将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

文字の大きさ
8 / 150

ルカ様になら、喜んで絡めとられます

しおりを挟む

ルカ様は扉が閉まるまで、お父様がちゃんと出て行ったか目で確認していた。

あれ、これはまた2人っきりなんじゃ・・・と気づいた時には既に遅く、腕を絡めて頭をスリスリと擦り付けてくる。

え、あの・・・

「何を、なさっているんですか?」

「マーキング。」

「マーキング、ですか。」

推しに所有欲を出されてる!そんなことしなくても、私なんかでよければお側にいますって!

あぁ~それにしても可愛い。いい匂いする。最高!

「・・・一応、当事者だから聞いておくけど兄上の婚約者になりたかったりする?」

「へ?」

冷たい目でジロッと見てくるけど、全く怖くありません。このお顔は不安を隠している時のお顔だと知ってますので。だって、あなたのオタクですもの。推しのためなら、恥ずかしくてもちゃんと言います!

「る、ルカ様がいいです。」

「ん?なに?」

え、聞こえなかった?・・・と思ったけど、そのニヤッとしたお顔!絶対、聞こえてますね!

「ルカ様のお嫁様になりたいです!!」

今度は聞こえなかったなんて言わせない。ガン飛ばす勢いで見つめ返して、勢いよく言ったんだから。

「ふぅん、お嫁さんになりたいんだ?婚約の話をしてたのに、吹っ飛ばして結婚の話をしちゃうなんて気が早いんじゃない?」

なんっで、塩対応!私、完全に振り回されてるじゃないですか!さっきまで腕絡めてデレてたのはどこの誰ですか!

えいっと、思い切って抱きついてみる。これで慌ててくれるルカ様じゃないだろうけど。

「あはっ。リアが僕を好きなことはわかったよ。い~っしょう、大事にしてあげるから安心して。」

一生の言い方に、何やら不穏な重さを感じたのですが・・・ヤンデレルカ様だから仕方ないでしょう。

それにしても、あの一瞬の出会いでルカ様に好いてもらえるのはゲームの強制力ってやつかしら?だとしたら色々と不安ね。

「リアのドレスは僕が用意するからね。靴も、アクセサリーもだよ?」

「楽しみにしてますね!」

前世、ドロッドロのオタクだったので自分を飾り立てることには興味がなかったんですよね。イベントの時は他のオタクにルカ様が悪く見られないよう、最低限整えていましたけど。3次元に存在しているアイドルと違って推し本人に見られることもないですし、自分を飾るお金もルカ様に貢ぐお金にしてしまった。

なので、今でも服にこだわりはありません。ラナが選んだ服を着てます。ルカ様が選んでくれるなら、それはもう喜んで着ますとも。

「あの、ルカ様はいつまで辺境にいらっしゃるのですか?」

「伯爵が書類を書いてくれたら、それを届けに王都に戻るよ。離れたくないけど、まずは法的にリアを僕のものにしておかないとね。」

お父様も第三王子から来た婚約の打診を断れないはずだから、あまり長くはいられないわね。

「お手紙を書いたら、お返事をくれますか?」

「なに、寂しいの?」

推し不足になるじゃないですか!オタクにとっては死活問題ですよ!わかってます?

・・・なんて言えないので、コクンとうなづいておきました。

「・・・気が向いたら、書いてあげるよ。」

やった!
ルカ様、そっぽ向いて腕を組んで、いくらそっけない言い方をしても私はわかります。その言い方はOKだということを!この、ツンデレめ!
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………

naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話……… でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ? まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら? 少女はパタンッと本を閉じる。 そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて── アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな! くははははっ!!! 静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

【完結】義妹(ヒロイン)の邪魔をすることに致します

凛 伊緒
恋愛
伯爵令嬢へレア・セルティラス、15歳の彼女には1つ下の妹が出来た。その妹は義妹であり、伯爵家現当主たる父が養子にした元平民だったのだ。 自分は『ヒロイン』だと言い出し、王族や有力者などに近付く義妹。さらにはへレアが尊敬している公爵令嬢メリーア・シェルラートを『悪役令嬢』と呼ぶ始末。 このままではメリーアが義妹に陥れられると知ったへレアは、計画の全てを阻止していく── ─義妹が異なる世界からの転生者だと知った、元から『乙女ゲーム』の世界にいる人物側の物語─

本の通りに悪役をこなしてみようと思います

Blue
恋愛
ある朝。目覚めるとサイドテーブルの上に見知らぬ本が置かれていた。 本の通りに自分自身を演じなければ死ぬ、ですって? こんな怪しげな本、全く信用ならないけれど、やってやろうじゃないの。 悪役上等。 なのに、何だか様子がおかしいような?

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。 ◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

処理中です...