59 / 75
8-5 死神
しおりを挟む
「死にゆくきみへ、死神からのプレゼントだよ。今日からあたしが、きみと心ゆくまで友達になってあげるという、オプションサービス! どう? わくわくするでしょ!」
仮面の下で満面の笑みを浮かべているんであろう死神が、高らかに言う。
なんなんだ、この変な死神は。
もしかして、コイツ……変なやつなんじゃ……。
思いながら、俺は大きなため息をついた。
そのとき——〝デス・デス・デス〟という不穏なメロディーの着信音が、死神のほうから聞こえてきた。
死神は着ている黒い服のポケットからスマートフォンを取り出すと、画面を見てベロッと舌を出した。
「ハーイ。何ですか、バッコさあん」
『何ですか、じゃないよねえッ?』
漏れ聞こえた通話相手の声は、穏やかながらも怒りを孕んでいるのが手にとるようにわかった。
かなり怒っているらしい。
『今きみ……〝魂のゆりかご〟にいるよねえ』
「仕事してるだけです! 死神として! 死神の能力〝冥土の土産〟の【死にゆく者の願いを何でも叶えられる力】を使いました! どうです。死神としてがんばっているでしょう! エライでしょう、あたし!」
『なるほど。きみは俺の目的の妨害をしたいんだね。以前から、不穏な動きをしているなあ、と思っていたけれど』
すると、死神の目がスッと細められたのが見えた。
「……はい。そうです」
『そうかあ。ミスばかりで死神界から解雇された落ちこぼれのきみを拾ってあげた俺への恩返しはなしかあ』
「感謝はしてます。でも死神として、魂を貪りつくそうとしている鬼上司の仕事を見逃すわけにはいきません。だって、死神の本当の仕事は魂を安らかに眠らせてあげることですから」
『……本気で俺に逆らう気なんだね?』
「いくら落ちこぼれでも、本来は回収されるはずのない魂を狩るのはもう嫌なんです! バッコさんが思い描く、魂を無断回収するための遊園地の実現なんて……死神として許すわけにはいかない。例え、落ちこぼれの死神でも!」
『そっかあ。そんじゃあ覚悟してね』
仮面の下で満面の笑みを浮かべているんであろう死神が、高らかに言う。
なんなんだ、この変な死神は。
もしかして、コイツ……変なやつなんじゃ……。
思いながら、俺は大きなため息をついた。
そのとき——〝デス・デス・デス〟という不穏なメロディーの着信音が、死神のほうから聞こえてきた。
死神は着ている黒い服のポケットからスマートフォンを取り出すと、画面を見てベロッと舌を出した。
「ハーイ。何ですか、バッコさあん」
『何ですか、じゃないよねえッ?』
漏れ聞こえた通話相手の声は、穏やかながらも怒りを孕んでいるのが手にとるようにわかった。
かなり怒っているらしい。
『今きみ……〝魂のゆりかご〟にいるよねえ』
「仕事してるだけです! 死神として! 死神の能力〝冥土の土産〟の【死にゆく者の願いを何でも叶えられる力】を使いました! どうです。死神としてがんばっているでしょう! エライでしょう、あたし!」
『なるほど。きみは俺の目的の妨害をしたいんだね。以前から、不穏な動きをしているなあ、と思っていたけれど』
すると、死神の目がスッと細められたのが見えた。
「……はい。そうです」
『そうかあ。ミスばかりで死神界から解雇された落ちこぼれのきみを拾ってあげた俺への恩返しはなしかあ』
「感謝はしてます。でも死神として、魂を貪りつくそうとしている鬼上司の仕事を見逃すわけにはいきません。だって、死神の本当の仕事は魂を安らかに眠らせてあげることですから」
『……本気で俺に逆らう気なんだね?』
「いくら落ちこぼれでも、本来は回収されるはずのない魂を狩るのはもう嫌なんです! バッコさんが思い描く、魂を無断回収するための遊園地の実現なんて……死神として許すわけにはいかない。例え、落ちこぼれの死神でも!」
『そっかあ。そんじゃあ覚悟してね』
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
インタビューwith菩薩? another
ポイント株菩薩
ホラー
惑星ブラーフの中の数ある国の一つ、サンブック国に生まれ住む男性、名をミドレン。普通の生活をしていた彼だが、出会った男が突然にインタビューしたいと言ってきた。そして、男とフェイス、トゥ、フェイスで話しをして奇妙な事を知るのであった……。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
Husband's secret (夫の秘密)
設楽理沙
ライト文芸
果たして・・
秘密などあったのだろうか!
むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ
10秒~30秒?
何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。
❦ イラストはAI生成画像 自作
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる