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心配
しおりを挟む「ラーヤ、どう思う?」
リアとお茶を飲んだ後、いつもならギリギリまで一緒にいるところを諦めて早々に別れた。リアは不思議そうな顔をしていた。(可愛くて、やっぱり言ったにいたいって言うのを我慢した。)
「何がですか?ルカ様が今日は早く自室に戻られたことですか?それともエミリア様のご様子のことですか?」
「リアのことだよ。」
わかってるくせに、回りくどいことするなよ。
リアはここ最近、溜息の数が増えた。考え事も多い。話してくれたらいいのに、頼ってくれない。
僕だから言えないんだって何となくわかる。・・・若干、僕が頼りないと思われてるんじゃないって自分に言い聞かせている。
「エミリア様の憂い顔に殿下が発情されているのには、少し引きました。」
「・・・いつか八つ裂きにする。」
こいつ・・・・・・本当に、余計なことを。リアの悩んでる顔がちょっと色っぽいなとか、確かに思ったけども!本人は真剣に悩んでるんだから、そんな不謹慎なこと・・・態度に出さないようにしてるのに何でバレるんだよ。しかも、こいつに。
「まぁ、冗談はこれくらいにして。ラナから情報を得ています。」
「なんて?」
「自分にも詳しいことは話してくれないけど、日記になら何か書いてるかもしれないと。」
日記か・・・僕とのデートのこととか書いてるのかな?"会いたい"とか"寂しい"とか書かれてたらどうしよう。可愛すぎて爆発できるな。
リアの字も好きなんだよな。綺麗で愛らしくて・・・手紙をもらった時、僕を思って特別綺麗な文字で書いてくれたのかもとか思うとキュンとして・・・。読み終わった後、そっと手紙に口付ける。
・・・あぁ!やっぱり、もう少し一緒にいればよかった!
「殿下、帰ってきてください。僕の話の途中です。」
うるさいなぁ。
手を顔の前で振らなくてもわかるから!
「なに?」
「貴方が知りたい情報を提供してるんですよ?僕は」
「お前、僕のなんだよ?」
「侍従です。」
「じゃあ、これはお前の仕事じゃないのか?」
おいおい、雇い主の前で大きな溜め息をつくな。
「それで?」
「・・・はい。お茶をお出しした時に少し目に入ったことがあるのだそうですが、何と書いているか全くわからなかったと言っているんです。」
「・・・わからない?支離滅裂なことを書いているということか?」
リアがそんなことするか?
「チッチッチッ!」
うぜぇ。指を目の前で振るな。
「見たことない文字だったそうです。」
「・・・ラナが知らない国の文字だったと?」
「はい。エミリア様が3歳の頃より一緒にいるラナが見たことない文字です。彼女はエミリア様が興味を持った程度の国だろうと、話せるように勉強を始めるような人です。その彼女が知らない文字。」
「ラナがいないところで興味を持ったにしても・・・」
「日記を書き始めたのは5際の頃だそうですから」
「厳しいな。」
5歳の少女が侍女の目を盗んで言葉を覚えるなど、不可能ではないだろうか。まして、彼女にはシスコンの兄がいるんだ。常に彼女の側には兄が侍女がいたはずだ。
「サイラスに聞いてみたか?」
「いいえ、まだです。」
「一冊持ち出すとかできないのか?」
「それが・・・特にここ最近、よく読み返してるようでして。一冊でも失くなれば気付かれてしまうかと。」
これは、その悩みとやらを書いている可能性は高いな。
・・・・・・あれ、待てよ。僕に言えなくて、日記をよく読み返していて、その日記を誰にも読めないようにしてして・・・。
嫌な予感が過ぎる。
本当は、僕はリアに好かれていなかったのだろうか。日記には僕の悪口とか愚痴が書いてあって、婚約が嫌とは言い出せず・・・ここまで来てしまったのだろうか。
いやいやいやいや。そんなはずはない。僕に向けられていたあの瞳は本物だった。そう信じたい。
「はぁ・・・・・・」
今日はせっかく手作りのお菓子を持って行ったのに、ラナに言われるまであんまり手をつけてなかったしな。気を遣わせてしまった。失敗だ。
年々美しくなっていくリアに群がる虫ども。
あの憂う顔が更に人を惑わせてると、なんでリアは気付かない!
・・・よし、いいこと思いついた。
「ラーヤ、これをラナに渡せ。」
「これは、なんですか?また変なもの作ったんですか?バレたらエミリア様に嫌われますよ?」
「うるさい。これを机のどこかにつけて、日記を覗き見る。」
うわぁ!出た!ストーカー!とか思ってるんだろ。顔に書いてるぞ。僕の専属なら、もう少し隠す努力をしろ。
「教えてくれないなら、知る努力をするしかないだろ?」
「・・・普通、そこは話してくれるまで待ったりするんですよ。」
「馬鹿じゃねぇの?知る方法も能力もあるのに、好きな人が傷ついてるのを見てろっていうのかよ。」
「・・・はぁ、わかりましたよ。渡せばいいんでしょ。」
ラーヤに持たせた小型魔道具は、眼鏡型の魔道具とセットで使用する。まぁ、小型魔道具が撮った景色が眼鏡のレンズに映る仕組みになっている。側から見たらただ眼鏡をかけているだけ。眼鏡をかけた人しかレンズの映像を見ることができない。もちろん、僕の発明品。闇の魔法が得意な僕だからできたもの。
僕だって、リアが自分から教えてくれるならこんなことはしない。チャンスだって何回かあげたのに、教えてくれないリアが悪いんだよ。あんな頑なになられたら、自分でどうにかするしかないだろ?異論は認めないよ。
小型魔道具でリアが日記に書いている内容を、見たまま紙に写す。それを元にまずはサイラスに聞き込み。まぁ、それは無駄に終わりそうだけど。最悪、あの人に聞きに行ってみるか。久々に会うから、すぐに帰してもらえないかもしれないのが厄介だけど仕方ない。
さぁ、リアがいつ日記を書き出してもいいようにこちらも準備しておかなきゃね。
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