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「お疲れ様です。ちょっといい?」
机に向かう背中に声をかけた。
「あ、お疲れ様です!はい、なんでしょうか」
驚いた顔を見せながら、笑顔で対応してくれる。
俺が11階に来た理由を伝えると
「ありがとうございます!ぜひ、ご感想をお願いします。」
他部署のよく知らない先輩からの感想なんて望む人の方が少ないだろうが、彼女が素直に喜んでくれるのが嬉しかった。
しばらく見て感想を伝える。
「全体的に見やすくていいね。ただ、ここはいまいち説得力に欠けるかな。後出しじゃんけんだから何とでも言えるんだけど、こういう風にしたほうが、テーマが一貫して分かりやすくなったかもしれない。」
終始なるほど、と頷いてメモを取る姿から仕事熱心な性格が見て取れる。
「ありがとうございます。勉強になります。」
先輩面するつもりはないが、
もっと教えてあげたくなる。
ご飯に誘いたくなる衝動をひとまず抑えて、
10階に戻った。
それからあっという間に1ヶ月ほどが過ぎ、
自分から動くことがなければ
本当に11階の人と会うなんてことはないと痛感した。
その間に1度だけ松本と堺と飲んだが
椿ちゃんの話は少なくなっていった。
ただ、松本はよく会っているらしく
聞けば毎回新しい話題が飛び出す。
付き合っているんじゃないかと思うほどだが
松本の性格からすれば、
きっと付き合ったら言うだろう。
夏前から手がけていた大きめのプロジェクトが
終わり、一段落した頃のこと。
仕事の依頼をした指嶌葵さんのコンサートが
近く名古屋で行われるらしく、
マネージャーさんから招待を受けた。
机に向かう背中に声をかけた。
「あ、お疲れ様です!はい、なんでしょうか」
驚いた顔を見せながら、笑顔で対応してくれる。
俺が11階に来た理由を伝えると
「ありがとうございます!ぜひ、ご感想をお願いします。」
他部署のよく知らない先輩からの感想なんて望む人の方が少ないだろうが、彼女が素直に喜んでくれるのが嬉しかった。
しばらく見て感想を伝える。
「全体的に見やすくていいね。ただ、ここはいまいち説得力に欠けるかな。後出しじゃんけんだから何とでも言えるんだけど、こういう風にしたほうが、テーマが一貫して分かりやすくなったかもしれない。」
終始なるほど、と頷いてメモを取る姿から仕事熱心な性格が見て取れる。
「ありがとうございます。勉強になります。」
先輩面するつもりはないが、
もっと教えてあげたくなる。
ご飯に誘いたくなる衝動をひとまず抑えて、
10階に戻った。
それからあっという間に1ヶ月ほどが過ぎ、
自分から動くことがなければ
本当に11階の人と会うなんてことはないと痛感した。
その間に1度だけ松本と堺と飲んだが
椿ちゃんの話は少なくなっていった。
ただ、松本はよく会っているらしく
聞けば毎回新しい話題が飛び出す。
付き合っているんじゃないかと思うほどだが
松本の性格からすれば、
きっと付き合ったら言うだろう。
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