契約に失敗した俺は……。

ど~はん

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17.気配と違和感

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『我はサタナエル。』

「サタナエル?」

「沙夜、サタンは知っていますよね。」

「えぇ、知ってるわ。」

「サタナエルは堕天する前のサタンの名前です。」




※少し前に『堕天使ルシファー』が登場しました。
一説によるとサタンとルシファーは同一視、また別だという説もあったりします。
ですが、この物語ではルシファーとサタンは別であることにします。
あらかじめご了承下さい。



「逃げた方がいい?」

「とりあえず逃げましょう。これは危険です。」

『ディストラクション……。』

次の瞬間―。

大きな爆発音とともに、沙夜の家は吹き飛んだのだった。

爆発直後は深い煙に包まれていた。
風によって徐々にその煙が大空へと解き放たれていく。

煙が消えると残るのは、跡形もない家の残骸。

そして、天空から【それを】見つめる者がいた。

月の逆光によりシルエットと、

『………………。』

紫に鋭く光る2つの光が見える程度であった―。

瓦礫と化した沙夜の家の入り口だったであろう場所にも、暗くて正確に顔などは見えないが誰か立っていた。 

恐らく契約者だろう、
沙夜の家を襲撃した、

【サタナエル】

という名の天使の……。

『逃げられてしまったようですね。』

『どうやらそのようで。気配もありません。』

『帰りますよ。』

『わかりました。』

サタナエルは空中に、契約者らしき人物は沙夜の家の前に。
そんな距離で、そんな小さな声で会話が通じてるのかと感じるようなやり取り。

まるで月の光に背くように、一瞬にして【そいつら】は消えてしまった。


「気配がなくなりました。」

「出ましょう。」

積み重なった家の残骸。
その中で、屋根の残骸は沙夜たちを覆い隠すのは十分な大きさであったようだ。

屋根やその他の柱などの瓦礫。それぞれを沿うように、光が駆け抜けた後それらは浮きあがった。

そうすると見えてきたのは黄色い半円。
沙夜とブリュンヒルデはこれに守られていた。

浮き上がった瓦礫は、沙夜たちを守る黄色い半円が蒸発すると同時に、塵となって風に乗って消えていった。

「はぁ……なんだったの…。」

「わかりません。ですが我々を最初から狙ってきているのは間違いないと言えますよ。」

「でもブリュンヒルデ、助かったわ。ありがとう。」

「私は小さな結界を作り出し、沙夜を瓦礫から守った程度です。礼を言うのならフレイヤ様に。」

「えっ…。」

沙夜が驚くは当然と言うべきだろう。

実はブリュンヒルデの結界はあくまでも瓦礫から沙夜を守っただけであり、気配を消すことはできない。

気配を消さなければサタナエルからバレてしまい、殺されていたかもしれない。

しかし、サタナエルは気配はなくなったと言ったのだ。
ブリュンヒルデとフレイヤは連絡がいつでも取れ、フレイヤはブリュンヒルデの状況を常に把握できるのだろう。

沙夜とブリュンヒルデの気配を消したのはフレイヤと思われる。

それに沙夜が気づくのは不可能である。



場面は幸多の部屋へ。
(サタナエルが去った時と同時刻。)

「どうやら無事去ってくれたようですね。」

やはり予想通りフレイヤが、2人の気配を消したのだった。

しかし、フレイヤは感じ取った。
現場にいなくても【あること】を。

「サタナエル……、でも契約者の様子はおかしい気が……。」


フレイヤが感じたものとは―。
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