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プロローグ
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水桜高校 音楽室(軽音部)
軽やかな曲が窓をすり抜けて大空まで広がる。
キーボーディストは、
高低幅広い音でボーカリストを後押しする:ピアノ
ゆったりとした音で、聞く者の心を掴む:オルガン
曲に様々なアクセントを与える:シンセサイザー
主にそんな音を駆使して、1人であるが鮮やかな音を奏でる。
一方ボーカリストは、キーボーディストと息をあわせて声を届ける。
これにより1つの曲になる。
音楽室にいるのはキーボーディストとボーカリストの少年少女2人だけ。
しかし、それでも産み出された音は、音楽室という小さな空間から外の世界へと広がって、やがては消えて行く。
しばらくすると曲は盛り上がりの頂点を超え終わりへと進んでいく。
『ここからがピアノの難関部分……』
キーボーディストで音を奏でているのはこの物語の主人公龍山 成羽。
そして、ボーカリストはこの物語のヒロインである水神 千瀬。
彼らは今、練習の真っ最中である。
『成羽、ここからが問題。できるよね、あなたなら!』
いよいよ曲の最終部分。
ピアノの激しい演奏で幕を閉じるこの曲は、キーボーディストとってここが最難関。
『ここからだっ!』
目では追いきれないほどの指の動き、1つの狂いもなく押さえられていく鍵盤。
『いける!今日は指が思ったより素直に動くぞ』
そして、成羽が少し高めに両手を上げて強く鍵盤を押してこの曲は終わった。
「で……できた。ようやくできた!」
「まだ1回できただけでしょ~。まぁ、とりあえずこれを100回やったら100回できるようにはしてほしいかな」
「無茶言わないでくれよ。3回か4回は失敗するよ」
「へぇ~、ってことは今からやれば97回は成功するのか……やる?」
千瀬は微笑みながら言った。
「いいいいっ、今から!?」
「まぁ、冗談だけどね。声枯れるし。今日はここで終わりますか」
「了解~」
成羽と千瀬は中学で出会った。中学も軽音部でキーボーディストとボーカリストの関係でコンビを組んでおり、高校でもそのままでやっている。
「なぁ、千瀬。叶うといいな、高校の内に」
「いいなじゃなくて、叶えてくれるんでしょ。」
「もっ、もちろんさ!」
彼らの夢。
それは……、
CD売り上げランキング。
そのトップ10に名を載せることである―。
軽やかな曲が窓をすり抜けて大空まで広がる。
キーボーディストは、
高低幅広い音でボーカリストを後押しする:ピアノ
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主にそんな音を駆使して、1人であるが鮮やかな音を奏でる。
一方ボーカリストは、キーボーディストと息をあわせて声を届ける。
これにより1つの曲になる。
音楽室にいるのはキーボーディストとボーカリストの少年少女2人だけ。
しかし、それでも産み出された音は、音楽室という小さな空間から外の世界へと広がって、やがては消えて行く。
しばらくすると曲は盛り上がりの頂点を超え終わりへと進んでいく。
『ここからがピアノの難関部分……』
キーボーディストで音を奏でているのはこの物語の主人公龍山 成羽。
そして、ボーカリストはこの物語のヒロインである水神 千瀬。
彼らは今、練習の真っ最中である。
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いよいよ曲の最終部分。
ピアノの激しい演奏で幕を閉じるこの曲は、キーボーディストとってここが最難関。
『ここからだっ!』
目では追いきれないほどの指の動き、1つの狂いもなく押さえられていく鍵盤。
『いける!今日は指が思ったより素直に動くぞ』
そして、成羽が少し高めに両手を上げて強く鍵盤を押してこの曲は終わった。
「で……できた。ようやくできた!」
「まだ1回できただけでしょ~。まぁ、とりあえずこれを100回やったら100回できるようにはしてほしいかな」
「無茶言わないでくれよ。3回か4回は失敗するよ」
「へぇ~、ってことは今からやれば97回は成功するのか……やる?」
千瀬は微笑みながら言った。
「いいいいっ、今から!?」
「まぁ、冗談だけどね。声枯れるし。今日はここで終わりますか」
「了解~」
成羽と千瀬は中学で出会った。中学も軽音部でキーボーディストとボーカリストの関係でコンビを組んでおり、高校でもそのままでやっている。
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