将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

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波乱のホームパーティー2

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「あれを見たら、確かに今までのアメリア嬢とはちがうって裏付けできるわね。」

カエラの発言に賛同する。

だって、今までの彼女なら裁縫なんてしない。

『えぇ~、なんで私がそんなこと?平民でも労働者でもないのにぃ。』

とか言いそうよね。

…ちょっと、嫌な女フィルターかけてしまったかもしれないけど。

「アメリア・エストランリアがご挨拶申し上げます。」

私たちがヒソヒソと話している間に、先ほどまで囲まれていたアメリア嬢がこちらに来ていた。

「よく来てくださいましたね。」

「もちろんです。マリアンヌ様が開いてくださった会ですもの。」

可憐なお嬢様を装ってる彼女が不気味。ルカ様の魔法で彼女の本性を見てるからこそ、余計に。

「アメリア様のドレス、とっても素敵ね。」

「ありがとうございます。頑張った甲斐がありますわ。」

「頑張った、とは?」

マリアンヌ様とライト様、ナイスプレーです。私たちが既に今日の彼女の装いを知っていたと気付かれないようにしなければならない。

もう知っているけれど、それに気づいていないアメリア嬢は得意気に話してくれる。それをリアクション付きで対応しているお二人。演技力がすごい。王太子ともなれば演技力も必要なのでしょうね。私には無理だわ。

「リア、喉乾いてないか?」

早くも飽きたのだろう。ルカ様が場所を移す提案をしてきた。

「いいよ、行っておいで。」

そんな様子に気づいたリアン様が許可を出してくださった。

「ほら、行こう。」

ルカ様が私の手を引いてその場を離れた。

「一応、あの様子を撮影しているから気にしなくて大丈夫。」

私が気にしないようにと小声で伝えてくれる。

「ありがとうございます。」

私のための小さな優しさが嬉しい。お陰で私は、残された人たちに対して申し訳ないという気持ちが少しだけ減った。

相手をしないといけないから、それはやっぱり申し訳ないわよね。

そして私たちは人気が少ない所へと、バルコニーでお茶をすることにした。

「リアが悪役令嬢と言うなら、まずは物理的距離を取ろう。」

一息ついたところで、これが本題といったふうに口を開いた。

「でも、私だけじゃなくてマリアンヌ様も危険だと思います。」

「本音を言えば、僕はリアさえ無事ならそれでいい。でも、それをしたらライトからの当たりが強くなるからね。あいつは怒ると怖いんだ。」

「あら、そうなんですか?」

ゲーム内でライト様が怒るシーンといえば、エミリアが断罪される時。でもその時はそこまで怖いという感じではなかったのよね。画面上からだからかもしれないけど。

「ライトだけは怒らせちゃいけない。…シナリオ内の僕はライトを怒らせたから負けたのかもしれない。」

後者の言葉を小声で冗談めかして言われた。

なるほど、そんな解釈もあるんだ。きっとこれは公式ルールブックにも載っていなかった内容だ。オタク心が疼きます。

「肝に銘じておきます。」

「うん、そうしたほうがいい。」

ルカ様がこんな冗談みたいな話をできるというのも、きっと知っているのは私だけね。
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