契約に失敗した俺は……。

ど~はん

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60.宣言

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「さて、そろそろ決着としましょう。」

『真姫様……、まさか……。』

契約しているアズラーイールでさえも驚く、真姫の決断とは……。



「今こそ、開闢の時。

すべてを司るは、煌々とした光でなく
暗黒なる闇である。

我は闇を制する強者つわものなり、
我世界に神など無力であり、
我世界は抗うものを滅する。

此処に……、
暗黒世界の創造を宣言する。」


真姫がそう唱えると、アズラーイールに異変が起こった。

『ウゥゥゥゥゥ……。』

アズラーイールの全身から、煙のような【悪】が放出され始める。

「暗黒……世界だと?」

「…………。」

疑問しか浮かんでこない仲部の一方、サハクィエルは何も言わなかった。

『暗黒世界の創造』
これがなんなのか、サハクィエルは知っているのだろうか……。

「なんだ!?あれは……。」

地上から様子を伺う田川も【それ】を捕らえた。

あっという間に辺りを包み込む【悪】。
それはやがて形を露にしていった。



「な……なんだ!?あの黒い長方形は……。」

「暗黒世界ですよ、幸田。」

大天使ミカエルとの戦闘を終え、仲部とサハクィエルに加勢しようとしていたフレイヤと幸田の視界にも、【それ】は現れた。

「暗黒世界?なんだそれ。」

「暗黒世界の創造。あの空間……、いや世界と言ったほうが正しいでしょう。あの世界の中に入ってしまうと出ることはできません。」

「出ることができない!?」

「恐らく創造したのはアズラーイールかと思われますが、あの世界では神はアズラーイールになります。アズラーイールがあの世界を放棄すれば出ることは可能ですが……。」


場面は戻る。

「なんだこの空間!?」

見渡す限り、煙なのか霧なのか表現しづらい紫が漂う。

つまり、仲部は暗黒世界の中にいた。


「暗黒世界……、見たのは初めてです。」

サハクィエルでも見たことも受けたこともないようだ。

「この空間に入るとどうなるんだ?」

「まず出られません、それに……。」

サハクィエルは弓矢を構え始める。

矢は煌々しい光を帯始める……が、

「…………くっ。」

その光は、矢を放つ前に弾けるように消えてしまった。

「どういうことだ……?」  

「この空間内では、抗う者の全知全能あらゆる力も無効化されます。正常に発動できるのは発動者と、発動者に認められた者のみ。」

「そういうこと、今回の発動者は私。もちろん、アズラーイールの力を借りて出来るものだけどね。」

紫の深い闇の中からゆっくりと姿を表す真姫とアズラーイール。

「あ…………。」

そんな時、あることに気づいた仲部。

「サハクィエル、この空間内では能力は無効化なんだよな。」

「はいそうですが……、あ…………。」

サハクィエルは仲部の考えていることを察した。

「ならば、勝てないこともないな!」  

仲部は呟いて笑ったのだった―。
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