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我慢できない!
しおりを挟む「ねぇ、いつまで続ければいいの!」
思い切り机を叩いた。手のひらがジンジンする。
裏で仲良くしているとはいえ、皆の前で愛しの婚約者に冷たい態度をとらないといけないのはかなりのストレスだった。なぜマリアンヌがノリノリなのか、未だにわからない。
この場にいるのは弟のリアンとルカ、それにサイラスとハオ、ジオとだ。
元々ジオとには話をしていなかった。しかし、ジオは「虐めを無視する訳にはいかない!」だの「どうして彼女を婚約者に選んだのだ!」と案の定、アメリアの味方として騒ぐから伝えるしかなかった。
はこちらが何も言わなくてもおかしいと気づいたらしい。「どういうこと?」「僕だけ仲間外れにされてるのかな?」と可愛い顔でかけられた圧に勝てなかった。
「もし男爵が何か企んで、彼女を唆してたらどうするの?」
確かにそうだが、自分の婚約者が関わってなかったらどうにかしようとしなかったくせに。
「あの女は何か腹にイチモツ抱えられるようなヤツには見えないよな。」
「リアンもそう思うよね!ほら、だからルカ。」
そう促しても、ルカは頷かない。
一体、何が問題なんだ?
「確かにあの女の性格を知るのが最重要案件とは言った。でも、それで終わりとは言ってない。」
「ルカ、まだなんか隠してんの?」
ルカは少し考え込んで言った。
「嫌な予感がするんだ。」
「殿下、それはまだエミィの安全が保証できないということですか?」
シスコンのサイラスとしても、やはり妹が大事らしい。色々と気にして口を挟まないようにしていただろうに、我慢ができなかったようだ。
「リアのことは僕が守るよ。僕の命にかえても。」
兄弟としては、自分の命も大事にしてほしいけどな?
「・・・いつまで待てばいいんだ。僕にできることはないのか?」
ルカから渡された書類には全て目を通した。その上で今この話をしてるんだから、意図してこの先の話に関する書類を抜いて僕らに渡したんだろう。
「できれば、起きてほしくなかったというか・・・僕自身、まだ信じきれていなかったんだ。」
ルカ、一体何を隠したんだよ。
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