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お揃いの服
しおりを挟む夕方まで私にべったりくっついていたルカ様。お母様に挨拶をしたら、従者に引きずられるようにして帰って行きました。
「今日は泊まっていく!」
「まだ婚約は成立していません!お控えください。それに、エミリア様とだってお会いして日が浅いのではないですか!」
「婚約はもう成立したも同然ではないか。リアと仲を深めるためにも泊まろうと言ってるんだ!恋愛は出会ってからの時間じゃないんだぞ!同じベッドで寝るんじゃないんだから、そんなに騒ぐな。」
「当たり前です。そんな昨日今日で同じベッドに寝かせるわけないじゃないですか。というか、このまま泊まれば一緒に寝ると言い出しそうですね!」
ルカ様の従者はお兄様の一つ上、9歳であまり私たちと歳は変わらないがとても優秀な方だと聞いている。本当は王太子の従者として王宮に呼ばれたらしいけど、本人の希望でルカ様の下に配属されていると聞いた。
従者が主と言い争うなんて普通は許されることではない。でもその部分をサラッと許しているのが、ルカ様らしい。
「あの、ルカ様。」
「なに?」
「あの、まさか婚約していただけると思ってなくてですね・・・」
「・・・うん?」
「ルカ様のお部屋をご用意できてないのです。」
「いや、客室くらいはあるだろう?そこでいいよ。」
「私は嫌です。今日のうちにお部屋を準備いたしますので、どうかお時間をくださいませんか?私が家具などを選んで、お部屋をご用意したいのです。」
「リアが選んでくれるの?」
「はい。何かご希望とかございますか?」
「配色は白と空色だ。」
「わかりました。」
私の髪と瞳の色でそろえてほしい、ということですね?正確に、受けとりました。
「仕方ないから、お義母様にご挨拶したら帰ろう。明日、また来るね。」
「はい、お待ちしております。」
そんな会話をしたのにお母様に挨拶をしてもどうにか残りたがり、結局引きずられて帰っていったのだ。
「さぁ、ラナ。急いで準備しましょう。」
「はい、早朝にはいらっしゃいそうな雰囲気でしたからね。急ぎましょう。」
ラナは私が部屋を準備するという話をした頃から、商人がこちらに来るよう手配してくれていた。ルカ様がお帰りになると、すぐに商人が持って来てくれたパンフレットを見て考える。
せっかくだから、ルカ様に喜んでいただきたい。私の部屋と何かお揃いにしたら喜ぶ気がするんだけど、男性のお部屋ですしね。シーツや掛け布団などを色違いで揃えてもらおうかしら。
家具や服を、私とお揃いとなるように考えて揃えた。この婚約に歓喜していたので、お母様にも色々と協力していただいた。支度金として後で王家からお金が支払われるだろうから、心配しなくてもいいとのこと。突然のルカ様の訪問により、我が家は1日中バタバタすることになった。
次の日、予想より早くにルカ様はやって来た。目が覚めると、目の前にルカ様の顔があったのはびっくりしてしまった。
「おはよう、リア。」
まだ眠たくてうとうとする私の頬を撫でて、ニッコリ微笑んでいた。それがルカ様だと気づいた瞬間に眠気なんて吹き飛んだけど。
「い、いつからいらっしゃったのですか?」
「うーんと、1時間ほど前かな?」
思わず、時計を確認した。今は朝の5時。早すぎて、昨日はちゃんと寝れたのか心配になります。そもそも、1時間も人の寝顔を見続けて飽きないのかしら?
「あんまり、驚いてないね。びっくりした顔も見てみたかったんだけど。」
「ルカ様なら早くいらっしゃるだろうと思っておりましたので。思ったより早かったので、これでも少し驚いてますよ?」
「ふぅん。・・・本当はね、隣に失礼しようかと思ったんだけどラーヤに止められてね。この距離で我慢することにしたんだ。」
隣?・・・とは、あの、布団に入ろうとしていたってことですか?あわよくば、朝チュン的なシチュエーションをできたはずだったのですか?!
従者のラーヤ様、なんと余計な・・・とか口に出したら流石に歓喜していたお母様にも怒られそうですね。やめときます。
「リアも起きたことだし、朝食前に散歩に行かないかい?」
「いいですね!では、お庭をご案内しますわ。」
「ありがとう。」
「殿下、一度退出しましょう。隣の私室でお待ちになった方がいいかと。」
さっきまで気配を感じなかったのに、どこからかサッと現れたラーヤ様。忍者かしら?
「なんで?」
そして忍者のような従者に、とっても不機嫌な顔をして答えるルカ様。
「お着替えなさるからですよ!散歩へ行かれるのでしょう?」
「婚約者だぞ?着替えくらい見たって許されるだろう。」
「婚約者であろうと!例え結婚したとしても!女性が着替えるところを見ているなんて、デリカシーがないです。エミリア様に嫌われてよろしいんですか?」
確かに、好きな人に着替えを眺められてるのはいたたまれない。さっき余計なことしたとか思ってごめんなさい、ラーヤ様。
「・・・・・・。それはよくない。」
ルカ様、シュンとしちゃって可愛いです。私に嫌われたくないんですって!
「ルカ様、実はですね、お揃いの服を用意したのですが・・・」
「どれ?着替えてくる。」
元気になったご様子。単純で可愛い。ストーリーと違って、私が愛を向けたらこの可愛いルカ様が永遠に見られるのではないかしら?最高じゃない!
「ラナに案内させますね。」
ルカ様はポーカーフェイスでしたが、尻尾があれば振ってるなってわかるくらいにご機嫌なまま寝室を出ていった。
ルカ様が動物なら、きっとネコね。マイペースでツンデレな。今度、ネコ耳でもつけてもらおうかしら?きっと似合うわね。
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