契約に失敗した俺は……。

ど~はん

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13.微かに見えたもの

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「少しは強そうな天使じゃないか。」

男は苦笑いしながら言った。

『黄金の剣……。その剣、この災いの剣で消して見せよう。』

「言いますね。しかし、その剣ではこの剣には到底敵わない。」

沙夜、ブリュンヒルデ、幸多たちから見ると、まさに光と闇の戦い。

『では……いくぞ。』

アザゼルは鋭い目を赤く光らせると、禍々しい災いの剣を右手で握りしめ、フレイヤに向かって突進する。

「いいのかい?」

それを見て、アザゼルの契約者である男が幸多に向かって問う。

「どういう意味だ?」

幸多は冷静に聞き返す。

「お前の天使……。死ぬぞ?」

「死ぬ?それはどうかな。」

「まぁ、結果は分かりきってるね。」

「一目瞭然です。」

沙夜やブリュンヒルデも軽く笑いながら言った。

「絶望を味わうがいい!はっはははは。」

男は不気味に笑った。




しかし……。

「戦いなんて久しぶりですね。逆に言いましょう。私を楽しませてくれますか?アザゼル。」

突進しながら右手に持つ災いの剣を振りかぶるアザゼル。

でも、フレイヤはそれを避けようとはしない。さらに、少し笑ってるように見える。

右手で黄金の剣を持ち、剣先を左下に向けてアザゼルを見るフレイヤ。

『オオオオオオオオッ!!!!』

アザゼルは振りかぶった災いの剣で思いっきりフレイヤに一太刀入れた。

「うぁっ!」

地面が震え、空気が揺れる。
幸多たちには強い衝撃が襲った。

「あ……れ……は…。」

幸多にはアザゼルが剣を振ったと同時に、斬撃が衝撃に耐えながら微かに見えた。

立ち込める煙、風によってそれが消えていき、アザゼルとフレイヤの姿が見えるようになったきた。

幸多の見た斬撃は2つ。
ひとつはアザゼルの振った、災いの剣の紫の斬撃。
もうひとつは…………。

『グッ………!お、お前……強い…な。』

煙が消えて、幸多が見たフレイヤの姿はどこも変化がなかった。

あったとするなら、剣先が左下を向いていた黄金の剣が右上になっていた。

そしてアザゼルは…………。

『この災いの剣が負ける……とは……。』

よく見るとアザゼルが右手で握っている災いの剣は、半分から先が消えていた。

幸多が微かにみたもうひとつの斬撃は、フレイヤがアザゼルの攻撃と同時に、災いの剣を黄金の剣で断ち切ったものだった。

やがて、剣を振り体勢を低くしていたアザゼルがそのまま地面に倒れた。

なんとフレイヤの黄金の剣は、災いの剣を断ち切るだけでなく、アザゼルの体まで斬っていたのだ。

「これだけですか。もう少し楽しませて貰えると期待したのですが……。」

幸多はアザゼルと契約している男を見る。

「な………………馬鹿なっ!」

目を点にして、現実を受け止められずにいた。



闇と光の戦いは、

フレイヤの圧勝であった―。
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