将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

文字の大きさ
41 / 150

心配

しおりを挟む

「ラーヤ、どう思う?」

リアとお茶を飲んだ後、いつもならギリギリまで一緒にいるところを諦めて早々に別れた。リアは不思議そうな顔をしていた。(可愛くて、やっぱり言ったにいたいって言うのを我慢した。)

「何がですか?ルカ様が今日は早く自室に戻られたことですか?それともエミリア様のご様子のことですか?」

「リアのことだよ。」

わかってるくせに、回りくどいことするなよ。

リアはここ最近、溜息の数が増えた。考え事も多い。話してくれたらいいのに、頼ってくれない。

僕だから言えないんだって何となくわかる。・・・若干、僕が頼りないと思われてるんじゃないって自分に言い聞かせている。

「エミリア様の憂い顔に殿下が発情されているのには、少し引きました。」

「・・・いつか八つ裂きにする。」

こいつ・・・・・・本当に、余計なことを。リアの悩んでる顔がちょっと色っぽいなとか、確かに思ったけども!本人は真剣に悩んでるんだから、そんな不謹慎なこと・・・態度に出さないようにしてるのに何でバレるんだよ。しかも、こいつに。

「まぁ、冗談はこれくらいにして。ラナから情報を得ています。」

「なんて?」

「自分にも詳しいことは話してくれないけど、日記になら何か書いてるかもしれないと。」

日記か・・・僕とのデートのこととか書いてるのかな?"会いたい"とか"寂しい"とか書かれてたらどうしよう。可愛すぎて爆発できるな。

リアの字も好きなんだよな。綺麗で愛らしくて・・・手紙をもらった時、僕を思って特別綺麗な文字で書いてくれたのかもとか思うとキュンとして・・・。読み終わった後、そっと手紙に口付ける。

・・・あぁ!やっぱり、もう少し一緒にいればよかった!

「殿下、帰ってきてください。僕の話の途中です。」

うるさいなぁ。

手を顔の前で振らなくてもわかるから!

「なに?」

「貴方が知りたい情報を提供してるんですよ?僕は」

「お前、僕のなんだよ?」

「侍従です。」

「じゃあ、これはお前の仕事じゃないのか?」

おいおい、雇い主の前で大きな溜め息をつくな。

「それで?」

「・・・はい。お茶をお出しした時に少し目に入ったことがあるのだそうですが、何と書いているか全くわからなかったと言っているんです。」

「・・・わからない?支離滅裂なことを書いているということか?」

リアがそんなことするか?

「チッチッチッ!」

うぜぇ。指を目の前で振るな。

「見たことない文字だったそうです。」

「・・・ラナが知らない国の文字だったと?」

「はい。エミリア様が3歳の頃より一緒にいるラナが見たことない文字です。彼女はエミリア様が興味を持った程度の国だろうと、話せるように勉強を始めるような人です。その彼女が知らない文字。」

「ラナがいないところで興味を持ったにしても・・・」

「日記を書き始めたのは5際の頃だそうですから」

「厳しいな。」

5歳の少女が侍女の目を盗んで言葉を覚えるなど、不可能ではないだろうか。まして、彼女にはシスコンの兄がいるんだ。常に彼女の側には兄が侍女がいたはずだ。

「サイラスに聞いてみたか?」

「いいえ、まだです。」

「一冊持ち出すとかできないのか?」

「それが・・・特にここ最近、よく読み返してるようでして。一冊でも失くなれば気付かれてしまうかと。」

これは、その悩みとやらを書いている可能性は高いな。

・・・・・・あれ、待てよ。僕に言えなくて、日記をよく読み返していて、その日記を誰にも読めないようにしてして・・・。

嫌な予感が過ぎる。

本当は、僕はリアに好かれていなかったのだろうか。日記には僕の悪口とか愚痴が書いてあって、婚約が嫌とは言い出せず・・・ここまで来てしまったのだろうか。

いやいやいやいや。そんなはずはない。僕に向けられていたあの瞳は本物だった。そう信じたい。

「はぁ・・・・・・」

今日はせっかく手作りのお菓子を持って行ったのに、ラナに言われるまであんまり手をつけてなかったしな。気を遣わせてしまった。失敗だ。


年々美しくなっていくリアに群がる虫ども。
あの憂う顔が更に人を惑わせてると、なんでリアは気付かない!

・・・よし、いいこと思いついた。

「ラーヤ、これをラナに渡せ。」

「これは、なんですか?また変なもの作ったんですか?バレたらエミリア様に嫌われますよ?」

「うるさい。これを机のどこかにつけて、日記を覗き見る。」

うわぁ!出た!ストーカー!とか思ってるんだろ。顔に書いてるぞ。僕の専属なら、もう少し隠す努力をしろ。

「教えてくれないなら、知る努力をするしかないだろ?」

「・・・普通、そこは話してくれるまで待ったりするんですよ。」

「馬鹿じゃねぇの?知る方法も能力もあるのに、好きな人が傷ついてるのを見てろっていうのかよ。」

「・・・はぁ、わかりましたよ。渡せばいいんでしょ。」

ラーヤに持たせた小型魔道具は、眼鏡型の魔道具とセットで使用する。まぁ、小型魔道具が撮った景色が眼鏡のレンズに映る仕組みになっている。側から見たらただ眼鏡をかけているだけ。眼鏡をかけた人しかレンズの映像を見ることができない。もちろん、僕の発明品。闇の魔法が得意な僕だからできたもの。

僕だって、リアが自分から教えてくれるならこんなことはしない。チャンスだって何回かあげたのに、教えてくれないリアが悪いんだよ。あんな頑なになられたら、自分でどうにかするしかないだろ?異論は認めないよ。

小型魔道具でリアが日記に書いている内容を、見たまま紙に写す。それを元にまずはサイラスに聞き込み。まぁ、それは無駄に終わりそうだけど。最悪、あの人に聞きに行ってみるか。久々に会うから、すぐに帰してもらえないかもしれないのが厄介だけど仕方ない。

さぁ、リアがいつ日記を書き出してもいいようにこちらも準備しておかなきゃね。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………

naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話……… でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ? まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら? 少女はパタンッと本を閉じる。 そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて── アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな! くははははっ!!! 静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

【完結】義妹(ヒロイン)の邪魔をすることに致します

凛 伊緒
恋愛
伯爵令嬢へレア・セルティラス、15歳の彼女には1つ下の妹が出来た。その妹は義妹であり、伯爵家現当主たる父が養子にした元平民だったのだ。 自分は『ヒロイン』だと言い出し、王族や有力者などに近付く義妹。さらにはへレアが尊敬している公爵令嬢メリーア・シェルラートを『悪役令嬢』と呼ぶ始末。 このままではメリーアが義妹に陥れられると知ったへレアは、計画の全てを阻止していく── ─義妹が異なる世界からの転生者だと知った、元から『乙女ゲーム』の世界にいる人物側の物語─

何やってんのヒロイン

ネコフク
恋愛
前世の記憶を持っている侯爵令嬢のマユリカは第二王子であるサリエルの婚約者。 自分が知ってる乙女ゲームの世界に転生しているときづいたのは幼少期。悪役令嬢だなーでもまあいっか、とのんきに過ごしつつヒロインを監視。 始めは何事もなかったのに学園に入る半年前から怪しくなってきて・・・ それに婚約者の王子がおかんにジョブチェンジ。めっちゃ甲斐甲斐しくお世話されてるんですけど。どうしてこうなった。 そんな中とうとうヒロインが入学する年に。 ・・・え、ヒロイン何してくれてんの? ※本編・番外編完結。小話待ち。

本の通りに悪役をこなしてみようと思います

Blue
恋愛
ある朝。目覚めるとサイドテーブルの上に見知らぬ本が置かれていた。 本の通りに自分自身を演じなければ死ぬ、ですって? こんな怪しげな本、全く信用ならないけれど、やってやろうじゃないの。 悪役上等。 なのに、何だか様子がおかしいような?

処理中です...