契約に失敗した俺は……。

ど~はん

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61.敗北から死

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「この空間内では……。」

「はい、この空間内では。」

仲部とサハクィエルはある確信をした。
だが、これはひとつの賭けでもある。
彼らの確信の裏にあるものは、
恐怖。

もしも現実が自分たちの思い通りにならなかったら……

「賭けるとするか。」

敗北という二文字、死という覚悟が頭を駆ける。

「死になさい。」

目を真っ赤に光らせ、大きな鎌を担いだアズラーイールが仲部たちを睨む。

『死を……。』

呟きと共に仲部たちに襲いかかるアズラーイール。
鎌を大きく振りかぶる……。



場面は変わる。

「仲部さんたちが危ないっ!」

状況を把握した幸田が咄嗟に叫ぶ。

「あの空間内では私であっても能力は無効化されるでしょう。しかし、それはあくまでも空間内の話です。」

「ってことは!?」

驚いた顔でフレイヤを見る幸田。

「あの世界の唯一にして致命的な弱点は、空間の外からの攻撃は防げないということですっ!」

幸田にそう説明した直後、黄金の剣を両手に握り空間目掛けて突っ込んでいくフレイヤ。

「ふぅっ!」

四角く大きな黒い物体の壁に、一太刀入れた。



場面は戻る。


「頼むぞ、幸田とフレイヤ。」

アズラーイールが襲いかかってくる中、仲部とサハクィエルはその場を動かなかった。

鎌は振り下ろされる……が、

横から仲部たちとアズラーイールを分断するように、光が一瞬で駆け抜けた。

『な……に……。』

アズラーイールの鎌は、光に斬られ、真っ二つ折れてしまった。

「まっ、まさかっ!」

真姫は想定外の事態に唖然。

「助けに来ました。」

黄金の剣を右手に握り、後ろから太陽光に照らされ眩しく登場するフレイヤ神。

「ふぅ、死ぬかと思ったぜ。」

「救世主はタイミングが大事ですからね。」

「随分と余裕だな……サハクィエル。」

「少なくとも鉄壁たる心は持っているつもりですが?」

敵に襲われかけたという状況にも関わらず、そんな余裕な会話をする仲部たち。
負傷している幸田もやがて合流した。

一方、暗黒世界は形を崩して消えていった。

「く……大天使ミカエルが敗れたのね……。」

『どうしますか、真姫様。』

「…………。」

仲部たちを強く睨む真姫。

その時―。

「どうする?真姫よ。」

誰もいないはずの真姫の後ろから、声が聞こえた。

「なんの用?」

フードで顔のほとんどを隠した小柄な者、その隣には契約しているのだろう、天使か悪魔の姿があった。

「親が子に教育するのは普通じゃろ?」

「教育ですって?殺すの間違いじゃないのかしら。」

「言葉を濁してやったというのに……。」

現れた人物は真姫の父親だと思われる。

「…………っ。」

なにも言わずに、アズラーイールと真姫は闇の粒となって消えてしまった。

「また逃げられたか…………。」

「炙り出しますか?」

真姫の父親の隣にいる者はそう言うと、全身をオレンジに輝く炎で包み始めた。

「やめておけ……、帰るぞぃ。」

彼らは青い炎となって消えてしまった。

「なんだったんだ……。」

なにも言わずに見ていた幸田たち。

『堕天使イフリート。』

フレイヤとサハクィエルは声を揃えてそう言ってのだった―。
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