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異世界転移
第7話 貴方でよかった…
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水の音を頼ったこともあって滝を見つけるのはかなり簡単だったのだが、蔦はほぼ全体にあり入り口を見つけ出すのに15分程掛かってしまった。
理由としてら滝の裏にある事に加えて、深夜で明かりなど月の光ぐらいしかなかったこと。
スキル〈暗視〉があるとはいえレベルがまだ低く、殆ど何も見えず探すのに苦労した。
「流石に地面は硬いよな…」
俺は落ち葉を集めて簡易的なベットを作り、女神様を下ろした。
やっと落ち着いて考えることができる。
さっきまでは騎士達から逃げるのに必死でゆっくり考える時間はなかった、だが逃げ切った今なら少し余裕がある。
女神様の目的は世界征服と聞いている。
聞いてすぐの時は断るべきかと思ったが、混乱していたのもあったが、女神様を見捨てる事になるんじゃないかと考えてしまい断れなかった。
「はぁ…」
まぁ1人で考えても仕方ないし奪った知識の中にある使えそうな魔法使ってみるかな…
「溜息してどうしたんですか?」
「えっ!」
女神様起きてたのか?!
全然気づかなかったが、女神様は壁に寄りかかってボーッとしていた俺を見ていた。
「疲れたんですか?
私が見張ってるので交代しましょう。」
「いや大丈夫ですよ。
それに女神様、全然休めてないじゃないですか。」
俺は身体が骨のお陰で身体的な疲労は無い、だが女神様も全く引く気配はなかった。
「私少ししか魔力使ってませんし、走って疲れちゃっただけなので少しの睡眠で問題ありません。
ケントさんは魂にかなりの負担がかかる世界辺りをしたんです、それに休憩なしでずっと動いてたんですから休みましょう?」
「いや大丈bーー」
「問答無用!」
俺が断ろうとするとこのままでは埒があかないと判断したのか女神様が強行手段に出できた。
「おっとと!」
俺の霊体がスケルトンから追い出される。
そして女神様に膝枕される形で横たわらせられ、女神様の影から出てきた黒い手に拘束された。
「え、女神様?!」
「うるさいですよ、寝なさい!」
いや理不尽すぎません?
少し冷静になり、俺は初めて女の子から膝枕をされて居ることに気づいた。
「…!」
「ほら、動かないで。」
その事実に無性に恥ずかしくなって思わず抜け出そうとすると黒い手の拘束がキツくなった。
「少し話しませんか?」
「なんでしょうか?」
「この世界を征服したい理由とか教えてほしいんですよね。
ほら、此処に来るまであまり時間ありませんでしたし。」
質問に対して少しも悩む素振りを見せずとても綺麗な笑顔で応えた。
「この世界にいる神共が嫌いだからですかね!
魂まで完全に消せたら最高です。」
やっぱり現実は違うんだな。
ほら、世界を我が物にするとか、人類を滅ぼして綺麗な世界を作る、みたいな動機かと思ってた。
「それだけですか?」
「え?はい!それだけです。」
俺は目を閉じた。
しょうもないとまでは言わないが、世界征服を考えるなら何かしら大きな野望を抱えていると思っていた。
まさかただの好き嫌いだったとは…
「眠くなってきました?
ゆっくり休んでくださいね。」
「あ、うん…」
もうそれで良いや…
そのまま俺は夢の中へと旅立った。
それから暫く経った頃、女神は拘束していた魔法を解いた。
「よかった、よかったぁ!
本当に良かった!アハハハハ!」
急に人が変わったかのように笑い始めるた女神様。
笑っているのだが、そこ顔は泣いてるようにも見える。
「何人も、何人も、何人も連れて来たんです。
でもみんな自分の事ばっかり、チートがなんだとか世界征服なんて良くないとか…
此処まで私の事を考えてくれたのは貴方だけ、まぁ少しサポートしましたけど。」
かなり大きめな声を出しているのに眠りに落ちた魂が起きる気配はない。
「目的の為なら仕方ないのに人間だからって断ってくるんですよ?」
女神様は膝から健斗を降ろし、上に被さるように乗りながら顔を近づける。
「だから人間じゃない、魂だけの貴方を召喚したんです。
私の目的が世界征服って言った時の反応にはびっくりしましたんですよ?
だって、その時私は一切手を加えていないんです、貴方自身の答えだったんです。」
少しだけ怒った様な顔になり声が少し荒くなった。
「召喚した奴等に理由を聞かれて、理由を説明したら怒り出す様な奴ばかり…
でも貴方は否定しなかった、私を受け入れてくれました。」
眠っている魂の首が少しだけ動いたのを肯定したと捉えた女神様、ギュッと抱きついたあと耳元で囁くように話しだす。
「本当に、貴方で、よかったぁ~。
ずっと、ずっと、一緒です。」
頭に染み込ませるように単語ごとに切る。
女神様は魂のステータスの中でも加護の欄をみつめている。
そこは消されていたような跡があった場所、だが今はしっかりと読むことが出来ている。
そこには、
〈加護〉
痛覚無効 女神依存
残虐思考 精神安定
と書かれていた。
「まだ見せるのは早いですよね。
ずっと一緒にいたいですもん…消しておきましょう。」
魂が自らに与えられた加護を知るのは、まだまだ先の事になるだろう。
理由としてら滝の裏にある事に加えて、深夜で明かりなど月の光ぐらいしかなかったこと。
スキル〈暗視〉があるとはいえレベルがまだ低く、殆ど何も見えず探すのに苦労した。
「流石に地面は硬いよな…」
俺は落ち葉を集めて簡易的なベットを作り、女神様を下ろした。
やっと落ち着いて考えることができる。
さっきまでは騎士達から逃げるのに必死でゆっくり考える時間はなかった、だが逃げ切った今なら少し余裕がある。
女神様の目的は世界征服と聞いている。
聞いてすぐの時は断るべきかと思ったが、混乱していたのもあったが、女神様を見捨てる事になるんじゃないかと考えてしまい断れなかった。
「はぁ…」
まぁ1人で考えても仕方ないし奪った知識の中にある使えそうな魔法使ってみるかな…
「溜息してどうしたんですか?」
「えっ!」
女神様起きてたのか?!
全然気づかなかったが、女神様は壁に寄りかかってボーッとしていた俺を見ていた。
「疲れたんですか?
私が見張ってるので交代しましょう。」
「いや大丈夫ですよ。
それに女神様、全然休めてないじゃないですか。」
俺は身体が骨のお陰で身体的な疲労は無い、だが女神様も全く引く気配はなかった。
「私少ししか魔力使ってませんし、走って疲れちゃっただけなので少しの睡眠で問題ありません。
ケントさんは魂にかなりの負担がかかる世界辺りをしたんです、それに休憩なしでずっと動いてたんですから休みましょう?」
「いや大丈bーー」
「問答無用!」
俺が断ろうとするとこのままでは埒があかないと判断したのか女神様が強行手段に出できた。
「おっとと!」
俺の霊体がスケルトンから追い出される。
そして女神様に膝枕される形で横たわらせられ、女神様の影から出てきた黒い手に拘束された。
「え、女神様?!」
「うるさいですよ、寝なさい!」
いや理不尽すぎません?
少し冷静になり、俺は初めて女の子から膝枕をされて居ることに気づいた。
「…!」
「ほら、動かないで。」
その事実に無性に恥ずかしくなって思わず抜け出そうとすると黒い手の拘束がキツくなった。
「少し話しませんか?」
「なんでしょうか?」
「この世界を征服したい理由とか教えてほしいんですよね。
ほら、此処に来るまであまり時間ありませんでしたし。」
質問に対して少しも悩む素振りを見せずとても綺麗な笑顔で応えた。
「この世界にいる神共が嫌いだからですかね!
魂まで完全に消せたら最高です。」
やっぱり現実は違うんだな。
ほら、世界を我が物にするとか、人類を滅ぼして綺麗な世界を作る、みたいな動機かと思ってた。
「それだけですか?」
「え?はい!それだけです。」
俺は目を閉じた。
しょうもないとまでは言わないが、世界征服を考えるなら何かしら大きな野望を抱えていると思っていた。
まさかただの好き嫌いだったとは…
「眠くなってきました?
ゆっくり休んでくださいね。」
「あ、うん…」
もうそれで良いや…
そのまま俺は夢の中へと旅立った。
それから暫く経った頃、女神は拘束していた魔法を解いた。
「よかった、よかったぁ!
本当に良かった!アハハハハ!」
急に人が変わったかのように笑い始めるた女神様。
笑っているのだが、そこ顔は泣いてるようにも見える。
「何人も、何人も、何人も連れて来たんです。
でもみんな自分の事ばっかり、チートがなんだとか世界征服なんて良くないとか…
此処まで私の事を考えてくれたのは貴方だけ、まぁ少しサポートしましたけど。」
かなり大きめな声を出しているのに眠りに落ちた魂が起きる気配はない。
「目的の為なら仕方ないのに人間だからって断ってくるんですよ?」
女神様は膝から健斗を降ろし、上に被さるように乗りながら顔を近づける。
「だから人間じゃない、魂だけの貴方を召喚したんです。
私の目的が世界征服って言った時の反応にはびっくりしましたんですよ?
だって、その時私は一切手を加えていないんです、貴方自身の答えだったんです。」
少しだけ怒った様な顔になり声が少し荒くなった。
「召喚した奴等に理由を聞かれて、理由を説明したら怒り出す様な奴ばかり…
でも貴方は否定しなかった、私を受け入れてくれました。」
眠っている魂の首が少しだけ動いたのを肯定したと捉えた女神様、ギュッと抱きついたあと耳元で囁くように話しだす。
「本当に、貴方で、よかったぁ~。
ずっと、ずっと、一緒です。」
頭に染み込ませるように単語ごとに切る。
女神様は魂のステータスの中でも加護の欄をみつめている。
そこは消されていたような跡があった場所、だが今はしっかりと読むことが出来ている。
そこには、
〈加護〉
痛覚無効 女神依存
残虐思考 精神安定
と書かれていた。
「まだ見せるのは早いですよね。
ずっと一緒にいたいですもん…消しておきましょう。」
魂が自らに与えられた加護を知るのは、まだまだ先の事になるだろう。
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