将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

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いざ!

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リアと2人になった時、ずっと気になっていたことを確認した。

そんなわけないと、ちゃんと好意を受け取っていた自信はあったつもりだった。それでもやはり、不安が拭えなくて。

僕はシナリオ内のエミリアじゃなくて、今の君に出会えてよかったと思っている。たとえ、"ルカ"が"エミリア"を好きになる運命なんだと言われても、僕は今の彼女じゃなきゃ好きにならなかったと思うんだ。

白い鳥撃退大作戦(ライト命名)はこれから行われる。

僕だけが彼女を救えること状況。もし仮に、5兆万歩譲ってリアがまだ僕を好きでなかったとしても、彼女の為に戦うのだから惚れてもらわないと困る。

シナリオ内のルカはエミリアから好かれる訳ではなく、いいように使われるだけだと聞いた。そして最終的に自分のものにならないエミリアに腹を立てて殺害するとか。

正直、気の毒すぎる。自分じゃなくてよかったよ。

僕だって、リアが手に入らなかったらどうしてたかわからないもんね。(僕はルカだから仕方ないのか。)

現在、柱の影から白い鳥の様子を窺っている最中。あちらは僕に気づいていない様子。

リアによると、白い鳥は僕のことも敵認定してる可能性が高いらしい。

被害を最小限に、そして確実に仕留めるには不意打ちが1番だ。セコイなんて言わせない。

狙うは白い鳥が一羽のみになった時、アメリア嬢と離れた時を狙う。彼女が近くにいると巻き込まれる可能性、または彼女が白い鳥を助けて失敗に終わる可能性がある。

リアが言っていた、白い鳥を襲った黒い球体というのは僕の魔力を圧縮して飛ばしたものだろう。闇の魔力を込めて圧縮すれば、弱い光の精霊などひとたまりもないはず。僕の魔力の質と量は、精霊王のお墨付きだ。

あ!!

アメリア嬢が白い鳥を待たせて、席を立った。

今がチャンスだ。

「!!?!?」

僕が魔力を放った瞬間、白い鳥と目が合った気がした。気づかれていたのだろうか。

しかし、黒い球体を避けることなく直撃しているところを見ると目が合った気がしただけだろうか?

「ピィイ!!」

一撃で消滅しないらしい。もしかしたら、アメリア嬢といることで力を少し得ていたのかもしれない。

もう一撃飛ばしたが、かわされてしまった。

「クソッ」

放ってから当たるまで、少しの時間が生まれてしまう。その時間を少しでも短くするには近くに行くしかない。

ジリジリと間合いを詰めるために前に進むが、もちろん鳥も逃げようと離れていく。しかし背中を向けると危ないことはわかっているのだろう。僕を視界に入れたまま後退している。

お互いの間に緊張感が走る。

放課後でよかった。じゃなきゃ生徒に紛れて逃げられてしまっていたかもしれない。

「ピィちゃん?」

アメリア嬢が戻ってきてしまったらしい。テーブルからいなくなっている鳥を探している。

しかし、少し離れていてよかった。

白い鳥がアメリア嬢の元へ行くには、僕の近くを通らなければならない。つまり、白い鳥は選択しなければいけない。捕まる覚悟をしてまでアメリア嬢に助けを求めに行くか、ここでじっとしているか。

「まずは口を塞がないといけないか。」

周りに防音の魔法をかけた。僕と鳥を中心に半径3mほど。これで鳥がどれだけ騒いでもアメリアが気づくことはない。

ついでにと、姿くらましと逃げられないように結界もかけた。鳥が後退しても僕が動けば魔法の自動的に僕らの周りで展開されたままになるのだけど、そろそろ追いかけっこは終わりにしたいからね。

「さぁ、どうする?」

白い鳥が後退しようとして、結界にぶつかった。

やっと気づいたの?遅いよ。

焦ったようにあちこち飛び回って、どこか穴がないか確認しているようだ。

僕の魔法に穴があると思う?その辺のヘボい魔法使いと一緒にしてほしくないな。

「ピィピュイッ!」

おっ…と。

こいつの魔法か?一瞬、僕の魔法が解けかけた。

見習いとはいえ、光の精霊だもんな。これくらいできるか。
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