将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

文字の大きさ
83 / 150

いざ! 2

しおりを挟む

魔法が破られないよう、先ほどより気を張った。魔法自体も3層にして強度を上げる。

これですぐには破られないはずだ。

「悪いがお前には消えてもらわないといけない。」

もう一度、放つために魔力を圧縮し始めた。

僕が結界を張ったのにはもう一つ理由がある。

「いつまで逃げ切れるかな。」

放った魔力は白い鳥めがけて飛んでいった。それを白い鳥は素早く反応して避ける。

が、結界に当たった魔力は跳ね返り、また白い鳥めがけて飛んでいく。

「ピュイッ!!」

白い鳥は予想していなかったのだろう。それでも寸で避けた。

「じゃあこれはどうかな?」

もう一発、魔力を放った。つまり、白い鳥を追いかける黒い球が2個に。

少し嫌な予感がして、早く終わらせた方がいいと判断した。

魔力をもう二発放つ。

さすがに避けきれず、白い鳥は何度か僕の魔力に当たっている。

一回当たっただけではなくならないのか。

先程までのより大きくした魔力を放つ。

これでどうだ?

疲弊した白い鳥は新たに放った魔力に気が付かなかったのだろう。

真っ直ぐ飛んでいった黒い球が白い鳥をすっぽり包んだ。他に放っていた魔力もそいつに吸い取られ、一度大きく膨らんだと思ったら弾けてなくなった。

黒い球が白い鳥を取り込んで、ほんの数秒のことだった。

「……終わったのか?」

あまり倒した実感もなく、倒してしまった。それが逆に怪しいというか。

しかし、探索しても何も引っかからない。見えない位置に隠れてるというわけではないらしい。

「…どういうことだ?」

「あれ、ルカ様?」

すぐ後ろを振り返ると、アメリア嬢がいた。

アメリア嬢が僕に気づいて、どうにかしたとかないよな?

その考えはすぐに杞憂だとわかった。

「あの、この辺りに白い小鳥を見かけませんでしたか?私のお友だちなのですが、どこかへ行ってしまったようでして。」

小鳥がお友だち?しかも、親しくもないのに僕を下の名前で呼んだのか?…なんて、何も知らなければ馬鹿にして終わっていたはずだ。

「…いえ、僕は見ていません。気づかなかっただけかもしれませんが。」

「そうですか…。」

この女のせいで、リアは気にしなくてもいいことを気にしているんだ。関わり合っていいことなんかない。

「それでは、失礼します。」

「あ、ちょっと待ってください。」

くるりと踵を返したのに、呼び止められてしまった。気づかなかったフリして無視しようか?…いや、それにしては近すぎるか。

「…なんですか?」

「今日はエミリア様とご一緒じゃないのですね。」

「えぇ、だから?」

「あっ、えっと。」

話すことがないのなら話しかけてくるなよ。僕は今すぐにでもリアの元へ行きたいのに。

「エミリア様は今までずっと、私に嫌がらせをしてきたことはありません。」

「そうだろうね。僕もずっと一緒にいるけど、そんなところは見たことがない。」

急に何の話しだ?内容が内容なので警戒せざるおえない。

「そうですよね。」

「何が言いたい?」

「あ!あの、えっと、どうしてなのかなって。」

「どうして?」

こいつ、前世持ちか?それとも転移?

「リアが心優しく、そんなことをする人じゃないからではないか?」

「そう、ですよね。変なことを聞いてすみませんでした。」

本当はこの女からもう少し話を聞いて、確かめたかった。しかし、あまり話していたくはない。

僕は彼女から離れ、リアの元へ行くことにした。

アメリア嬢を監視できるよう、魔法を残して。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………

naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話……… でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ? まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら? 少女はパタンッと本を閉じる。 そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて── アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな! くははははっ!!! 静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

【完結】義妹(ヒロイン)の邪魔をすることに致します

凛 伊緒
恋愛
伯爵令嬢へレア・セルティラス、15歳の彼女には1つ下の妹が出来た。その妹は義妹であり、伯爵家現当主たる父が養子にした元平民だったのだ。 自分は『ヒロイン』だと言い出し、王族や有力者などに近付く義妹。さらにはへレアが尊敬している公爵令嬢メリーア・シェルラートを『悪役令嬢』と呼ぶ始末。 このままではメリーアが義妹に陥れられると知ったへレアは、計画の全てを阻止していく── ─義妹が異なる世界からの転生者だと知った、元から『乙女ゲーム』の世界にいる人物側の物語─

本の通りに悪役をこなしてみようと思います

Blue
恋愛
ある朝。目覚めるとサイドテーブルの上に見知らぬ本が置かれていた。 本の通りに自分自身を演じなければ死ぬ、ですって? こんな怪しげな本、全く信用ならないけれど、やってやろうじゃないの。 悪役上等。 なのに、何だか様子がおかしいような?

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。 ◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

処理中です...