将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

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いつもの日常…?

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「見つけた…。」

仲睦まじそうに歩く2人。
私は変に目立ってるというのに、あの2人は理想のカップルとして見られているのが憎い。

まぁ、確かにあのルカを骨抜きにできるのはエミリアだけよね。ゲームと違ってルカの黒い噂は聞かないし、それもきっとエミリアと上手くいってるからでしょう。

私の視線に気付いたのだろう。ジロリとルカに睨まれた。

あぁ怖い。見ただけで嫉妬されるの?よくあんな男と一緒にいれるわね、あの女も。

悪役令嬢と言っても誰も信じてくれないだろうと確信を持って言えるくらい、毒牙のないエミリア。

なんて面白くないのかしら。

やっぱりルカを敵に回すのは良くないわね。むしろ味方につけないと。

ということは、私はマリアンヌ様かカエラ様を悪役令嬢に仕立て上げないといけないわけね。どちらがより蹴落としやすいかしら?

「おはようございます、マリアンヌ様。」

「おはよう。今日もいい天気ね。」

「はい、今日のお昼はお庭でいただくのもいいですわね。」

「そうね、メイドに用意してもらえるように頼みましょうか。」

登校してきたマリアンヌ様を見て、なんだか自信が湧いてきた。

そもそも、どうしてあの人なのかしら。普通、エミリアという障害がなくなったら、何の迷いもなく私を好きにならない?あの女よりも私の方が美人なのに。納得いかないわ。

確かに、今までの私はこの世界に馴染んでなくて浮いていたわ。でも記憶を取り戻した今、別人みたいなものなんだから。落とせないわけないわ。大学で社交ダンスをしていたし、マナーも学んだことがある。今までこの世界で受けてきた授業の記憶もあるし大丈夫。

「おはようございます、マリアンヌ様。」

私から声をかけると、彼女はびっくりした様子だった。

そうでしょう、そうでしょう。今までの私はカーテシーも満足にできませんでしたから。こんなに優雅な挨拶をされたら驚くわよね。

「おはよう、アメリア様。」

それでも動揺した姿を見せないのは敵ながらあっぱれね。

「私も今日のお昼をご一緒させていただいてもかまいませんか?」

流石のマリアンヌも私の提案は予想外だったみたい。

「今までご迷惑ばかりおかけしましたから、もう大丈夫だという姿をお見せしたくて。そしてできれば仲良くしていただけたら嬉しいのですけど…。」

優しい優しいマリアンヌはきっとこの誘いを断らないわ。

「…そう。明日でもいいかしら?いつもご一緒している方達にお話しないと、驚かせてしまうわ。」

即答されなかったのは少し予想外だけど、まぁいいわ。

「わかりました。明日、楽しみにしております。」

一礼して、彼女が立ち去るのを待つ。

きっと彼女は明日のことを色んな人に相談するのでしょうね。私はどうしようかしら。相談する相手はいないし、モブの情報なんて覚えてないから、対策を考えるのも一苦労なのよ。

でも、ここで何かを仕掛けるのは早いわね。今まで信用がないから、まずは信用を得るところから。ジワジワと攻めなきゃ。

周りは敵だらけなんだから。
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