軽音部の恋物語は音を奏でるだけでは成立しない?

ど~はん

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1.過去からの決意

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森下もりか中学校

それが成羽と千瀬のいた中学校である。

その中学校の軽音部。

成羽たちが入部した時の人数は合計7人。
先輩たちはもうすでに5人でバンドが成立しており、成羽と千瀬しかその年は新入部員はいなかった。

仕方なく2人で始めることとなった成羽たち。

ちなみに成羽は初心者、千瀬は小さい頃から様々な楽器習ってきた。

成羽が千瀬に教えてもらいながらやっていった。

そのまま1年が過ぎて先輩2人が卒業し、成羽たちは2年生となった。

しかし、その年の新入部員は0。

成羽と千瀬、先輩3人はバンドを組むことを決めた。

「う~~~噛み合わない!」

成羽と千瀬は1年ずっと一緒にやってたせいか息はピッタリ。
それに比べて先輩たちはそれぞれバラバラで、当然成羽たちと噛み合うはずもなかった。

「1年間卒業した先輩たちとなにやってたんですか?」

我慢の限界はすぐに訪れた。
千瀬は先輩たちに強く言った。

「…………。そっ、それは……」

「花沢先輩(卒業した先輩)たちがうまく引っ張ってくれたからかな……」

「バンドは各パート息をあわせて曲を作り上げるんですよ?部分部分によってパートごと引っ張ったりすることもあります。
でもすべて引っ張られて演奏してたんではいい曲になんてなりませんし、上達しませんよ」

「それは……そうだが」

「やっぱり私たちは2人でやります。先輩たちは3人でなんとかしてください」


こんなことがあり、2年になっても2人でやっていった。



やがて成羽たちは3年生。

この年の新入部員は4人。
1人初心者の3名が経験者。
6人でバンドを組むこともできたが、
やはり新入部員たちとは息が合わず、結局2人でやることを決意した。

それだけ圧倒的に、成羽と千瀬の息は完璧だったのだ。
 


そして高校。

成羽たちは最初から2人だけでやることを決めていた。 

部長は、

「君たちがそう言うのであれば、その通りにすればいい。大丈夫、誰も文句は言わないよ」

と言ってくれたようだ。
他の部員たちからは、いわゆる仲間外れにされることもなく、

「2人のコンビか~。おもしろそう。頑張って!」

と背中を押してくれた。


そういうことで現在に至る。

この2人の過去には、まだまだたくさんのエピソードがあるが、それはまた後ほど語られるだろう…。


水桜高校の音楽室には、

今日も、2人の音色が広がる―。
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