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16 小袿の主
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「かようなときに賭け事か,新たな遊戯か?」
今上天皇の御出座しであった。
一斉に公卿たちが室内の両端に分かれ,整然と並びなおした。内侍も慌ただしく身形を整え,その場に平伏する。ほかの女房たちに混じって私も跪く。執子も女房の列に加わった。
「女房の衣を剝ぐとは怪しからぬ。能信の好みそうなあくどい趣向よ」
「いずれ,上も御一緒に――」
能信が目をあげて人懐っこい笑みを見せた。
「こやつめ――」
面窶れした天皇がふきだした。しかし,すぐさま沈痛な面持ちに返る。
「実は――内親王が――祐子が中宮の死に気づいた。病のため別所に移ったと説いてみても,まるで聞く耳をもたぬ。話すのも歩くのも通常より随分早かった子だ。きっと人より飛び抜けて聡く敏感なのだろう」
大きく頷いてみせた能信に,天皇が体をむけた。
「昨旦中宮が祐子に申したというのだ――母と別れても強う生きていけと。自らの宿世を悟っていたようではないか」
「上!――」
能信が感極まった声を発し,涙ぐむ天皇に居ざり寄ると,両肩を抱く。
「白々しい……」
教通が明け透けの反感を示す。
「繰り返し中宮のお命を狙ってきたのは,皇后宮禎子さまの一派だという専らの噂」
「何を申すのだ!」
能信が真顔で怒号した。
「無礼にもほどがあろうが!」
「こ,皇后宮大夫のおまえも,一枚嚙んでおるやもしれんの?――いや,首謀者だろう?」
「何で俺が中宮を殺める必要がある! 中宮の男子出産を阻み,皇后宮さまのお子を帝位にお就けするためか! それなら俺は中宮存命のまま成し遂げられたわ! 俺は暗殺なんぞに手を染めずとも正々堂々と尊仁親王さまに帝とおなりいただく!」
あまりの潔さに天皇が見惚れている。
「これ,隠忍自重せぬか。場所柄を弁え,言動を慎め」
頼通が窘めるが,能信は憤りをおさめようとしない。
「我らは一枚岩ぞ! 皇后宮さまと尊仁親王さまに心酔し,滅私奉公する忠臣の精鋭たちだ! 主君に誠を捧げる,結束揺るぎなき臣下こそ,あらまほしき国づくりを為せるというもの! しかし中宮勢力側には内訌でも起きておるのか? 中宮を排除せんとする輩が譎詐百端を巡らし,許すまじき醜悪な陰謀を完遂せしめたのだ!」
「控えよ,能信!」
教通が立ちあがる。能信も勢いこんで起立し,頭二つ分ほど高い位置から教通を見おろした。
「娘の生子を入内させんと働きかけているそうな――中宮が昨夜亡くなったばかりというに」
教通が頼通を窺った。
「ち,違うのです。あ,あ,兄上――」
頼通は端座したまま正面を見ている。教通がたどたどしく言葉を継ぎつつ,両腕をあげさげした。
「あの,あ,兄上――私は何も――入内の話は予てより考えていたことで――」
「予てより?」
能信が口を挟む。
「予てより考えておったとは――兄,関白左大臣の娘御が中宮に座しておられるに,不敬ではないのか?」
「能信!……」
教通が歯軋りした。
「私欲に塗れた者などに,正しき政はできぬわ!」
能信が一喝する。
「ノ,ウ,シ,ム?……」
天皇がその名を音読みで呼んだ。
「ははぁ……」
親愛の情を示され,浅黒い頰を染めつつ,恭しく礼をして両膝をつく。
「――して,案件につき大要は判明したか?」
天皇の問いに対し,内侍と能信とが同時に口をひらいたが,主から制止を受けて内侍は黙した。
昨夜を襲った荒天の落雷後に御湯殿で内侍に発見された中宮変死体を巡る調査過程において,頼宗により不審な女房を目撃した事実が明かされ,香を手がかりに女房の割りだしに及んでいたという経緯が簡明に奏上された。
「女を突きとめられたか?」
天皇が前のめりになる。
「ははっ――」
能信が辞儀をしてから,執子を視線で刺す。
「先の問いに答えよ! 小袿は誰のものか! 有り体に申せよ!」
執子のこちらを掠め見るのが目端に認められた。
「……私が小袿を盗んだのは――」
天皇の執子に対する注視がするりと逸れた。
「これ,ならぬ。参ってはならぬと約したであろうに――」
「母さまは殺されたのです! 上さま,母さまの敵を討ってください!」
祐子内親王が振り分け髪を乱して立っていた。
「祐子さま――」
内侍が墨染めを被ったまま摺り足で素早く近づき,片手で抱き寄せようとするが,内親王は身を躱し,白い小粒な歯を剝いた。
「汚らわしい! 触れるでない! おまえが母さまを殺したのであろう!」
居あわせた者たちがざわめいた。
「……何を宣われるので――」
「黙れ! 汚らわしい声を聞かせるな! おまえは全てが汚らわしい! 声も姿形も心も全てが!」
内侍のただならぬ気配が墨染めの奥から伝わった。
「母さまはおまえを嫌っていたぞ! おまえの差しだすものなど決して口にするなと仰せになっていた!」
「これこれ,おなごがさようにいきりたってはならぬ」
天皇がそばへ来て内親王の髪を整えた。
「でも!――でも,でも内侍の献上した餅を猫の雪児が食して死んだのです! 毒が盛られていたのです!」
一同が内侍に注目した。
「身に覚えがございませぬ」
内侍が浮いた笑いを含む声で答える。
「母御の姿が見えぬので気が立っておるのだな。病が癒えれば,じきに戻ってこようぞ」
悲鳴にも似た声を発し,内親王が眼前の胸を突けば,天皇がふらりと横倒れした。
「お上に手をあげるとは許されませんぞ!」
内侍が勢いこんで膝を立てた。墨染め衣が落ちて鬼の形相が露呈した。熱湯に火傷した顔面が見るも無残なありさまだった。
御湯殿における非道凶行が脳裏を過った。臆病ゆえに救出の術を尽くさずして見殺しにした中宮の赤黒い面が眼底にまざまざと蘇り,胸が張り裂けそうになる。幼い内親王たちを打算,駆け引き,陰謀の交錯する政争渦中に残していくことはさぞや無念であったろう。
「お待ちくださいませ……」
つい声を漏らした。
「黙りぁれ! 新参女房が出過ぎた真似を!」
糸のごとき両眼がひきつった。
「――モノガタリヒメ!」
内親王が駆け寄って抱きつくなり火のついたように泣きだした。当然である。幼な子がただ独り,計り知れぬ巨大な恐怖と不安に対峙していたのであるから。
「今宵の詮議はもうよそう」
頼通が,袖や扇で顔をおおう天皇と公卿たちを見渡しながら告げた。
「みなも疲労の色が濃いようだ」
「むべなり――」
能信が同調した。が――
「衣の主を明らかにさせたのちに」
床の小袿を掬いあげると,胸中の泣き声がやむ。
「内覧の御方さまの?……」
か細い声が重く響いた。
一同の静まり返るなかを,能信が近づいてくる。
「この衣の持ち主の名をおっしゃったのですか?」
と,小袿を内親王の眼前に広げてみせる。
「内覧の御方さまのにおいがするから……」
内親王は,知らぬうちに犯した過ちを気づいたみたいな戸惑いと,心配に満ちた表情で私を見あげた。
「あの――実は,恐れ多くて申しあげられずにおりましたが――」
麗子が額を床にこすりつけ,わずかに浮かした両眼で虚空の一点を見定めた。
「私も内覧の御方さまのお香ではないかと存じておりました。と申しますのも,誠に心惹かれるかおりにて,調合の成分や方法を度々伺ったのでございますが,一向にお教えいただけませんでした。そちらの御衣ににおうお香は,内覧の御方さまにしか調合できませぬ。内覧の御方さまだけが纏うておられるお香なのでございます――」
麗子の話の終わらぬうちに執子ががばりと平伏した。
「内覧の御方さまをお慕いしておりました! どうしても欲しくてたまらず,小袿を盗んでしまったのです!」
能信が頼通を直視した。
「いかに為せばよいものか――」
頼通は微動だにせず,真正面をむいているばかりである。
「そう言えば,今朝から内覧の御方さまをお見かけしませぬな」
と,実資が言う。
「体調が優れぬとかで臥せっておられるそうな」
と,教通が答える。
「普段はすこぶるお健やかな内覧殿が珍しい。何ゆえ今般に限り臥せっておられるのか」
能信の煽動が勢いを増した。
「内覧殿をお呼びせねばなりますまいな」
「違う――違うのじゃ!――」
頼宗が喚いた。
「別人じゃ! わしが見たのは,内覧の御方さまではないぞ!」
「兄上!――」
能信が叱りつける。
「お目のたいそうお悪い兄上がしかと内覧殿ではなかったと,どうしておっしゃれるのです。そもそも昨夜御覧になったのも女人ではなく女扮の麗夫であったのです――関白左大臣殿に気兼ねされての御配慮かと存じますが,真相を究明するに欠かせぬ人物なのです。なれば相手が誰であろうと,詮議にかけねばなりませぬ」
「承知した――」
頼通が物静かな口調で述べた。
「私から話そう。今宵はこれにて――」
一気に形勢が決定づけられていくように思われた。
今上天皇の御出座しであった。
一斉に公卿たちが室内の両端に分かれ,整然と並びなおした。内侍も慌ただしく身形を整え,その場に平伏する。ほかの女房たちに混じって私も跪く。執子も女房の列に加わった。
「女房の衣を剝ぐとは怪しからぬ。能信の好みそうなあくどい趣向よ」
「いずれ,上も御一緒に――」
能信が目をあげて人懐っこい笑みを見せた。
「こやつめ――」
面窶れした天皇がふきだした。しかし,すぐさま沈痛な面持ちに返る。
「実は――内親王が――祐子が中宮の死に気づいた。病のため別所に移ったと説いてみても,まるで聞く耳をもたぬ。話すのも歩くのも通常より随分早かった子だ。きっと人より飛び抜けて聡く敏感なのだろう」
大きく頷いてみせた能信に,天皇が体をむけた。
「昨旦中宮が祐子に申したというのだ――母と別れても強う生きていけと。自らの宿世を悟っていたようではないか」
「上!――」
能信が感極まった声を発し,涙ぐむ天皇に居ざり寄ると,両肩を抱く。
「白々しい……」
教通が明け透けの反感を示す。
「繰り返し中宮のお命を狙ってきたのは,皇后宮禎子さまの一派だという専らの噂」
「何を申すのだ!」
能信が真顔で怒号した。
「無礼にもほどがあろうが!」
「こ,皇后宮大夫のおまえも,一枚嚙んでおるやもしれんの?――いや,首謀者だろう?」
「何で俺が中宮を殺める必要がある! 中宮の男子出産を阻み,皇后宮さまのお子を帝位にお就けするためか! それなら俺は中宮存命のまま成し遂げられたわ! 俺は暗殺なんぞに手を染めずとも正々堂々と尊仁親王さまに帝とおなりいただく!」
あまりの潔さに天皇が見惚れている。
「これ,隠忍自重せぬか。場所柄を弁え,言動を慎め」
頼通が窘めるが,能信は憤りをおさめようとしない。
「我らは一枚岩ぞ! 皇后宮さまと尊仁親王さまに心酔し,滅私奉公する忠臣の精鋭たちだ! 主君に誠を捧げる,結束揺るぎなき臣下こそ,あらまほしき国づくりを為せるというもの! しかし中宮勢力側には内訌でも起きておるのか? 中宮を排除せんとする輩が譎詐百端を巡らし,許すまじき醜悪な陰謀を完遂せしめたのだ!」
「控えよ,能信!」
教通が立ちあがる。能信も勢いこんで起立し,頭二つ分ほど高い位置から教通を見おろした。
「娘の生子を入内させんと働きかけているそうな――中宮が昨夜亡くなったばかりというに」
教通が頼通を窺った。
「ち,違うのです。あ,あ,兄上――」
頼通は端座したまま正面を見ている。教通がたどたどしく言葉を継ぎつつ,両腕をあげさげした。
「あの,あ,兄上――私は何も――入内の話は予てより考えていたことで――」
「予てより?」
能信が口を挟む。
「予てより考えておったとは――兄,関白左大臣の娘御が中宮に座しておられるに,不敬ではないのか?」
「能信!……」
教通が歯軋りした。
「私欲に塗れた者などに,正しき政はできぬわ!」
能信が一喝する。
「ノ,ウ,シ,ム?……」
天皇がその名を音読みで呼んだ。
「ははぁ……」
親愛の情を示され,浅黒い頰を染めつつ,恭しく礼をして両膝をつく。
「――して,案件につき大要は判明したか?」
天皇の問いに対し,内侍と能信とが同時に口をひらいたが,主から制止を受けて内侍は黙した。
昨夜を襲った荒天の落雷後に御湯殿で内侍に発見された中宮変死体を巡る調査過程において,頼宗により不審な女房を目撃した事実が明かされ,香を手がかりに女房の割りだしに及んでいたという経緯が簡明に奏上された。
「女を突きとめられたか?」
天皇が前のめりになる。
「ははっ――」
能信が辞儀をしてから,執子を視線で刺す。
「先の問いに答えよ! 小袿は誰のものか! 有り体に申せよ!」
執子のこちらを掠め見るのが目端に認められた。
「……私が小袿を盗んだのは――」
天皇の執子に対する注視がするりと逸れた。
「これ,ならぬ。参ってはならぬと約したであろうに――」
「母さまは殺されたのです! 上さま,母さまの敵を討ってください!」
祐子内親王が振り分け髪を乱して立っていた。
「祐子さま――」
内侍が墨染めを被ったまま摺り足で素早く近づき,片手で抱き寄せようとするが,内親王は身を躱し,白い小粒な歯を剝いた。
「汚らわしい! 触れるでない! おまえが母さまを殺したのであろう!」
居あわせた者たちがざわめいた。
「……何を宣われるので――」
「黙れ! 汚らわしい声を聞かせるな! おまえは全てが汚らわしい! 声も姿形も心も全てが!」
内侍のただならぬ気配が墨染めの奥から伝わった。
「母さまはおまえを嫌っていたぞ! おまえの差しだすものなど決して口にするなと仰せになっていた!」
「これこれ,おなごがさようにいきりたってはならぬ」
天皇がそばへ来て内親王の髪を整えた。
「でも!――でも,でも内侍の献上した餅を猫の雪児が食して死んだのです! 毒が盛られていたのです!」
一同が内侍に注目した。
「身に覚えがございませぬ」
内侍が浮いた笑いを含む声で答える。
「母御の姿が見えぬので気が立っておるのだな。病が癒えれば,じきに戻ってこようぞ」
悲鳴にも似た声を発し,内親王が眼前の胸を突けば,天皇がふらりと横倒れした。
「お上に手をあげるとは許されませんぞ!」
内侍が勢いこんで膝を立てた。墨染め衣が落ちて鬼の形相が露呈した。熱湯に火傷した顔面が見るも無残なありさまだった。
御湯殿における非道凶行が脳裏を過った。臆病ゆえに救出の術を尽くさずして見殺しにした中宮の赤黒い面が眼底にまざまざと蘇り,胸が張り裂けそうになる。幼い内親王たちを打算,駆け引き,陰謀の交錯する政争渦中に残していくことはさぞや無念であったろう。
「お待ちくださいませ……」
つい声を漏らした。
「黙りぁれ! 新参女房が出過ぎた真似を!」
糸のごとき両眼がひきつった。
「――モノガタリヒメ!」
内親王が駆け寄って抱きつくなり火のついたように泣きだした。当然である。幼な子がただ独り,計り知れぬ巨大な恐怖と不安に対峙していたのであるから。
「今宵の詮議はもうよそう」
頼通が,袖や扇で顔をおおう天皇と公卿たちを見渡しながら告げた。
「みなも疲労の色が濃いようだ」
「むべなり――」
能信が同調した。が――
「衣の主を明らかにさせたのちに」
床の小袿を掬いあげると,胸中の泣き声がやむ。
「内覧の御方さまの?……」
か細い声が重く響いた。
一同の静まり返るなかを,能信が近づいてくる。
「この衣の持ち主の名をおっしゃったのですか?」
と,小袿を内親王の眼前に広げてみせる。
「内覧の御方さまのにおいがするから……」
内親王は,知らぬうちに犯した過ちを気づいたみたいな戸惑いと,心配に満ちた表情で私を見あげた。
「あの――実は,恐れ多くて申しあげられずにおりましたが――」
麗子が額を床にこすりつけ,わずかに浮かした両眼で虚空の一点を見定めた。
「私も内覧の御方さまのお香ではないかと存じておりました。と申しますのも,誠に心惹かれるかおりにて,調合の成分や方法を度々伺ったのでございますが,一向にお教えいただけませんでした。そちらの御衣ににおうお香は,内覧の御方さまにしか調合できませぬ。内覧の御方さまだけが纏うておられるお香なのでございます――」
麗子の話の終わらぬうちに執子ががばりと平伏した。
「内覧の御方さまをお慕いしておりました! どうしても欲しくてたまらず,小袿を盗んでしまったのです!」
能信が頼通を直視した。
「いかに為せばよいものか――」
頼通は微動だにせず,真正面をむいているばかりである。
「そう言えば,今朝から内覧の御方さまをお見かけしませぬな」
と,実資が言う。
「体調が優れぬとかで臥せっておられるそうな」
と,教通が答える。
「普段はすこぶるお健やかな内覧殿が珍しい。何ゆえ今般に限り臥せっておられるのか」
能信の煽動が勢いを増した。
「内覧殿をお呼びせねばなりますまいな」
「違う――違うのじゃ!――」
頼宗が喚いた。
「別人じゃ! わしが見たのは,内覧の御方さまではないぞ!」
「兄上!――」
能信が叱りつける。
「お目のたいそうお悪い兄上がしかと内覧殿ではなかったと,どうしておっしゃれるのです。そもそも昨夜御覧になったのも女人ではなく女扮の麗夫であったのです――関白左大臣殿に気兼ねされての御配慮かと存じますが,真相を究明するに欠かせぬ人物なのです。なれば相手が誰であろうと,詮議にかけねばなりませぬ」
「承知した――」
頼通が物静かな口調で述べた。
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