山のお城だ。
受付はお城ではなく、その手前の街中にある建物で行われていた。神浄外中から沢山の人が集まるので、人でごった返している。
だけど僕が入り口に案内されて入ると、人垣が自然と割れた。
金狐はそれくらい珍しく貴重な獣人なのだと、僕は自然と口角が上がった。
通り過ぎる人の波の中から、金狐だ、美しいと声が次々と上がっている。
僕は出来た行列を飛ばして真っ直ぐに受付に行き、志願書と推薦状を提出した。
それからはあれよあれよと言う間に奥へ通され、なんと応龍天凪に謁見する様に言われた。
胸を高鳴らせてお会いした天凪は、とても神秘的な美しい男性だった。
筋肉のついた大柄な体格なのに、むさ苦しさもなく均整が取れていて品がある。梔子色の髪に空色の瞳とゲーム上は説明書きされていた。実際に見ると、澄み渡った空を思わせる透明度の高い瞳が印象的だ。
「着いたばかりで急がせたな。申し訳ない。私が神浄外の王、応龍天凪だ。其方が狐一族の金狐で間違いないか?」
声を張り上げているわけでもないのに、朗々と声が通る。
見た目の年齢は三十歳前後。低い腰にくる声がよく合っていた。
「はい、お初にお目にかかります。狐の一族、徳家の朝露と申します。」
天凪はゆっくりと頷いた。顎に手をやり何か品定めをされている気になり、朝露は内心狼狽える。
態々呼び出されたのでもっと歓迎されるかと思っていたのに、その目は冷静に朝露を見定めていた。
「いいだろう。希望は我が応龍直轄地の城で働きたいと言う事だったな。宮仕をするならば学問を身につけなければならない。十五の成人まで学舎に入ると良いだろう。」
「は、はいっ!ありがとうございます。」
何がいいと判断されたのか分からないけど、ゲームの主人公が成人前まで通う学舎に入れる事になったらしい。
こんなに綺麗な容姿で珍しい金狐なのにモブかもしれないが、もしかしたら自分にもチャンスがあるかもと心が湧き立ち頬が赤く染まる。
「あの…………。」
その時少年の声が響いた。
謁見の間には応龍天凪と朝露の他に、兵士や側仕えが大勢いたが、誰一人言葉も服の衣擦れひとつ立てなかったのに、それに気後れすることなく誰かが割って入ってきた。
朝露は顔を上げて驚く。
伊織だと思った。
自分と同じ十歳程度の子供。銀の髪に紫の瞳、大きな耳とフサフサの尻尾も全て滑らかな銀色だった。
銀の枝から生まれる主人公。
銀の枝を握って消えた伊織。
「どうした?」
天凪が銀狼の少年に尋ねた。
「少し話して良いですか?」
天凪の頷きを確認して、銀狼の少年は朝露の方に歩いて来た。
「なぁ、もしかして、望和か?」
朝露は目を見開いた。
そうか、伊織は先に銀の枝を握って消えたので、その後のことは知らない。
愛希が金の枝を持って生まれ変わったことも知らないし、望和が黒い枝から生まれた事も知らない。
ここで自分が愛希だと教えれば、望和はどこに行ったのかとか言い出し、黒い狐を探そうとするだろう。
「どうなんだ?……その、俺は前の記憶があって、前の名前は伊織なんだけど…。」
朝露が答えないので、伊織の表情が曇る。
望和を、黒の事を教える?
冗談じゃない!
だから、僕はニッコリと笑って答えた。
「久しぶりですね、伊織。また会えるなんて夢のようです。」
伊織の顔がぱぁと輝く。
「良かった!やっぱり望和なんだ!良かったぁ~会えて!俺一人でどーしようかと思ってたんだぞ!」
僕は望和のフリをする事にした。
愛希の存在が無かった事になってしまうけど、仕方がない。
「ええ、今は朝露と言う名前なんです。」
「そっかぁ!俺は万歩って言うんだ。」
万歩が抱き付いて来た。
よく望和には抱き付いていたけど、愛希にはそこまでじゃ無かった。
コレからはこの銀狼は朝露のものだ。
抱き付く万歩の背に腕を回し、万歩の肩に顔を隠して朝露は笑った。
424
あなたにおすすめの小説
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される
水凪しおん
BL
「無能」と罵られ、故郷の王宮を追放された「味見係」のリオ。
行き場を失った彼を拾ったのは、氷のような美貌を持つ隣国の冷徹皇帝アレスだった。
「聖獣に何か食わせろ」という無理難題に対し、リオが作ったのは素朴な野菜スープ。しかしその料理には、食べた者を癒やす伝説のスキル【神の舌】の力が宿っていた!
聖獣を元気にし、皇帝の凍てついた心をも溶かしていくリオ。
「君は俺の宝だ」
冷酷だと思われていた皇帝からの、不器用で真っ直ぐな溺愛。
これは、捨てられた料理人が温かいご飯で居場所を作り、最高にハッピーになる物語。
冷酷無慈悲なラスボス王子はモブの従者を逃がさない
北川晶
BL
冷徹王子に殺されるモブ従者の子供時代に転生したので、死亡回避に奔走するけど、なんでか婚約者になって執着溺愛王子から逃げられない話。
ノワールは四歳のときに乙女ゲーム『花びらを恋の数だけ抱きしめて』の世界に転生したと気づいた。自分の役どころは冷酷無慈悲なラスボス王子ネロディアスの従者。従者になってしまうと十八歳でラスボス王子に殺される運命だ。
四歳である今はまだ従者ではない。
死亡回避のためネロディアスにみつからぬようにしていたが、なぜかうまくいかないし、その上婚約することにもなってしまった??
十八歳で死にたくないので、婚約も従者もごめんです。だけど家の事情で断れない。
こうなったら婚約も従者契約も撤回するよう王子を説得しよう!
そう思ったノワールはなんとか策を練るのだが、ネロディアスは撤回どころかもっと執着してきてーー!?
クールで理論派、ラスボスからなんとか逃げたいモブ従者のノワールと、そんな従者を絶対逃がさない冷酷無慈悲?なラスボス王子ネロディアスの恋愛頭脳戦。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
転生したら猫獣人になってました
おーか
BL
自分が死んだ記憶はない。
でも…今は猫の赤ちゃんになってる。
この事実を鑑みるに、転生というやつなんだろう…。
それだけでも衝撃的なのに、加えて俺は猫ではなく猫獣人で成長すれば人型をとれるようになるらしい。
それに、バース性なるものが存在するという。
第10回BL小説大賞 奨励賞を頂きました。読んで、応援して下さった皆様ありがとうございました。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる