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12 危急存亡の秋
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蝙蝠たちが激しく羽ばたきながら周囲に群がった。
「やめて,やめて!――私など食べても美味しくないわよ!」
合点のいくところがあったのか,蝙蝠たちは襲ってこない。
「何を迷っておるのだ! 殺してしまえ!」
飛び交う蝙蝠たちが烏の大群にかわった。
「烏!――馬道で烏を放ったのもあなたなのね! 恐ろしい人!」
「怖がりなされ,怯えなされよ――恐れ戦く人の顔ほど見物はあるまいて!」
「いやよ,つつかないで!――覚えているかしら! 昔,私をつつこうとして大烏の兵部卿が柿の木にぶつかって落ちたのよ。しばらく飛べなくなったのだから。噓だと思うなら兵部卿に聞いてごらんなさい!」
烏たちが挙って廊に舞いおりたきり蹲ってしまう。
「信じられぬ! 生きものを操れるのか!」
頼成が2本の手指を折り,残りの3本指で烏の群れを指せば,忽ち十字型の小剣へと変化する。手指がゆっくりあがるにつれて十字小剣も浮上していく。
「ならば,こちらはいかがかな」
手指が振りおろされる。
指先は私にむけられている。無数の十字小剣が空を切り裂き襲いかかってきた――
胸もとから白いものが躍りだす。
「蛇雄!――」
白蛇が宙で体をよじり,十字小剣を尽く受けとめた。その縄状の身体が一際白き輝きを発したかと思いきや,九つに分断されて落下する。頭部を掬いあげたものの,ほかの部位は風化するみたいに消滅してしまった……
「ほうっほうっほうっ,死んだくちなわの頭など捨てておしまいなされよ。汚らわしい」
「汚らわしくなどありません!――人の命を守ってくれた蛇ですよ! まるで神さまよ! そうよ,蛇雄は神さまだわ!」
潤む緑眼を閉じさせ,懐中におさめた。
「一風かわっておるとは聞いていたが……これほど物狂おしきおなごは世におるまいぞ」
廊に顎のつきそうなほど前屈みになったまま体を丸くかため,巨大な岩塊に変身する。岩塊がごとりごとりと動きだす。急激に速度を増した。木片を飛ばし廊を破壊しながら突進してくる!
押し潰されるすんでに庭へ飛びおり難を逃れた。しかし急角度をなし進行方向を転じた岩塊が撥ねあがる。頭上を見あげた。真上から岩塊が落下してくる。
「セイマンメイトキクンヨウシュチヤマンシンジンキュウシカシュツ!」
白羅の単衣に腕を通しただけの寝乱れ髪の足柄に抱かれていた――
私におおいかぶさる繊細な身体に,血塗れの足や臀部,腹部や胸部,腕や頭部が突きささるように降っては弾かれた。
鮮血の溢れる頸部の切断面を見せながら上下逆さまの状態で落ちた頭部は頼成,その人のものである。両眼がひらいた。生首が軽やかに跳ねながら近づいてくる。いきなり勢いをつけ高く舞いあがり,大口をあけ真っ赤な歯を剝きだしに襲いかかってきた。
紅下袴と単衣姿の兄が手にした雑袍を振りまわし,生首を払いのける。生首は空中で器用に袍を躱した。足柄が背後に私を押しこめてから,呪文を唱えながら両掌で特異な形をつくり,それを生首へ放った。
宙を舞う生首が高度を一気に落とし,動きを鈍らせる。
兄が姿勢を低めてから飛びあがり,闇に浮かぶ生首を蹴った。
生首が泥濘った地面に落ちて転がった。その行く手に集結するかのように八つに分断された身体のほかの部位が一点に吸い寄せられつつ,胸部と腹部が接合し,それに臀部,次は脚部と次々に結びあい,復元を遂げていく。ついに残すは片腕と頭部だけになる。
胴体に接着する間際の腕を,兄が蹴りあげた。腕が激しく回転しながら暗黒領域彼方へ消えていく。生首が己の腕を猛然と追跡した。
「逃がすまい!」
兄が次の一手をうとうと身構えたとき,生首が闇夜にぴたりと静止するなり,むきなおりニタリと笑う。
「天は地なり。地は天なり。混沌として境とするところなし」
頼成の声が響いた。
目につくものは闇,闇,闇,闇――である。見渡す限りの闇につつまれ何処に立っているのか,実際現に立っているのか分からない妙な感覚に憑依された。
「テイさま!」
足柄が叫ぶと同時に,上下前後左右の知れぬ闇を突き破り,夥しい数の腕が先を争い,のびいたる。密生した腕は兄の手足や胴に絡み,思いおもいの方向に勾引しようと撓ったり張ったりを繰り返す。
足柄の一喝で,無数の腕は筋骨隆々たる巨木のごとく一つの腕に集約されたが,その腕は肉厚な手をひらき,兄を仰向けに叩き伏せてしまった。尖った手指が単衣から露出する胸や腹に食いこんでいく。激しくうねる咽喉に生首が食らいつく――
「いやぁ,いやです!」
足柄が駆け寄り,泣き声で呪文を並べ,術を連発するも全く効果はない。
烏帽子のずり落ちる顔面が変色し,表情が虚ろになっていく。
「ほぅっほぅっほぅっほぅっほぅっ――」
哄笑が封鎖された夜に谺する。
「動揺しておりますぞ! 内覧の御方さまの弱みは定義であったか!」
頼成――許さない!――
「おのれ! 狂女が! 放さんか!」
生首が悲鳴まじりに喚いている。
生首の髻を摑んで地面に幾度も叩きつける自らの存在に気づいた。
「ひゃっ……」
生首を放りだし,尻餅をつく。
キリキリリと不快な音が耳に届く。生首の歯軋りらしい。
「……うぬには難儀させられるのう……」
輪郭をとどめない,ひしゃげた顔で睨みつける。
「ただではおくまいぞ……内覧と定義を片付けたのち思い知らせてやるゆえ首を洗って待っておれ!」
「2人に何かしてみなさい! 承知しませんよ!」――天罰がくだればいい!
青い稲妻が天空を駆けた。
呪縛から解き放たれるみたいに全身にのしかかる重圧がとれていく。闇が切り裂かれ,爆音と暴風と激震にのまれる。電光が龍を描いて地上にくだり,生首を貫いて去る。
名を呼ばれた。兄が身体の均衡の覚束ない状態で,足柄に介抱されながら立ちあがる。近づけば,神妙な顔つきで妹の肩や腕をぽんぽん叩いて案配をはかっている。
「何ともないわ。兄上こそ大丈夫?」
「俺は平気さ――」
安堵から頰が緩まり白い歯もこぼれたが,瞬く間に微笑は搔き消え,表情が険を帯びた。
「おまえはどうしていつも無謀な行為をするのだ! 黙って局を抜けだした挙げ句,忌まわしき事態をひき起こしてしまうとは――」
そう視線を斜めに移す。その先には切断された右腕を,左手で握りしめる首なし人間が横様に倒れている。後湾する脊柱の傍らに黒焦げの残骸が転がっていた。雷にうたれた頼成の頭部である。
「騒ぎたてて面倒になるのは厄介だ。幸い誰も見ておらぬ。一刻も早う――」
と,私の手をひくが,それを押し返す。
「申しひらきはあとで――今は助けを呼んで。宮さまのお命が危ないの!」
あらましを聞いた兄が苛々と足柄に指示をくだす。足柄が御湯殿へと走り,間を置かず戻ってくると首を横に振った。
「内侍のみ息があります」
「どういうこと――ねぇ,それって――」
「そういうことだ!」
兄に腕を摑まれる。
「菅原家危急存亡の秋に陥った。内侍とは話をつける。ゆえにおまえは何も申すな」
有無を言わさず抱きあげられて局に戻される。
「間違っているわ! 真実を話すべきよ!」
兄は両眼を閉じ,唇を嚙みしめながら妹の非難を聞き捨てていたが,ついに堪忍袋の緒を切らし,黙れと叱咤した。
足柄が怖ずおずと私のそばに立つ。
兄がいきなり足柄の頰をぶった――
足柄がなよなよと崩れ,傾斜した体勢のまま頰を押さえて兄を見あげる。
「何をするのよ!」
私が突き飛ばせば,兄はわずかによろめきながら顔を背けた。
「おまえと一緒だと,悪いことばかり起きる。あの夜も,今宵も――おまえといた俺を,神が罰しているのだ」
声が震えていた。
「去れ――もう俺の前に姿を見せるな」
脱ぎ捨てた雑袍が翻りながら足柄の肩にかかる。濡れそぼって局の外に立っていた肌はいまだに乾かないのか,単衣から透ける身がじっとりした湿感のある艶を帯びていた。
「申し……訳……ございまぁ……」
絶えだえに答えるものの,最後まで息が続かず,首を垂れた。絹の黒髪がさらりと落ちかかり面を隠す。一雫おりた涙露を恥じるように左右の肩にこぼれる袍の端々を喉もとで搔きあわせ,たっと小走りに局を逃げ去っていく。
「追いかけて――今すぐ追いかけてよ――」
不埒者に詰め寄るも,まるで相手にしない。
「非難の矛先が違うじゃないの。腹立ち紛れに怒りを足柄にぶつけるなんて情けない」
「あれが来なければ,おまえが局を抜けだすこともなかったぜ」
「恥を知りなさい。男のくせに手をあげたりして――」
「そうさ,恥知らずだよ――女に手をあげる男は」
「まあぁ……ひらきなおるつもり? 足柄は女子よ――とりわけ兄上の前では」
兄は几帳のなかに滑りいった。
「やめて,やめて!――私など食べても美味しくないわよ!」
合点のいくところがあったのか,蝙蝠たちは襲ってこない。
「何を迷っておるのだ! 殺してしまえ!」
飛び交う蝙蝠たちが烏の大群にかわった。
「烏!――馬道で烏を放ったのもあなたなのね! 恐ろしい人!」
「怖がりなされ,怯えなされよ――恐れ戦く人の顔ほど見物はあるまいて!」
「いやよ,つつかないで!――覚えているかしら! 昔,私をつつこうとして大烏の兵部卿が柿の木にぶつかって落ちたのよ。しばらく飛べなくなったのだから。噓だと思うなら兵部卿に聞いてごらんなさい!」
烏たちが挙って廊に舞いおりたきり蹲ってしまう。
「信じられぬ! 生きものを操れるのか!」
頼成が2本の手指を折り,残りの3本指で烏の群れを指せば,忽ち十字型の小剣へと変化する。手指がゆっくりあがるにつれて十字小剣も浮上していく。
「ならば,こちらはいかがかな」
手指が振りおろされる。
指先は私にむけられている。無数の十字小剣が空を切り裂き襲いかかってきた――
胸もとから白いものが躍りだす。
「蛇雄!――」
白蛇が宙で体をよじり,十字小剣を尽く受けとめた。その縄状の身体が一際白き輝きを発したかと思いきや,九つに分断されて落下する。頭部を掬いあげたものの,ほかの部位は風化するみたいに消滅してしまった……
「ほうっほうっほうっ,死んだくちなわの頭など捨てておしまいなされよ。汚らわしい」
「汚らわしくなどありません!――人の命を守ってくれた蛇ですよ! まるで神さまよ! そうよ,蛇雄は神さまだわ!」
潤む緑眼を閉じさせ,懐中におさめた。
「一風かわっておるとは聞いていたが……これほど物狂おしきおなごは世におるまいぞ」
廊に顎のつきそうなほど前屈みになったまま体を丸くかため,巨大な岩塊に変身する。岩塊がごとりごとりと動きだす。急激に速度を増した。木片を飛ばし廊を破壊しながら突進してくる!
押し潰されるすんでに庭へ飛びおり難を逃れた。しかし急角度をなし進行方向を転じた岩塊が撥ねあがる。頭上を見あげた。真上から岩塊が落下してくる。
「セイマンメイトキクンヨウシュチヤマンシンジンキュウシカシュツ!」
白羅の単衣に腕を通しただけの寝乱れ髪の足柄に抱かれていた――
私におおいかぶさる繊細な身体に,血塗れの足や臀部,腹部や胸部,腕や頭部が突きささるように降っては弾かれた。
鮮血の溢れる頸部の切断面を見せながら上下逆さまの状態で落ちた頭部は頼成,その人のものである。両眼がひらいた。生首が軽やかに跳ねながら近づいてくる。いきなり勢いをつけ高く舞いあがり,大口をあけ真っ赤な歯を剝きだしに襲いかかってきた。
紅下袴と単衣姿の兄が手にした雑袍を振りまわし,生首を払いのける。生首は空中で器用に袍を躱した。足柄が背後に私を押しこめてから,呪文を唱えながら両掌で特異な形をつくり,それを生首へ放った。
宙を舞う生首が高度を一気に落とし,動きを鈍らせる。
兄が姿勢を低めてから飛びあがり,闇に浮かぶ生首を蹴った。
生首が泥濘った地面に落ちて転がった。その行く手に集結するかのように八つに分断された身体のほかの部位が一点に吸い寄せられつつ,胸部と腹部が接合し,それに臀部,次は脚部と次々に結びあい,復元を遂げていく。ついに残すは片腕と頭部だけになる。
胴体に接着する間際の腕を,兄が蹴りあげた。腕が激しく回転しながら暗黒領域彼方へ消えていく。生首が己の腕を猛然と追跡した。
「逃がすまい!」
兄が次の一手をうとうと身構えたとき,生首が闇夜にぴたりと静止するなり,むきなおりニタリと笑う。
「天は地なり。地は天なり。混沌として境とするところなし」
頼成の声が響いた。
目につくものは闇,闇,闇,闇――である。見渡す限りの闇につつまれ何処に立っているのか,実際現に立っているのか分からない妙な感覚に憑依された。
「テイさま!」
足柄が叫ぶと同時に,上下前後左右の知れぬ闇を突き破り,夥しい数の腕が先を争い,のびいたる。密生した腕は兄の手足や胴に絡み,思いおもいの方向に勾引しようと撓ったり張ったりを繰り返す。
足柄の一喝で,無数の腕は筋骨隆々たる巨木のごとく一つの腕に集約されたが,その腕は肉厚な手をひらき,兄を仰向けに叩き伏せてしまった。尖った手指が単衣から露出する胸や腹に食いこんでいく。激しくうねる咽喉に生首が食らいつく――
「いやぁ,いやです!」
足柄が駆け寄り,泣き声で呪文を並べ,術を連発するも全く効果はない。
烏帽子のずり落ちる顔面が変色し,表情が虚ろになっていく。
「ほぅっほぅっほぅっほぅっほぅっ――」
哄笑が封鎖された夜に谺する。
「動揺しておりますぞ! 内覧の御方さまの弱みは定義であったか!」
頼成――許さない!――
「おのれ! 狂女が! 放さんか!」
生首が悲鳴まじりに喚いている。
生首の髻を摑んで地面に幾度も叩きつける自らの存在に気づいた。
「ひゃっ……」
生首を放りだし,尻餅をつく。
キリキリリと不快な音が耳に届く。生首の歯軋りらしい。
「……うぬには難儀させられるのう……」
輪郭をとどめない,ひしゃげた顔で睨みつける。
「ただではおくまいぞ……内覧と定義を片付けたのち思い知らせてやるゆえ首を洗って待っておれ!」
「2人に何かしてみなさい! 承知しませんよ!」――天罰がくだればいい!
青い稲妻が天空を駆けた。
呪縛から解き放たれるみたいに全身にのしかかる重圧がとれていく。闇が切り裂かれ,爆音と暴風と激震にのまれる。電光が龍を描いて地上にくだり,生首を貫いて去る。
名を呼ばれた。兄が身体の均衡の覚束ない状態で,足柄に介抱されながら立ちあがる。近づけば,神妙な顔つきで妹の肩や腕をぽんぽん叩いて案配をはかっている。
「何ともないわ。兄上こそ大丈夫?」
「俺は平気さ――」
安堵から頰が緩まり白い歯もこぼれたが,瞬く間に微笑は搔き消え,表情が険を帯びた。
「おまえはどうしていつも無謀な行為をするのだ! 黙って局を抜けだした挙げ句,忌まわしき事態をひき起こしてしまうとは――」
そう視線を斜めに移す。その先には切断された右腕を,左手で握りしめる首なし人間が横様に倒れている。後湾する脊柱の傍らに黒焦げの残骸が転がっていた。雷にうたれた頼成の頭部である。
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「内侍のみ息があります」
「どういうこと――ねぇ,それって――」
「そういうことだ!」
兄に腕を摑まれる。
「菅原家危急存亡の秋に陥った。内侍とは話をつける。ゆえにおまえは何も申すな」
有無を言わさず抱きあげられて局に戻される。
「間違っているわ! 真実を話すべきよ!」
兄は両眼を閉じ,唇を嚙みしめながら妹の非難を聞き捨てていたが,ついに堪忍袋の緒を切らし,黙れと叱咤した。
足柄が怖ずおずと私のそばに立つ。
兄がいきなり足柄の頰をぶった――
足柄がなよなよと崩れ,傾斜した体勢のまま頰を押さえて兄を見あげる。
「何をするのよ!」
私が突き飛ばせば,兄はわずかによろめきながら顔を背けた。
「おまえと一緒だと,悪いことばかり起きる。あの夜も,今宵も――おまえといた俺を,神が罰しているのだ」
声が震えていた。
「去れ――もう俺の前に姿を見せるな」
脱ぎ捨てた雑袍が翻りながら足柄の肩にかかる。濡れそぼって局の外に立っていた肌はいまだに乾かないのか,単衣から透ける身がじっとりした湿感のある艶を帯びていた。
「申し……訳……ございまぁ……」
絶えだえに答えるものの,最後まで息が続かず,首を垂れた。絹の黒髪がさらりと落ちかかり面を隠す。一雫おりた涙露を恥じるように左右の肩にこぼれる袍の端々を喉もとで搔きあわせ,たっと小走りに局を逃げ去っていく。
「追いかけて――今すぐ追いかけてよ――」
不埒者に詰め寄るも,まるで相手にしない。
「非難の矛先が違うじゃないの。腹立ち紛れに怒りを足柄にぶつけるなんて情けない」
「あれが来なければ,おまえが局を抜けだすこともなかったぜ」
「恥を知りなさい。男のくせに手をあげたりして――」
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