憧れの騎士は幼馴染

都築稔

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プロローグ

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「スミレッ!!!」

少し離れたところでお父様の声が聞こえた。でも今の私にはそれに応える余裕はない。

「グワァァァアアア!!!」

目の前には、気持ち悪く涎を垂らした熊型の魔物。

あぁ、私ここで死ぬんだ。

私がここでみんなの元に逃げても、みんなも危険に晒すだけだ。それなら1秒でもみんなが立て直す時間を作らないと。

「おいっ!」

死を覚悟して目を閉じた。

みんな、ごめんなさい。危ないからって言われてたのに我儘言って…自業自得よね。お父様、お母様、こんな親不孝な娘でごめんなさい。迷惑かけてばかりだったわ。

ザシュッッ!!

頰に血がついた。…の割に全然痛くない。

恐る恐る目を開くと、目の前に甲冑姿の人が立っていた。逆光で顔がよく見えない。

…私、助かったの?

「大丈夫か!?」

甲冑男は振り返り、私の肩を掴んだ。

「どこか痛いところはないか?」

ザラついた太い声。聞いたことはないはずのに、何処か安心感のある声だった。

大丈夫です。助けてくださって、ありがとうございます。

みんなを心配させないためにもそう言いたかったのに、うまく声が出ない。

「…っ!……」

何か言ってるんだというのはわかるのに、何を言ってるのかわからない。

なんて言ってるの?あなたは誰ですか?

聞きたいことも、言いたいこともたくさんあるのに、だんだんと重くなる瞼に勝てなかった。

ダメよ、こんなところでなんて。

起きなきゃ。

意識とは裏腹に、私はそのまま意識を手放してしまった。
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